連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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72名無しのゴンベ
「社会の研究発表」

今日の社会の時間は研究発表です。
ニホンちゃんはニホンママさんの血を引いているので分析系の作業が大得意です。

「ではニホンちゃんの発表です」
とフラメンコ先生。
ニホンちゃんはパソコンで作ってきたフルカラーの資料をプロジェクターでスクリーンにに投影しながら発表を始めました。
「私はメディアが国内世論の形成に与える影響について調べてきました」

−メディアは往々にして家の意思統一のための道具として使われてきました。
最も著名な例が第二次町内大喧嘩の時のナチス祖父です。
彼はメディアを巧みに使い、ドイツ家の実権を握りました。

−メディアを意思統一に使う事は現在でも珍しくないですが、ナチス祖父並となると流石に存在しません。
この戦略はやりすぎると狂信的愛国主義に突入するからです。

−狂信的愛国主義の特徴としては。
1,異常なまでに自国に誇りを持ち、偏狭で排他的になる
2,過去の栄光を現在まで延々引きずる
3,他国の業績を認めず、全てを自国の業績にしたがる
と言うのがあります。

「はい、さすがニホンちゃん。素晴らしい内容ですね。では次はカンコ君」
カンコ君はニダニダ足跡を響かせ、藁半紙にモノクロで印刷した資料を全員に配ると発表を始めました。
「ウリはウリナラ半万年の英知について調べたニダ」

−ウリナラは半万年もの間、他国を侵略することなく平和を愛しながら暮らしてきた文化国家ニダ。
ニホンの家がウリナラを吸収したのはウリに対する侮辱ニダ。ニホンは謝罪しる。

−ウリナラの世宗大王は偉大なるハングルを作ったニダ。
また、チューゴ家の偉大な文明を伝えるためにニホンの家に行ってやったのもウリナラニダ。
その為、ニホンはウリナラの下ニダ。ウリナラを馬鹿にするニホンは反省しる。

−ウリナラは最近の発展に伴って色々な文化的創造をしたニダ。
特にトンチャモンやスラムダンクなどの大衆文化への寄与は凄まじいニダ。
ウリナラを真似したニホンは謝罪しる反省しる。
73名無しのゴンベ:2001/07/31(火) 19:45 ID:27XDM72A
「社会の研究発表」その二

「では、みんなで発表について意見を言いましょう」
とフラメンコ先生。他人の発表を冷静に批評させる事も社会の授業の一環です。
しばらくはみんなカンコ君の発表以外の話題だったのですが、アメリー君が
「おいおい、さっきのカンコの発表の内容ってニホンちゃんが調べた狂信的愛国主義の特徴そのままじゃないか?」
と言い出しました。
「カンコ、貴様の所は侵略しなかったのではなく、ただ単に弱いからどこへも侵略できなかっただけだろうが」
と、アーリアちゃん。相変わらず厳しい一言です。
「それに500年前に訓民正音を作ったは良いけど、ニッテイさんの会社に吸収されるまでずっと放置していたのは誰?」
世界の主要な文字について調べてきていたタイワンちゃんが呆れた口調で指摘しました。
「カンコはただの通り道アルね。通り道が偉そうにするではないアルよ。カンコ・・・・後で体育館の裏に来るアル」
とチューゴ君。
「何ですの?このリストは!」
実はニホンちゃん家の漫画やアニメが大好きなフランソワーズちゃんはカンコ君の資料を軽く叩きながら言いました。少し怒っています。
「全部ニホンちゃんの家の物じゃ有りませんこと?どういう事か説明していただきたいわ」
EU町でも一、二を争う漫画好きで有名なエリザベスちゃんも同調します。二人とも趣味は一緒なんですね。
「そうよ、手塚先生の作品までカンコの家の作品と言い張っているとはどういう了見なのかしら?」
と、みんなはカンコ君に対して集中砲火を浴びせかけます。

「しっ、知らないニダ。全てニホンの陰謀ニダ」
とカンコ君。顔は嫌な汗でびっしりです。
「見苦しいぞ、カンコ」
アーリアちゃんが冷たく言い放ちます。

「アアアアアアイイイイイイイグググォォォォーーーーーーー」
結局いつもの捨てぜりふを残してカンコ君は脱兎のごとく教室から逃げ出しましたとさ。