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かくとうげーむ:
ニホンちゃんが作った3D対戦格闘ゲームは、クラスでも大人気でした。
今日は、ニホン家にクラスのみんなを呼んでお披露目のゲーム大会です。
「僕の家ではこういった武術がスポーツ以外に育つ土壌がなかったからなぁ。
格闘ゲームなんてプロレスとボクシング以外に考えもしなかったよ。面白いね」
アメリー君がそう感想を言って、肩をすくめました。
「ありがとう、面白いって言ってくれると作り甲斐があるわ」
(ビデオゲームの宗主国だとか全てのゲームはアメリカ起源だとか騒がないから、
アメリー君とはまともに話ができるんだけど…)
ニホンちゃんは肩をすくめて、ゲームの方を振りかえりました。
「アイゴー!また負けたニダ」
呼ばれてないのに来て遊んでるカンコ君の、いつもの泣き声が室内に響き渡ります。
愛するテコンドーキャラの敗北に納得が行かないカンコ君は、ウリナラ電波の放出を開始しました。
「ウリナラのテコンドは、そもそもテッキョンという2000年前より伝統として伝わる…(略)
カラテはテコンドーのパクリニダ!こんなゲームを造った上にテコンドを弱く作って侮辱した
ニホンに謝罪と反省と賠償と修正をしる!!」
エラをピクピクさせながら、カンコ君はニホンちゃんに詰め寄りました。
「そんな…わたし、間違ったことしてないもん…みんなバランス良く作らないと面白くないもん…」
ニホンちゃんはカンコ君の剣幕に涙目になりながら、抵抗しました。
ここで譲歩したら、今後作るゲーム全てバランスを崩してテコンドー最強にしなければなりません。
と、そのときです。