>>650 「常識の壁」というタイトルでした。
<略>この春、私は区役所に職を得た。この年にして、と喜んだのもつかの間、一緒に
働くことになった女性によって、私がこれまで「普通はこうだろう」と思っていたことが、
ことごとく崩されていくこととなった。
一つの作業をゆっくりゆっくりし、できるだけ仕事をしない。終業時間30分前には自分の
湯飲みを洗い、トイレに行き、靴まで履き替える。私としては自分も払っている税金でお給料を
もらっている立場上、時間中はきっちりと、仕事は効率よくと思う。
若い彼女に意見すると、薄笑いを浮かべながら「そんな怖い顔しないでも」などと言われる。
<略>上司に相談しても「うまくやって」と言われるばかりである。怖いものなしのオバサンと
自負していた私が、最近では彼女に何か言おうとすると、早鐘のように心臓がどきどきするように
なってしまった。そんな自分が情けなくて仕方ない。仕事を辞めるという選択をするには、生活が重く
のしかかっている。常識って、いったい何だろう。