連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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『ケーキ戦争 1』

「ねぇタイワンちゃん、明日家に遊びに来ない?」
お昼休みにニホンちゃんがタイワンちゃんを誘っているようです。
「うん!行く行く!」
タイワンちゃんも笑顔で答えます。
「うちのおかあさんが新しいケーキを考えたからぜひタイワンちゃんにも食べてもらいたいんだ。」
「えっ?ケーキ!行く行く!絶対行く!」
やはり女の子、甘い物がお好きなようで。
「どんなケーキを作るの?ニホンちゃんのママの作るケーキって
どれもすっごく美味しいよね。ああ、明日が楽しみだなぁ〜」
「えへへっ。そんなに楽しみにしてもらえるとおかあさんも張り切ると思うわ。」
「ねえねえ。どんなケーキを作るの?ちょっとだけ教えてくれない?」
「うーん…それは明日までのお楽しみ!っということで。」
「そんなぁ〜どんなケーキか教えてよぉ〜ねぇねぇ」
タイワンちゃん、目が真剣です。
401:2001/08/04(土) 07:14 ID:kyvAFNOA
『ケーキ戦争 2』

「じゃ、じゃあちょっとだけね。」
「うんうんうんうん。」
タイワンちゃん、少し怖い。

「わたしにも詳しくは教えてくれなかったんだけど、なんでも『はいぶり』とかいうケーキで
 電気を使って作るから今までのケーキよりカロリーが半分になるらしいんだって」
「え〜〜〜〜〜!!!カロリーが半分!?それってそれって2個食べても1個分のカロリーだから、
 つまり8個食べても4個分で、でもでも8個も食べられるかなぁ、だけどニホンちゃんのママの
 作るケーキってとってもとっても美味しいから、うーん・・・」
「タ、タイワンちゃん?」
「(うっとり)」
「ぁ、あのぉ〜」
「(ほわ〜ん)」
タイワンちゃん、目がいっちゃってます。
「じゃ、じゃぁ、明日のお昼ごろに家に来てね・・・」
「う…ん…。」
「大丈夫かなぁ?」

その話をこっそり聞いていたカンコ君。
ニホンちゃんが一人になったときを見計らって声をかけました。
402:2001/08/04(土) 07:14 ID:kyvAFNOA
『ケーキ戦争 3』

「ニダァー!!」
「ひっ。カ、カンコ君…」
「ウリナラのケーキが1番ニダー!!ウリのケーキを食べないニホンは謝罪と反省と賠償をしる!!」
「あっ、あのカンコ君…どういうこと??」
「ケーキの起源はウリナラニダ!オモニがケーキを作ってウリが地球町内に売り歩くと
 みんな食べてくれるニダ!でも、お前のママだけは食べないニダ〜〜〜!」
「あの…カンコ君、それはきっとうちのママの口に会わないんじゃないかしら…」

そうです。実はニホンママは地球町では知らぬ人のいないほどのケーキ作りの名人なのです。
以前は家でケーキをいっぱい作ってご近所さんにお裾分けをしていたのですが、
 アメリーママやエリザベスママ、ゲルマンママやフランソワーズママなどに
「ニホンママは自分でケーキを作るばっかりで、わたしたちの作ったケーキを食べないのは
 ずるい! わたしたちのケーキも食べてちょうだい!」
と言われて(特にアメリーママ)、仕方なくケーキのお裾分けを少なくした経緯があります。
それでも、ニホンママのケーキは人気があり、『らんくる』や『ぜっと』や『あこうど』などは、
 地球町全体に根強いファンがいるのです。

最近カンコママもニホンママから教えてもらったケーキを見様見真似で作っています。
(あれ?カンコくんの話では起源はウリナラのはずですが…)
ニホンママのケーキによく似ていてるのでそれなりに人気はあります。
でも、ニホンママはそれを知っているので食べる気があまりしないのです。

「う、うるさいニダ!今年中にケーキをニホン家に500個食べさせる計画なのに
まだ100個も食べていないニダ!食べられなかった場合にはニホンに謝罪と(以下略)」
403:2001/08/04(土) 07:15 ID:kyvAFNOA
『ケーキ戦争 4』

「バコッ!!!」
「アィグォォォォォォォ…」

「ふぅ、大丈夫か?ニホン。」
ニホンちゃんを助けにきたのはアーリアちゃんでした。
「うん、大丈夫…」
「まったくカンコにも困ったものだな。ケーキの起源は本当は我が家なんだが。」
「う、うん。そうね、もともとはディムラさんが考えたのよね。」
「うむ。さすがニホン。よく知っている。」
「あっ、そういえばアーリアちゃん家で前にいただいたブラックスモークケーキ、
 家へ持って帰ったらすごくウヨが喜んじゃって〜。」
「そ、そうか?…うむ。」
なぜかアーリアちゃん、ちょっぴり顔が赤いです。

「そうだ、アーリアちゃんも明日家に来ない?」
「ん?明日何かあるのか?」
「実はね…」

「ん、その『はいぶり』を試してみるのも面白そうだ。
その…な、何だ、カ、カ、カロリーを半分にする機構に非常に興味がある。」
「そう?じゃぁ…」
404:2001/08/04(土) 07:15 ID:kyvAFNOA
『ケーキ戦争 5』

「ニホンちゃん?わたくしたちは誘って頂けないのかしら?」
「あっ、フランソワーズちゃんにエリザベスちゃん…」
「ゴオンおじさんも食べていた『にっさん』もよさそうだけど、
 カロリーが半分なんてケーキを一度食べてみたいものですわ。」
「わたくしも我が家の歴史ある『ミニケーキ』改良したので食べに来ていただきたかったのですけれど、
 カロリー半分のケーキの前にはかないませんことよ。」
「うん!大歓迎だよ!」

それから・・・
「ねぇニホンちゃん…」
「ニホンちゃん!わたしも…」
「わたしも食べたーい!…」
・・・

クラスの女のコ全員がニホンちゃんの周りを取り囲んではなしません。

「じゃあ、明日はわたしの家にみんなきてね!」
「「「はぁーい!!!」」」
こっそりフラメンコ先生も手をあげています。

それを遠巻きに見ている男子たち。
「ふんっ。」
「どうした?アメリー?」
「なあ、ケーキはやっぱりでっかくおおきく高カロリーだよな?マカロニーノ?」
「いやぁ〜、ケーキはシナモンがピリッと効いた真っ赤なやつにかぎるね。
 ああっ、でもあの集まりに入りたいな…でもケーキだけは譲れないんだ。
 ごめんね、ニホンちゃん…」
「へへへっ、ケーキパーティならきっと余り物のケーキもいっぱい出るはず。
 おれはそのケーキを狙うことにしよう・・・ひっく。」
「ロシアノビッチ、ちょっと飲みすぎアルね。」


「アィグォ……」


おしまい。