連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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523うう
「ゲルマッハ君って?1」

登校してきたニホンちゃんは今朝も憂鬱です。
「は〜あ、カンコ君とはなるべく顔合わせたくないな〜、いつも顔あわせるたびに
謝罪だの賠償だのって言ってくるし」

「おはよう、ニホンちゃん、うん?なんだか憂鬱そうだが、どうした」
ゲルマッハ君が教室に入ってきました。
「あ、ゲルマッハ君、おはよう。うん...ちょっとね」
ニホンちゃんはゲルマッハ君に、今考えていたことを話しました。

「ふーむ、そういうことか、だが、ニホンちゃん、あまり悩みすぎないほうがいいと
思うな、かの信長公が好んでおられた敦盛の冒頭部分、「人生50年〜」といった部
分などを読むと思うんだが、あまり周りからの反対意見を気にするよりも、自分を確
立させて、思うようにやってみたらどうかな?」
「うん、でもやっぱりわたしカンコ君にいわれると、おじいちゃんが悪かったのかな
っておもっちゃうの」
ゲルマッハ君が元気付けてくれていますが、まだちょっと弱気なニホンちゃんです。

「ふむ、カンコに責められているからか。一つの逆境という所だが、そういう時には
山陰地方の尼子家の家臣、山中鹿之助殿が言った「天よ我に七難八苦を与えたまえ」
という言葉を思い出すといい。どんな逆境でも跳ね返してやる、という気持ちが湧い
てくるはずだ」

「う、うん、ありがとゲルマッハ君、でも、わたし、毎日いわれてるとやっぱり...」
ゲルマッハ君はさらに続けます。
「家康公も言われていたな、「人の世は重荷を負って遠き道を行くがごとし」、と、皆
いろいろ事情はあるのだ。」
524うう:2001/08/06(月) 01:03 ID:z29GdqdU
「ゲルマッハ君って?2」

ゲルマッハ君はさらに、さらに続けます。
「そういえば伊達政宗殿が幼少のころ、おっと、この話をするときは梵天丸君と呼んだ
ほうがいいかもしれんが.........」

「......っと、まあ、そういうことだ。あまり気に病まぬが良い。しからば
拙者はこれにて失礼いたす、御免」
スタスタスタ...

(え、え、え?、ゲルマッハ君、1時間目、まだ始まってないのに、帰っちゃった。
どうしよう、え、えーっと、とりあえずこういうときは...)

「おさむらいさーん、ありがとー」

良く分からないまま入れてみたニホンちゃんのアドリブに酔いながら去っていく
ゲルマッハ君の後ろ姿でした。