W杯。宿泊・交通対策なし「恥さらしの恐れ」

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110名無しさん@お腹いっぱい。
 全く日本語ができず、土地勘もない外国人が関西空港に着き、目的地までたどりつけるだろうか――。豊中市の市民が、そんな疑問を実地に検証し、とよなか国際交流センターのボランティアでつくる冊子「ひらく」23号で報告した。英語の案内でさえ不十分で、その他の外国語の掲示はほとんどない実態が明らかになり、「来年のワールドカップ(W杯)に来た外国人が戸惑わないか」と、ボランティアは心配している。

 調査は今年4月14日夜に実施した。妻の実家を訪ねて初来日した、アメリカ人のマイク・エリオットさん(31)に、関西空港から阪急電車の豊中駅まで、一人で向かってもらった。「ひらく」のコラム「まちのアレ・コレ調べ隊」のボランティア編集部員3人が、つかず離れず同行した。

 マイクさんは南海電車で難波まで行き、大阪市営地下鉄で梅田へ。その後、阪急電車で豊中駅まで向かった。難しかったのは、梅田での乗り継ぎ。地下鉄の駅員に「Hankyu」「Toyonaka」と書いたメモを見せると、「ナンバーワン」といわれ、マイクさんは地下鉄の1番ホームに再び下りてしまった。駅員は「1番出口」を示したつもりだったが、通じなかった。

 やっと「阪急乗り場(ローマ字表記)」を見つけるが、切符売り場も改札口も見あたらない。梅田周辺で10分迷うことになった。

 阪急電車の切符売り場でも、マイクさんが見た運賃案内図には、目的地の豊中のローマ字表記がなく、マイクさんはかなり困った様子。結局、関空から豊中まで2時間20分もかかった。

 このほか、電車に乗り慣れないため自動改札機や料金表示(「200/100」などの大人、子ども料金の区分け)にも戸惑った。日中なら案内員がいる駅も、夜間は手薄で相談できる人も少なかった。南海電車は駅員が英語で応対し、比較的良かったという。

 同行したボランティアらは、(1)各社とも英語表記が小さい(2)英語以外の言語表記はほとんどない(3)外国語のパンフレットはあっても、目立つところに常備されておらず、W杯が心配――などと感じた。次号で交通機関側の回答などをまとめる。

 阪急電車は、朝日新聞の取材に対し「ご指摘を受けた点は徐々に改善したい。パンフレットも充実を検討している」と話し、大阪市交通局は「駅員に英会話の研修を今年度から初めて実施している」という。