連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 5クール目

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131七志野
アメリー君のおじさん1

4、5年前から、ニホンママの作った黄色いマウスが、地球町中でブームです。
デザインも斬新で愛らしく、地球町では、9割の子どもが使っています。
今までの主流だった、アメリー君のおじさんが作っていたマウスは、
「気持ち悪い」「デザインが古い」と最近落ち目です。
アメリー君のおじさんは、新しいデザインを考えようと
まず、小学校で、こっそりマーケティングをすることにしました。
甥のアメリー君の教室にやってきたおじさんがドアの隙間から見てみると

「やーい、ニホン。ウリのデザインの方が斬新ニダ。カッコイイニダ。」

と、やせっぽちの少年は手に10年前のデザインのような筆箱を持って女の子に
ちょっかいを出しているではありませんか。

「ウリのデザインは地球町で一番ニダ。ウリナラチェゴー!!」

「あんなデザインが今、子どもたちに受け入れられているのか。」
おじさんはショックを受けました。
おじさんは、家に帰ると、創作意欲が湧いたようで、次々とアイデアが
出てきました。
アメリー君が、家に帰ると、おじさんが「待っていたよ」とアメリー君を
おじさんの部屋に入れ、早速、新しい作品を見せ始めました。
132七志野:2001/08/13(月) 21:35 ID:VekV4Zec
アメリー君のおじさん2

「う〜ん」とアメリー君がどれもしかめっ面で見ていましたが、
おじさんはやる気満々なので、なんにも言えませんでした。

しばらくしてアメリー家から商品として売り出されましたが、どれも
いま一つな人気です。
また、おじさんは、小学校にマーケティングに行きました。

「『真珠巾』は、ニホン家の本質を出していない。あんなものはダメだ。」
妙な存在感と威圧感のある少年が周りの少年たちと話しています。

「『あ、取らんで巣』って昔、ニホンママが作ったアニメより面白くなかったね」
ショートボブの女の子が、ブロンドカールの女の子と話していました。

「なんと言うことだ。子どもたちに受けていない。」
おじさんはまたもショックを受けました。
しばらく呆然と見ていると教室の隅で、きりりとした目の少年と少女が、
この間叫んでいた少年に向かって怒っていました。

「また、母さんが昔作ったものをパクったな。」
「お前のところでは、パクリと創造の区別もつかないのか」
「アイグォー」
133七志野:2001/08/13(月) 21:36 ID:VekV4Zec
アメリー君のおじさん3

そうです。おじさんは、カンコ君と同じ真似をしてしまったのです。
しばらく立ち尽くしていると、この間ちょっかいを出されていた女の子が、
「大丈夫ですか」
と優しく、声をかけてきました。

「え、えぇ」とあいまいな返事をして、ふと女の子を見るとおじさんが昔作った
黒いマウスを持っているのが目に留まりました。
「あっこれ、小さい時にお父さんに買ってもらって、大切に愛用しているんです。」

おじさんは何とか立ち直り、また黒いマウスで儲けようと商魂を燃やすのでした。


古いネタでスマソ。
ちょっとやばいネタなので、おじさんの名前は出ていません。
プールみたいに消せと言われたくない。
あと、子どもたちの雰囲気は、イラスト倉庫を参考にしました。