連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 5クール目

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108かかっ
さんぱい
ある夏休みの一日、タイワンちゃんとニホンちゃんは、
カンコ一家のハンストを見に行くことにしました。
ニホンちゃんは、カンコ一家がハンストをする事は知っていましたが
何をするのか分からなかったので好奇心も手伝って
タイワンちゃんと神社へハンストを見に行くことにしました。
神社につくと向いに壇を作ってカンコ一家が陣取っていました。
二人は離れて見ることにしました。
「そういえばはんすとってなんなんだろ。タイワンちゃんわかる?」
「えーと、はんすとっていうのは、」
「ハンスト、ハンガーストライキの略称、要求を通すための闘争手段として
絶食によって行う示威行為の事だ」
いつの間にか横に立っていたアーリアちゃんが説明しました。
「あっ、アーリアちゃん」
「げ、なんであんたがここにいんのよ!」
「ん、私も奴の抗議行動がどのような物か興味があってな、立ち寄ってみた」
「チッ」
「お、一家でなにか訴えているぞ」
アーリアちゃんはカンコ君達を指差しました。二人が見てみると
カンコ一家はプラカードを出したり、泣叫んだりして、訴えていました。
109かかっ:2001/08/13(月) 01:19 ID:sxHmUJiQ
さんぱい2
「シシローの神社参拝は断固拒否するニダ!それは日付けをずらしても
一緒ニダ!」
「シシローの神社参拝はニッテイ35年の(略)」
「寿司の起源はウリナラニダ!!」
内容はともかく、涙ながらに訴える様をアサヒちゃんがビデオに撮ったり、
インタビューをしています。
(きっとまた学級新聞に書くんだろうな・・・)
ニホンちゃんはため息をつきました。一家のボルテージもあがってきた
ところで、カンコパパが言いました。
「ウリ達はシシローの神社参拝の中止を求めて8月15日まで
ハンストリレーを決行するニダ!!」
誇らし気に宣言するカンコパパ、アサヒちゃんは拍手を送っています。
ニホンちゃんはふと、疑問に思いました。
「ねぇ、ハンストリレーって、リレーって事は断食とか絶食を交代で
するってことかな?」
「そうじゃないの?リレーだし」
二人が話していると、
「いや、絶食・断食を交代制にしたらそれはもはやハンストの意味を
なさなくなるぞ」
アーリアちゃんが指摘しました。
「あ、そか」
二人は顔を見合わせました。
よく見ると一家に緊張感は無く、談笑したりしていました。
とても抗議に来ているとは思えません。
110かかっ:2001/08/13(月) 01:23 ID:sxHmUJiQ
さんぱい3
2時間半程たったころ、カンコ一家が帰り支度を始めました。
「あれ?カンコ君達帰っちゃうよ」
「ストライキはまだ始まったばかりじゃ無いのか?」
アーリアちゃん首をかしげています。
するとカンコ君が三人に気付いて駆け寄ってきました。
「ニダッ!ニダニダッ!!ニホン、ウリ達のハンスト見てたニダなっ。
どうニダ、ウリ達の体を張った抗議活動は」
どこか誇らし気なカンコ君、するといまにもマジ切れしそうな
タイワンちゃんが言いました。
「あんたやたらキムチ臭いけど、まさかハンスト中に食事したんじゃ
ないの?」
「なっ、これはハンストリレーニダ!だから物をくってもいいニダ!」
うろたえながらなんとか持ちこたえるカンコ君、しかし、
「わずか3時間足らずで終わるハンストなどはじめてきいたな、わたしは。
 もし今の一連の行動をハンストと呼ぶなら、わたしも昼食と夕食の間、
 毎日7時間はハンストしている事になるな」
アーリアちゃんがつっこみました。
EU町の人には強気に出れないカンコ君は顔をキムチ色に染め、
「ゥアイゴオオオオオオオオオゥ!!!」
絶叫しながらどこかへ走り去ってしまいました。
                            おしまい