連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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167名無しさん@お腹いっぱい
●バス旅行(1)
今日は、クラス旅行でバス旅行をすることになりました。
例によって、カンコ君は遅刻してきたのですが、それよりももっと驚くことがありました。
「な、なんであなたたちが乗っているのですか?」フラメンコ先生はバスに乗り込んで来たカンコパパとカンコママに尋ねました。
「ウリたちは保護者ニダ!」
「そのとおりハセヨ!」
「カンコとキッチョムの2人も行くのだから保護者が必要ニダ!」
「そのとおりハセヨ!」
「決して、ウリもバス旅行に行きたいという下心ではないニダ!」
「そのとおりハセヨ!」
この調子でガンガンいいたてるので、ついにフラメンコ先生は根負けしてバスに乗せてしまったのです。
話を聞いていたゲルマッハ君とアーリアちゃんは「2人いくからといって、そんな不合理な」と思っていましたが、さすがに先生を押しのけて言うわけにもいかないので黙っていました。
バスのドライバーのカンボジさんも、困った顔をしていましたが、先生が決めることですから、仕方ありません。
168名無しさん@お腹いっぱい:2001/08/01(水) 22:28 ID:FEZ6tVE2
●バス旅行(2)
発車してしばらくしたとき、車内に異臭が漂いました。
「な、なんですの、この下品な臭いは」
ただでさえバスに弱く、ちょっと青い顔をしていたフランソワーズちゃんがたまらず声を上げました。
「あれにきまってましてよ」エリザベスちゃんも眉根を寄せて、鼻と口をハンカチで覆って指差しました。
「これがウリナラ特製半万年キムチニダ!」
「そのとおりハセヨ!」
カンコパパとカンコママは巨大なキムチつぼを社内に持ち込んでいたのでした。
「このキムチがくさいなんて言ったら、ムリヤリ口にねじ込んでやるニダ!」
カンコパパは、怪気炎をあげています。よく見ると顔も赤いみたいです。学校の遠足だというのに、父兄がお酒を飲んでいるみたいです。
169名無しさん@お腹いっぱい:2001/08/01(水) 22:28 ID:FEZ6tVE2
●バス旅行(3)
「それを貸すニダ!」
カンコパパは、フラメンコ先生の持っているガイド用のマイクに気がついたみたいです。「だめです、これは。」あまりのことにフラメンコ先生もしっかりとマイクをにぎりしめましたが、カンコパパはマイクをむりやり奪い取ってしまいました。

「オイオイ ギムヂ〜 オイ ギムヂ〜♪ ウリナラ コ・コ・コ〜♪」
バスの中に大音響で響き渡ります。
普段は元気なタイワンちゃんや、何事にも同じないチューゴ君すらさすがにこれにはまいっています。
ニホンちゃんは、すーすーと寝息を立てて眠っています。たいした度胸というよりも、慣れなのかもしれません。

「いいかげんにしてください、これはクラス旅行なんです。」
ついにアメリー君が怒りました。しかし、カンコパパは騎虎の勢いです。
「うるひゃいニダ! アイム ザパニーズ ニダ。文句あるかぁ!」
楽しいはずのバス旅行がとんでもないことになってしまいました。
170名無しさん@お腹いっぱい:2001/08/01(水) 22:28 ID:FEZ6tVE2
●バス旅行(4)
おりしも、バスは高速道路に入ったところです。
「あれっ、こりゃいかん」ドライバーのカンボジさんが言いました。「ウインカーがつかないみたいだ」
「あら、それは困りましたね」フラメンコ先生は騒音を避けるためにカンボジさんの近くで話をしています。
「いや、工具もスペアパーツもあるからすぐに直りますよ」
バスは退避車線に止まりました。

「ど、どうしたニダ?」
「バスが止まったハセヨ!」
バスが止まってからカンコ君の一家はようやく気がついたみたいです。
「すみません、ウインカーが不調なため、しばらく停車して修理…」フラメンコ先生が言いかけたところ、一斉にカンコ君一家がわめきたてました。
「アイゴ〜〜〜〜〜」
「バスに謝罪と補償を要求するニダ〜〜」
「シッパル! ウリは急いでいるのに困るニダ〜〜」
「これはニッテイの陰謀ニダ〜〜歪曲ニダ〜〜」
うるさいったらありません。普段、カンコ君ひとりでもやかましいのに、今日は4人(キッチョム君含む)です、4人だと4倍うるさいかというととんでもない。16倍はやかましいのです。
171名無しさん@お腹いっぱい:2001/08/01(水) 22:28 ID:FEZ6tVE2
●バス旅行(5)
「ウリは新鮮な空気が吸いたいニダー。こんなバスの安全は信用できないニダ〜」
そう言い出したのはカンコ君です。
(新鮮な空気が欲しいのはこちらですわ)とフランソワーズちゃんが思ったのはやむを得ないことだといえましょう。
「でも、ここは高速道路ですから」フラメンコ先生が必死に止めます。
「ウリの息子の言う通りにするニダー!」
カンコパパは、勝手にドアをあけて降りてしまいました。もちろん、他の3人もそろって降ります。

「外はいいニダ!」カンコ君たちがいっているうちに、カンボジさんは修理を終えて戻ってきました。外の4人は気づきもしません。
「あら、まだ外に……」
「私のバスの安全が信頼できないのでは仕方がありませんな」

「マンセー、バスの外は楽しい……」とカンコ君がいいかけたとき。
バスの扉が閉まり、そのままバスは発車しました。

「ア・アイゴ〜、ウリたちを置いていくなニダ〜」
「ウイゴ〜、謝罪と補償を要求するハセヨ〜」
「きいいいい」

風に乗って、そんな声がかすかに聞こえていたようですが、それもしばらくしたら聞こえなくなりました。
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韓国人旅行者のネタと、カンボジア航空の韓国人乗客エプロンに置き去りで離陸の合体です。
http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=soci&cont=soci0&aid=20010730213040400