☆コミカル【北斗】兜ァ国土建設【清浄】☆2

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684法律ヲタ ◆8PR9uxYCzw
>>661
面倒な事をしたくないし、また、このスレの趣旨にも必ずしも沿わない内容かと思って
無駄だと言ったのですが…。
まぁしかし、真面目にお訊きになっているようですし、もしかすると多少とも法的知識
がある方なのかもしれないと思わせるものもありますので、お答えしておきます。

あの平成7年2月28日の判決の傍論部分に関して、それを認めたくない陣営の方達は、
学者も含めて傍論であるが故に価値がないとする趣旨の立論を行っています。
私が過去に(法)学者の説く論述を読んだ範囲では、もちろん法論理的に成り立ち得ない
とまでは言えないにしても、その考えを採ろうと思える内容ではありませんでした。
あなたの質問に答える事で、同時にそれらに対する私の考えを示す事ともなりうると思います。

少し長くなりますが、先ずは、判決の問題とする傍論部分を引用しておきましょう。
『このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における
選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主
主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的
事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治
形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に
在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に
緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連
を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体
の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されて
いるものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか
否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからと
いって違憲の問題を生ずるものではない。』
685法律ヲタ ◆8PR9uxYCzw :04/08/11 00:08 ID:???
それでは、御質問にお答えします。
>主文ではなく、傍論ですか?
おっしゃりたい事は、正確には「主文」ではなくて、それを支える、“理由”中に
おける“本論”という事なんだと思いますが、本論ではなく、傍論です。
(もちろん、この判決の本論に何の価値もないという意味ではありません。それも
判例としては重要ですが、論じている事との関係では傍論に意味があるのです。)

>調べてみたところ、傍論に法的拘束力はないそうですね。
これは、どのような意味で「法的拘束力はない」と言っているのでしょうか?
“判例なるものに”と言う事であれば、本質的には、傍論のみでなく本論であっても
法的拘束力はないと思いますが?
あるのは、事実上の拘束力ですね。
この点、英米法の考え方と大陸法の考え方は、異なる点があります。
英米法の場合と異なり、判例という観点からは本論と傍論を区別する意味は、あまり
無いように思います。
686法律ヲタ ◆8PR9uxYCzw :04/08/11 00:09 ID:???
>裁判官の個人的感想に過ぎず、判例となり得ない傍論ですよ。
傍論は、判例となり得ますし、また、「裁判官の個人的感想」でもありません。
いわゆる判例集に、例えばこの判例の当該傍論部分も判例として登載されていると
思いますよ。(その他にも探せば傍論部分が判例とされている例は、幾らでも
見つかると思います。当然、個人的感想に過ぎないものではありません。)

ところで、最高裁の判決文を幾つかお読みになった事はありますか?
「個人的感想」ではないですが、裁判官個人の意見が付される事はあるんですよ。
ちゃんとこれは個人の考えだと分かりますし、誰の意見であるかも分かるように
なっています。
いわゆる傍論は、それとは違うのです。

簡単ですが、こんな所で良いでしょうか。