連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

このエントリーをはてなブックマークに追加
440ガイシュツだったらスマソ
ビレイおばさんの憂鬱:

ビレイおばさんはタイワンパパの妹です。とても芯が強く、言うべきことは
パンパン言い、その一方でやさしさも兼ね備えている所などタイワンちゃん
にそっくりです。タイワンちゃんはビレイおばさんが大好きでしたし、ビレ
イおばさんもなにかにつけてタイワンちゃんや、ニホンちゃんの面倒をよく
見てくれます。でも、ビレイおばさんには悲しい過去がありました。
タイワン家が、マンション中華の経営権を追われたコクミン父さんに乗っ取
られ、タイワン家の人々がとても苦労した時に、まだ少女だったビレイおば
さんは、あまりの辛さに耐えかねて家出してしまったのでした。
それからビレイおばさんはニホン家を頼ったのですが、タイワン家が大変な
ことになっていることを知っていたニホン家ではやさしく向かえてくれまし
た。そんな事情もあって、ビレイおばさんは大人になってから、なにかとニ
ホン家によくしてくれました。また、最近では、コクミン父さんから実権を
とりもどしたタイワン父さんのよき右腕として、タイワン家で辣腕を振るっ
ています。
でも、そんなビレイさんには、最近とても気がかりなことがあります。それ
は、ここのところニホン家で勢いが良いマキコおばさんが、トンチンカンな
ことばかりしているからです。マキコおばさんはチューゴ家やカンコ家の言
いなりになって、シシローおじさんのお墓参りに反対したり、アメリー家と
の週末家族パーティーをドタキャンして怒りを買ったりとニホン家にとって
マイナスになることばかりしています。でも、ニホン家のみんなは誰もマキ
コおばさんを止められません。アサヒちゃんやサヨックおじさんなどは喝采
を送っているほどです。

「このままいけばニホンちゃんが大きくなる頃には、この家はどうなってし
まうのかしら?」
ビレイさんは無邪気にあそぶタイワンちゃんとニホンちゃんを見守りながら
ため息をつくのでした。