「安房の国東条の郷は辺国なれども日本国の中心のごとし」
(安房の国東条の故郷は辺国(辺境の国:田舎)だけれども
日本国の中心のようである。)
其の故は天照太神跡を垂れ給へり。
(その故郷は、天照太神が参られました)
「昔は伊勢国に跡を垂させ給いてこそありしかども」
(昔は伊勢に参られた事こそ、あるけれども)
「国王は八幡、加茂等を御帰依深くありて」
(国の王は、八幡、賀茂氏らを深く帰依され
※賀茂氏:天皇に仕えた氏族(祭事・暦・天文・陰陽学が専門)
「天照太神の御帰依浅かりしかば、太神瞋りおぼせし時」
(天照太神の帰依が浅かったので、太神お怒りになっていた時)
「源右将軍と申せし人、御起請文をもつてあをかの小大夫に仰せつけて頂戴し」
(源右将軍と言う人が、御起請文をもって、あをかの小大夫に仰せつけて頂戴し)
「伊勢の外宮にしのびをさめしかば、太神の御心に叶はせ給いけるかの故に」
(伊勢の外宮に忍び(密かに)候めしか(仕えれ)ば、天照太神の御心に叶わせたために)
「日本を手ににぎる将軍となり給いぬ。」
(日本を手に握る将軍となった。)
「此の人、東条の郡を天照太神の御栖と定めさせ給う」
(この人(将軍)は東条の郡を天照太神の御栖と定めさせました。)
「されば此の太神は伊勢の国にはをはしまさず。」
(そうすれば、この天照太神は伊勢国には降臨されなくなる。)
「安房の国東条の郡にすませ給うか。」
(安房の国東条の郡に住ませられるか)
「例えば八幡大菩薩は昔は西府にをはせしかども」
(例えば八幡大菩薩は昔は西府(九州)に降臨されたけれども)
「中比は山城国・男山に移り給い、今は相州、鎌倉鶴が岡に栖み給う。
(中頃は山城国・男山に移りになり、今は相模の国鎌倉の鶴が岡八幡宮にいます。)
「これもかくのごとし。」
(この例も、もそうです。)
「日蓮は一閻浮提の内、日本国安房の国、東条の郡に始めて此の正法を弘通し始めたり。」
(日蓮は一閻浮提の内、日本国安房の国、東条の郡に始めて此の正法を弘通し始めました。)
日蓮の故郷は田舎ではあるが、日本の中心のようである。
その故郷は、天照太神が参られました。
どうして、天照太神が故郷に参られるのか理由を述べる
王は八幡加茂等を深く帰依し、天照をおろそかにした。
一方、源右将軍は、伊勢の外宮に密かに仕えていたので、
天照太神の御心に叶わせ 日本の将軍となった。
将軍は、東条の郡を天照太神の御栖と定めさせた。
そしたら、この天照太神は伊勢国には降臨されなくなる。
例えば
八幡大菩薩は昔は西府(九州)に降臨されたけれども
山城国・男山に移り、今は相模の国鎌倉の鶴が岡八幡宮にいます。
この例も、もそうです。
日蓮は一閻浮提の内、日本国安房の国、東条の郡に
始めて此の正法を弘通し始めました。
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日蓮大聖人は、伊勢の天照太神に参り、故郷に天照太神を呼び寄せた
と言っているのでしょうか? なんだかかわいいですね。
その理由を例えをおりまぜ説明していますね。
ところで日蓮大聖人は、分霊鎮祭や勧請を知らなかったのでしょうか?