連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 5クール目

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13マジヤバイザケンナコロスゾ 1
「マジヤバイザケンナコロスゾ」
チンソーくんは今日も奇声を発しながら、三輪車に乗って家の中を暴れまわっています。
子猫を追い掛け回したり、家の壁に落書きをしたりとやりたい放題です。
その落ち着きのなさはニホンちゃんやヲタくん、ドキュソちゃんと同い年とは思えません。
周りのみんなは醒めた目で見ているのですが、チンソーくんは気にしません。
今日も道路で奇声をあげながら三輪車の蛇行運転をしています。
そして『ノリ』で、チンソーくんはキッチョムくんの家にまで珍走してしまいました。

「マジヤバイザケンナコロスゾーーーー!!」
キッチョム家にむかって叫ぶや否や、チンソーくんにたくさんの銃弾が飛んできました。
「マジ!?ヤバイ!!!」
人を傷つけるのは大好きだけど自分が傷つくのは大嫌いなチンソーくん。
慌てて逃げ出そうとしますが、すでにしっかり囲まれてます。
「ザケンナ。コロスゾーーーー」
奇声を上げながら包囲を突破しようと、チンソー君はキッチョム家の戦闘員に襲い掛かります。
しかし、人殺しを仕事にしている人間と仕事がなくて人を殺してしまう人間では結果は明らか。
あっという間にチンソーくんは捕縛されてしまいました。
14マジヤバイザケンナコロスゾ 2:2001/08/10(金) 23:48 ID:6vDcNqrA

「・・・このたびは、うちのチンソーがすみませんでした・・・・」
数日後、ニホン一家はキッチョム家にチンソー君を引き取りに行きました。
もちろん、謝罪と賠償を持ってです。
頭を下げるニホンパパの後ろで、チンソー君はというとお友達に携帯電話でお話中。
カンコくんもびっくりの歪曲をしながら、武勇伝としてお話をしているみたいです。
彼にとってはこれはやんちゃな青春時代の思い出なのでしょう。

だけど、収まらないのはニホンちゃん。
今回の賠償でお小遣いが減らされてしまったのです。
サヨックおじさんの反対で、チンソー君の三輪車を取り上げることができなかったので、
チンソー君をイスラム村へお買い物に行ってもらうように計画しています。
(あそこだったら、謝罪も賠償も通じないわね・・・。)

「マジヤバイザケンナコロスゾーーーーー!!!」
何も知らないで今日も奇声をあげるチンソーくん。
蝉時雨だけが、その叫びに応えていました。