海上保安庁は何故国民にシカトされるの?

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元々、18世紀末〜19世紀前半の帆船時代には海軍、沿岸警備隊の階級には下の
6つくらいしかなかったそうです。
提督(Admiral)、艦長(Captain)、副官(Lieutenant)、准士官(warrant officer)
下士官(petty officer)、水兵(Seaman)


准士官には甲板長(Bosun、Boatswainを短縮して)、帆長(Sail Master)
砲長(Gunner)、主計長(Purser)、士官候補生(Midshipman)
また
下士官には操舵長(QuarterMaster)、各砲の責任者(Gun captain)など
の役職があったそうです。

それが時代とともに6つの階級が細かく分かれていってCaptainの艦長の他に
中型艦(フリゲート)や小型の砲艦などの艦長にはLieutenantを起用していき
それがCommander(今の中佐)になっていったそうです。現在の海軍や沿岸
警備隊の中佐以上の階級(太いライン3本線の袖章、日本の海自では二等海佐、
海保では三等海上保安監以上)では制帽のつばのところに模様が入っています。
あれは本来は指揮官(艦長)になれるという意味だとか。そのうちに小型艦の
指揮官のためにLieutenant Commanderという階級(今の少佐)ができていき、
元々副官の意味だったLieutenant(大尉)もLieutenant Junior Grade(中尉)
とかEnsign(少尉)ができていって小型艇になるとLieutenantの艇長も
出てきました。だから海軍の階級のうち中佐以下の階級は副官(Lieutenant)
を小型艦の艦長に起用するためにどんどん細分化していって現在のように
なっていったのではないでしょうか?
海兵隊の階級も帆船時代から陸軍に準じているそうです。
艦隊によって海兵隊の頭数が少ない場合には陸軍の歩兵部隊を乗艦させた
こともあったそうですから陸軍と同じ方が都合が良かったのかもしれません。
陸軍や海兵隊のCaptain(大尉)は近代軍隊では中隊 (Company) は基本的
な単位でその指揮官と意味からきているのではないでしょうか?
空軍も陸軍の制度をそのまま移行させたこともあって大尉はCaptainですが
実際に航空機の機長、指揮官は大尉が多いと聞いたこともあります。

ネルソン提督の帆船時代から海軍の大型艦(戦列艦)には艦長である
Captainと海兵隊大尉であるCaptainがいたそうですが、元々階級は
役職から来ているので混乱しなかったのかもしれませんね。

現在でもアメリカの空母には艦長であるCaptainと海兵隊大尉(分遣隊長)
であるCaptainがいますよね。でもやっぱ混乱しそうな気もしますけど。
どうなんでしょう?
私の従兄弟に海上保安官がいます。
あれは数年前、まだ海上保安官になって1〜2年目くらいたった頃
のことです。私はその職業について詳しく知らなかったのですが、
自衛隊なんかにちょっと興味があったのでいくつかその職業につい
て質問しました。

彼に「どんな、仕事してるの」と質問すると「海の警察官だよ」
「海上自衛隊とはどう違うの。」と聞くと、彼曰く
「それは陸上自衛隊と警察はどう違うの?と聞くのと一緒だよ。
陸の上には警察官がいるだろう。海の上にも警察官がいるんだよ。
それが海上保安官だよ。海上保安官の場合は消防官も兼ねている
けど。海の警察だから捜査員も鑑識も機動隊もいるよ。拳銃や武道の
訓練もあるし。ついでに海の消防だから消防船もあるしレスキュ−隊員
もいるし救急隊員もいるよ。」

従兄弟の海上保安官に聞いたこと
があります。

「海上保安庁も密漁の取締りをするみたいだけど、水産庁
なんかもするんでしょう?」

「おう、そうだよ。水産庁にも都道府県にも取締り船が
あって監視や取締りをしてるよ。どっちかというと密漁
に関してはそっちの方が中心なんじゃないかな。県の
取締り船は県の水域内だけど、水産庁の方は遠洋まで
出ていくよ。水警の警備艇もあるよ。海自の警務官だって
司法警察権あるし。司法権ないけど、まとめてCIQとよ
く呼ばれる検疫、入管、税関だって監視艇があって強い調
査権というか行政権限があるよ。」

「へ〜、海の上っていろいろ、そういうのってあるんだね。」
「でもさ、別に海の上だけでなくても陸の上だっていっぱい
あるよ。司法権があるのだけでも有名どころでは自衛隊の警務
だろ、麻取だろ、労基署だろ、他に何と言っても検察があるし。
その他に強い調査権があるのだって国税の査察官にCIQがあ
るしね。」

「そういうのって争いとかないの?」

「あるよ。基本的には先に取った方が優先するのかな。でも
海保の例でいうと、最近は警察とすぐに合同捜査本部を立てる
ことが多いかな。これに密輸関係だと税関、密航関係だと
入管が加わるね。最近はつまらない縄張り争いは流行らないん
だよ。みんなで一緒にやった方が手っ取り早いし、事件の数を
カウントするときもどちらの方にも計上できるから何かと
良いんだよ。」
「海上保安庁って本に載ってたけど有事の時は海上自衛隊の
指揮下に入るんだよね。?」

「そうだよ。でもよく誤解されるんだけど、海上自衛隊の指揮
下に入るわけじゃないからな。自衛隊法を読んでみればわかる
けど、防衛庁長官の指揮にはいるわけだから、陸自、海自、
空自と並列の関係だね。アメリカの沿岸警備隊もそうだよ。
国防長官の下に陸軍長官、海軍長官、空軍長官と並列で
沿岸警備隊長官が指揮下に入ることになっているんだな。
だけど、作戦では海軍将官の率いる海軍部隊の下に沿岸警備隊
のカッタ−が加わることがある。何故かというとアメリカ軍に
は統合軍、統合部隊というのがある。太平洋軍とか南方軍とか
宇宙軍なんて呼ばれているのがそうだよ。陸、海、空、海兵隊
などの各軍が構成して地域軍、地域部隊、目的別の部隊を編成
するんだ。だから海軍の指揮官の下に空軍や陸軍の部隊が入る
ことも多いんだ。だから海軍の部隊に沿岸警備隊のカッタ−が
加わって周囲で臨検、警備活動をすることも多い。
日本も早く統合部隊を創設するべきだよな。陸自の師団や海自
の地方隊、空自の航空団を併せて地方隊を編成。ということが
あってもいいと思うな。そうすれば海保の巡視船はガスタ−ビン
ではないので速力と航続距離を合わせ持ったのがないから海自
の護衛隊に随伴することは無理だけど、海自の地方総監部の指
揮下で巡視船が警備活動を行うということは可能だと思うけどな。
それより日本は統合した部隊で何かやろうとする考えはないの
かな?災害のときだってそう。消防の指揮下に警察、自衛隊、
海保の各部隊が加わって一つの地域部隊を臨時に創るとか、そう
いうことないものな。災害対策本部はできるけど、あくまで船頭
が雁首並べて調整という会議をするだけだものな。船頭は一人
の方がいいと思うよ。
防災訓練だってスケジュ−ル通りにつぎは自衛隊、つぎは消防の
レスキュ−隊、つぎは警察。こんなふうに各機関が順番で
デモンストレ−ションやるだけだものな。あれじゃあな。
もっと実践的に対策本部を組み立てて本部長が臨機応変に指揮して
各自衛隊、消防、警察、海保の部隊を動かしていく訓練をしないと。」

従兄弟がこんなことを言ってたのを想い出しました。
扇さんはえらいよ。去年の靖国問題の時も最後まで『靖国の首相公式参拝は
何も悪くない』と小泉首相を支持してたからね。最後になって公式参拝を
取りやめるように言った山崎拓なんかと大違いだよ。この人が大臣になって
からだよね。海保の英語名が『日本沿岸警備隊』に変わったの。同じ連立政権
を組んだ公明党なんかだったら絶対に反対するだろうね(特に浜四津なんか)。