>>661 面倒な事をしたくないし、また、このスレの趣旨にも必ずしも沿わない内容かと思って
無駄だと言ったのですが…。
まぁしかし、真面目にお訊きになっているようですし、もしかすると多少とも法的知識
がある方なのかもしれないと思わせるものもありますので、お答えしておきます。
あの平成7年2月28日の判決の傍論部分に関して、それを認めたくない陣営の方達は、
学者も含めて傍論であるが故に価値がないとする趣旨の立論を行っています。
私が過去に(法)学者の説く論述を読んだ範囲では、もちろん法論理的に成り立ち得ない
とまでは言えないにしても、その考えを採ろうと思える内容ではありませんでした。
あなたの質問に答える事で、同時にそれらに対する私の考えを示す事ともなりうると思います。
少し長くなりますが、先ずは、判決の問題とする傍論部分を引用しておきましょう。
『このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における
選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主
主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的
事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治
形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に
在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に
緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連
を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体
の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されて
いるものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか
否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからと
いって違憲の問題を生ずるものではない。』