連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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272こみゅパ

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「あ〜、なんかやだな」
ニホンちゃんは溜息をつきました。
いまは楽しい夏まっさかりなのに、どうしたんでしょうニホンちゃん。
ニホンちゃんの手元には、できあがったばかりのマンガの原稿があります。
題名は『ミヤモの不思議な旅』。魔法の国ジパンを救うために立ち上がった
マジカルガールミヤモちゃんとその仲間達の冒険物語です。
ウヨ君にはちょっと不評でしたが、こんどの同人誌即売会はテーマ指定のた
めしかたありません。
その名は『こみゅにすとパーティー!』
略して、『こみゅパ』です。
273こみゅパ:2001/08/02(木) 15:51 ID:WaaGH1YA
(2/6)

こみゅパ当日、会場は大盛況でした。
もちろんニホンちゃんのブースもちょっとした行列ができるぐらいの賑わい
です。
ニホンちゃんが笑顔で売り子をしていると、フランソワーズちゃんがやって
きました。フランソワーズちゃんはマンガ好きだったせいかこみゅパの執行
委員をつとめていたこともあり、こみゅパの常連さんでもあります。
「ニホンちゃん、なかなか盛況じゃなくて」
「ありがとう!」
ニホンちゃんは笑顔です。
274こみゅパ:2001/08/02(木) 15:52 ID:WaaGH1YA
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ニホンちゃんは売り子をアサヒちゃんにかわってもらって、ほかのブースを
見て回ることにしました。
「あ、ベトナちゃん!」
ベトナちゃんのブースはカメラのフラッシュで凄いです。民族衣装のコスプ
レで売り子をしていたベトナちゃんはあっというまにこみゅパの人気者です。
「ニホンちゃん…」
ベトナちゃんはちょっと恥ずかしそうにはにかんでいました。
「ベトナちゃん、とっても綺麗だよ」
「そうかな…」
ニホンちゃんはうなずきました。ほんとうにベトナちゃんは綺麗です。
275こみゅパ:2001/08/02(木) 15:54 ID:WaaGH1YA
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ニホンちゃんはアーリアちゃんのブースにやってきました。
そこにはアーリアちゃんの姿どころか、だれもいません。
そこには張り紙だけがありました。
【出展物に規約違反の表現が含まれていたため出展を禁止しました】
ご丁寧にクマさんの絵まで描かれています。
「アーリアちゃん、どうしたんだろ…」
ニホンちゃんはちょっと心配です。
276こみゅパ:2001/08/02(木) 16:00 ID:WaaGH1YA
(5/6)

チューゴ君とロシアノビッチ君のブースは隣り合っています。しかもどっち
も大手の常連さんです。ブースの前には大勢のひとが並んで混み合っています。
「中華大革命本アルヨ〜。南サン講話から江青チャンさま本まで何でもある
アル!」
紅い人民服を着たチューゴ君、赤本を高く掲げています。
「チューゴのより俺んちのが面白いぞ!」
ロシアノビッチ君も負けていません。過去の名作を激安大特価でご奉仕中です。レニン本やら鉄男本やら、いかにも硬派なものばかり。ニホンちゃんはコルビ本が好みだったりします。
あまり競争しすぎてチューゴ君とロシアノビッチ君が共倒れにならないこと
を祈るニホンちゃんでした。