「いやああああぁぁぁぁっっっほうーーー!!」
ニュータイプのジュリ扇がMöbiusを描く。あらあらテーブルにあがったらパンティちらちら。レイディがいけませんよ!
わたしも知らないうちになんかゆってるwわたしなにゆってるんだろう??
お酒おいしいからよくわかんないわ。耳元でギャンギャンうぜーなと思ったらわたしの声かも。
「だい好きなだい好きな街の人に役に立つことを演説したんだよ!あたしは街の人がだい好き!だからこのくらいサービスだよねキャア―ッ!」
るせぇーぞゴルァwwわたしは黙らないけどわたしの声を聞くわたしの耳と頭が不機嫌になったので、代用で横を歩いている泥酔コヒを蹴っ飛ばした。
泥酔コヒは隣のテーブルに倒れこみ、枝豆の皮が入った皿が宙を飛んだ。
枝豆の皮は編んで籠のようになっていた。器用な遊びをしていた街の若者が悲痛な顔をしたので、わたしは違うコヒを呼んで泥酔コヒを店の角まで投げ飛ばさせたw
ニュータイプDJ&ラッパーお酒がぶ飲み。
「わたしののど越しの音♪わたしを誉めている?」「イエス!」
「YO!」「イエス!」「YO!」「イエス!」
「誉めて誉めて世界中の誉め言葉はあたしのもので当たり前YOYO!」
「パッパッパラッパパ♪」「フゥー!」「パッパッパラッパパ♪」「フゥー!」
ニュータイプ躁ハッピーイェイ!
泥酔コヒは起きない。
わたしは街の人に好かれなきゃならないの。
わたしは街の人に感謝されることをしたのよわたしは立派で人格者で有能でカリスマ性があるの。
街の人はわたしを見たら喜ぶのありがたがるのサインねだるのお金を差し出すの!
いつもじゃないけど崇められたい気分なのよ!
だからコヒお前が悪い。蹴っ飛ばしたのは違うわたしだから棚にあげちゃうのっ♪
街の若者たちはぷんぷんして帰って行った。
違うわたしは勝手にしてる。素敵なわたしはお姫様!
ワインもビールもじゃんじゃん持ってきてぇ!満たされたいのわたしだけ満たされたいの!
わたしは人をハッピィにするお姫様なのお!
お酒飲むと姫分裂ぅ!でもわたしのせいじゃない。
イライライライラしちゃってえぇぇぇ!街の人たちめっさイライラしちゃってえ!
うざいやつは嫌って嫌って嫌っちゃってえ!ケンカして恨んで憎んで傷つけあってえ!
でも面白いんだけどもしてもしなくてもわたし気にしないんだよねほんとは。
我慢ができなくなってきた街の住人達。戦争をしていることを忘れたまま、毎日喧嘩が始まった。
よくよく考えないふつうの住人たちはふつうに、作物をとる。肉や魚を捕る。工場や工房で物を作る。
そして注文した数より多くても少なくても、上物でも不良品でも、ミリのサイズ違いでも色づけがひとさし足りないだけでも、口より先に拳を出すようになった。
すぐに気に入らないことが無くても拳を出すようになった。
眠りから起きると人を殴るために外へ出る者が現れてきた。
ふつうの人たちは怖がった。しかし誰に文句を言えばいいのか分からない。
音楽家、学者、医者は商売道具を持ってお城に押し掛けた。
音楽家は楽器を抱きしめ、学者は古代の遺物や書物、望遠鏡や計算道具を馬車に入れ、医者は親妻子を連れてきた。
街の人達が大量に怒っていて話にならない。すぐにお金や食べ物にならない音楽や学問をしてる人は楽をしようとしていると言ってずっと付きまとう。
どこが悪いのかわからない人が家に医者を呼びつけ、もっと重病の人がもっと悪くなる、
治療している間に待合室でケンカになり、夜に診察時間を終わらせただけで翌日に怒りだし薬代は払えないと騒ぎだし、家族が寝不足に。
しかしお城のお役人はしらばっくれたw
『戦争になっても音楽家や学者や医者の身分を保証する』という法律がなければ守れませんと言うw
でも仕方が無いのでお城のお庭にテントを張って住まわせてあげているらしいw