連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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449生姜おじさん
>>448
生姜おじさん(2)

生姜おじさんはシシローおじさんに追い討ちをかけます。
「だいたいニホン家はアメリー家に従いすぎる。ニッテイさんの時に家に花火を
 打ちこまれた件も抗議して賠償をもらうべきだ」
そのときニホンちゃんには「謝罪と賠償しる!」というカンコ君の姿が生姜おじさんに
重なって見えました。ニホンちゃんはニッテイおじいさんとアメリー家が喧嘩した時、
果たし状の到着が手違いで遅れて、ニッテイおじいさんの不意打ちになってしまった事を
知っています。だからって花火を打ちこむのはやりすぎだとは思いますが、その負い目もあり、
ニッテイおじいさんが無条件で降参した以上、謝罪と賠償を求めるのもどうかと思うのです。
訴えるなら賠償より、二度と花火が使われる事の無いよう訴えたいと思うニホンちゃんなのでした。
それだけに生姜おじさんの言葉にカンコ家の血の伝統を見た思いですっかり幻滅してしまいました。

しょんぼりしたニホンちゃんを見てタイワンちゃんがあわてて元気づけます。
「うちのパパは、墓参りはその家で決める事でよその家が口出しすることじゃないって言ってたよ。
 だから大丈夫、きっとシシローおじさんはお墓参りに連れていってくれるよ!」
落ちこんでいたのは違う理由だったのですが、タイワンちゃんがはげましてくれているのが
分かったのでニホンちゃんはにっこりほほえみました。
「うん。ありがとう。私もシシローおじさんのこと信じている!名誉ある撤退なんてしないって」
「名誉ある撤退かぁ、アイツもその言葉をおぼえてくれたらいいのにね!」
二人のほがらかな笑い声が道にこだまします。