連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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414うう
「なぞのマスクマン1」

(う〜ん、なんかメヒコ君って、なぞだな〜)
ニホンちゃんは、メヒコ君とは席がはなれているのでそれほど話をしたことがありま
せん。でも、メヒコ君がなぞなのはそのせいだけではありません。
(メヒコ君って、カゼひいてるわけでもないし、花粉症なわけでもないのにどうして
いつもマスクかけてるんだろう)
メヒコ君は人前に出るときは、いつもマスクをかけています。じつは彼のすがおを
みたものは誰もいないのです。
思い切ってニホンちゃんはメヒコ君に聞いてみました。
「ねえ、メヒコ君、メヒコ君ってどうしていつもマスクしてるの?」
「ああこれ?う〜ん、たとえば今日のボクのマスクのもようはトラなんだけどね、マス
クをかけてると、そのもようの精霊がボクに力をかしてくれるんだよ。自分以上の力
がだせるっていうか、そういうことさ」
「う、う〜ん、お祝いの日にきちんとした服装すると、なんか、ひきしまった気持ち
になったり、体操着にきがえると運動したくなったりするっていうのと同じなの?」
「まあ、近いかもしれないね」
分かったような分からなかったようなニホンちゃんです。