大河ドラマ「ニホンちゃん」

このエントリーをはてなブックマークに追加
610100話作者
「サイクリング その3」
カンコ君は、短い足でめちゃくちゃペダルをこいでおいついてきました。
「ひぃはぁ、やっと追いついたニダ。ウリの自転車も見るニダ」
「見ろって言われても……うちの余ってたのをあげたんじゃないか」アメリーくんもさすがにあきれてしまいました。
『それも、たしかニホンちゃんに勝ちたいからくれとか言ってたんだよな、コイツ(This man)…』
「あれっ?」タイワンちゃんがびっくりした顔をしました。「それ、ニホンちゃんのに似てる…」
「キウクキウクキウクキウクキウクキウクキウクキウクキウク」カンコ君は妙な声で笑うと胸を張りました。
「これはいーじす自転車ニダ!」

『あれ?』メカに詳しいニホンちゃんはすぐに気がつきました。カンコ君の自転車にはいーじす自転車の速さの秘密の変速機がなく、普通のギアしかついていません。
(アメリー君…?)ニホンちゃんは、アメリー君の袖をそっと引っ張りました。カンコ君は自転車の自慢に一所懸命でまったく気がついていません。
「ああ、あれかい。うちで変速機外したんだよ」
「ええっ、でも。あれがないとただの自転車でしょ?」
「うん。でもニホンちゃんの家は大通りに面してるから速い自転車がいるけど、カンコ君の家はニホンちゃんの家のわきみち(ニホン道:カンコ君だけは東道といってます)の細い路地を通らないと出られないんだから、自転車はいらないんだよ。」
「ふーん」
「それにね、カンコ君はメカに詳しくないから壊しちゃうしさ…」