ニュータイプ小人の一行とお散歩していたら変な演説会を見つけた。
いつもはカップルが集まる広場の噴水の前で、まだ森に住んでいない街のコヒ族が集まってマイクに次々叫びだした。
おい、こんなにいたのかいw
「かつらの国のやり方は確かに汚い!でも私達が仕事につけなくなることはもっとおかしい!」
「仕事場では甘い気分で仕事をするんじゃねえと言われました!家へ帰れば甘い気分で仕事をやめるんじゃねえと言われました!どっちでも甘い気分は持ってません!」
「戦争中だから仕事の効率をあげるためにここをやめなさいと言われました!家に帰ったら結婚相談所に勝手に申し込まれていました!だから家出をしてきました!」
「私もです!紹介された人は全員嫌なのに、家族、親戚、友だち、お役人、みんなにお国のために決めろ!決めろ!と言われました。嫌がるのは我がままだ自己チュウだって怒られました!」
「外で持っていたお金を取られ、物を投げつけられて逃げようとしたら、もっと努力して、いじめたくなくなるような性格のいい人になればいいのにって裁判起こされました!親、友だちみーんなの前で、コヒ族であることをばらされました!」
「私は三回結婚したら三回とも相手がお酒を飲んで暴力ふるってきました!周りの人全員があたしが悪いと言います!」
「自分は、結婚相談所で勝手に決められた相手に働けない体にされたんです!」
「仲人には子どもを持てと言われたのに、出来ると雇い主に怒られました!怒って仕事をやめさせられてから、お城のお役人は仕事をしていないことを怒ってきました。私が知らない人たちに怒られ、いつも怒られてることがうるさいと言ってみんなが怒ります!」
「おいらは怒られるので何もしないで家にいました。そしたら何をしても腹が立つけど何もしないのも罪だと家から引きずり出されました!」
「病気の人が集まる仕事場へ行ったら、ぼくが盗みをしたことにされました!無実をきちんと証明したら、犯人の人がもっと病気が悪くなってぼくがやめさせられました!ぼくがきちんと働くと他の人の心が傷つくって言われました!」
「たった一人でオレを育てたお母さんが、オレが仕事をやめさせられたショックで倒れました!親戚からはオレが責められました!お母さんはまだ目を覚ましません!オレがお母さんを心配しながら仕事を探すとお役人に怒られ、仕事探しに遠くへ行ったら親戚に怒られます!」
「なになに!?!?こいつら面白すぎね?ww」当然ニュータイプの目は点!
あひゃひゃひゃひゃひゃ!自分の不幸ネタ!?!?
「戦争の庶民の反応って面白いね!」
こっけいで仕方がない!ニュータイプが笑いだした。悪魔が取り付いたみたい。
「姫!邪魔してきていいっすか!ぐっちゃぐちゃに壊してきたいっす!」
ふ〜ん。とあいまいに鼻声出すとニュータイプ達は走って行った。わたしはいいって言ってないからね〜♪
湖のほとりに小汚い小屋が建った。
「姫を笑うぞー!おー!」とシュプレヒコールを一人であげていた小男がいた。
古いコヒが新しいコヒ族と話し合っていた。シュプレヒコールがうるさくってその話し合いはさっぱり聞こえないまま。
春だから、おかしい人が出るのね。古いコヒ達が疲れて渋い顔をするのですごーい面白かった。だからその小屋は潰さないでスルーしてあげたわ。
小男は「憎かったらワラ人形に釘を打てばいいじゃないですか!」と、背丈ほどもある巨大な人形を自分で作り出した。
もう少しで人形が出来上がりそうなころ、人形の背中に『自己愛』と書いた紙が貼ってあった。
その紙でバランスを崩して、ワラ人形は小男ごと倒れ、湖の底に沈んでいった。ざまざまあ。
カツラの国に反発する人が増えたので街からはカツラが消え、帽子や着色道具の商売が繁盛してきた。試供品をもらって魔法で倍増、わたしもただで髪を変色させちゃったw
南の小屋で自慢したら、わたしに着色道具を買うお金が無いって同情されたみたい。お金をたんまりポケットに入れてもらっちゃった!また行こう!お金!お金!お金!
でもお金は取っとくの。北の小屋から魔法で引き寄せた中華風パスタおいしいな!
おいしいものは魔法で。王子様のハートはお金で取り寄せるんだ♪
わたしも演説をした。
「街のみなさーん、コヒ族は森へ来ればジコジツゲンパワーがつきます!
明るく生きがいを持って仲間と仲良く生きていけるんでーす!
仕事なんてやめさせちゃってくださーい!いらなかったら家から追い出してくださーい!
友だちも裏切ってあげていいですよおー!コヒ族は自立して生きていけまーす!だから追い出しかけてくださあーい!」