淀川の水質監視コイセンサー、ヘルペス死?で運用休止
淀川から生活用水の原水を引き入れている大阪府磯島取水場(枚方市)
で、有害物質に敏感なコイの特性を利用して府が開発した水質監視システム
「コイセンサー」のコイ13匹が先月末から今月初めにかけて死んでいたことが
13日、わかった。
コイセンサーは取水場に2つあり、監視水槽(容量60リットル)5個で飼って
いるコイ8匹が、有害物質を感じて異常な動きを示した場合、コンピューターで
府村野浄水場に自動警報を送る。浄水場職員は、別に設けた観察水槽
(同300リットル)のコイ8匹の様子をモニター画面で確認、対応策をとる。
府は1994年以降、計3か所で導入している。
府村野浄水場によると、10月29日、観察水槽で5匹が死に、11月4日には
監視水槽でも8匹すべてが死んだ。有害物質は検出されていないうえ、10月
下旬以降、取水場にコイの死がい数百匹分が流れ着いており、水槽のコイも
原水中のKHVに感染した可能性があるという。
このため同浄水場は、今後、コイに異常が発生した場合、有害物質に起因
するか、KHV感染か、判断が困難になるとしてセンサー運用を休止した。
代わりに観察水槽に金魚とフナ計4匹を泳がせ、浄水場職員が定期的に目視
で異常の有無をチェックしている。
府村野浄水場は「いろいろな魚を試した中でコイが適任だった。大事な水質監
視の一部を担っていたので困っている」という。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20031114i301.htm