大河ドラマ「ニホンちゃん」

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57エリザベス家のお茶会 その1
ある日、教室でエリザベスちゃんが言いました。
「わたしの家族みんな、お茶が大好きでいつもイン堂くんちから買ってるんだー
でも、たまには他のところのお茶も飲んでみたいなぁ」

それを聞いたアジア町の子供たちは、自分の家の家庭菜園で作っているお茶を持って、
日曜日にエリザベスちゃんの家に行ってお茶会をしようということにしました。
それを聞いたロシアノビッチ君「俺も混ぜてくれないか?俺も紅茶好きだし
ほんの少しだけどうちでも紅茶作ってるしさ」と言って話に入ってきました。
エリザベスちゃんは「人数が増えるなんて、もちろん大歓迎よ」と嬉しそうに返事します。
「みんながお茶を持ってきてくれる分、お菓子作りはわたしがんばるね」と楽しそうに話しています。

そんな光景を、一人悔しそうに眺めている人がいました。そうです、カンコ君です。
昔はカンコ君の家でもお茶を作っていたのですが、カンコ君のご先祖様が大の仏教嫌いで、
お茶と仏教は結びついているから嫌だと言って、お茶作りをやめてしまっていたのです。
58エリザベス家のお茶会 その2:2001/07/16(月) 23:49 ID:gf3qLw1.
日曜日の昼下がり

今日は町に待ったお茶会の日です。みんな続々エリザベスちゃんの家に集まってきました。
最初に来たのはニホンちゃんでした。
「実はうちでは、紅茶はほとんど作ってないんだ・・・
でもその代わり、緑茶の玉露を持ってきたんだ。これもおいしいよ」
チューゴ君、ベトナちゃん、インドネシアちゃん、タイワンちゃんと続々やってきました。
ロシアノビッチ君も、少し遅れてやってきました。
「悪い悪い遅れたー、サモワールが重くてさ。でも、イチゴジャムも持ってきたから許してくれ」
なんて言いながら入ってきます。
さてさて、お茶会のはじまりです。
最初にお茶を淹れてくれたのは、チューゴ君でした。「僕は花の香りのするお茶を持ってきたんだ」
と言いながらみんなにジャスミンティーをふるまってくれました。
続いてベトナちゃんが緑茶を淹れ、インドネシアちゃんがジャワティーを、
ロシアのビッチ君はお母さん手作りのイチゴジャムと一緒にロシアンティーを入れてくれました。
話も盛り上がって、お茶会は大成功です。
タイワンちゃんも東方美人を出して、「これ紅茶っぽいけど紅茶じゃないんだなぁ」なんておどけてます。
最後に、ニホンちゃんの持ってきた玉露を入れようという話になっている時、
家の外から声が聞こえました。
「待つニダ!ニホンの茶より先にウリのお茶を飲むニダ!!」

そうです、カンコ君がやってきたのでした。
59エリザベス家のお茶会 その3:2001/07/16(月) 23:49 ID:gf3qLw1.
「忘れていたニダ、ウリの家には半万年の歴史のあるお茶があったニダ」
などと言いながら、鞄から袋詰めされたお茶を取り出しました」
「インサム茶ニダ!」とカンコ君は自慢気にいいました。
その途端、エリザベスちゃんの表情が変わりました。
「インスタント茶ですって!?」と激しくカンコ君に食いかかりました。
「違うニダ、インサム茶ニダ、この粉末をカップに入れるニダ」とカンコ君は反論しました。
しかし、粉末を見た途端にエリザベスちゃんは怒り出し、
「どう見たってインスタントじゃない!
どうしてお茶会にそういうものを持ってくるの?不愉快だから帰って!」
と険しい表情でカンコ君を追い返してしまいました。
「気を取りなおして、ニホンちゃんの玉露を頂きましょうか」とフォローも忘れないエリザベスちゃんでした。

一方、甥会されたカンコ君は
「アイゴーー!!!何でウリが追い返されるニダ!
エリザベスとついでにニホンに謝罪と補償を要求するニダ!」と泣き叫びながら、
家に向かって走りました。

たまにはいいことをしようとしたカンコ君でしたが、普段の態度が態度だけに、
話も聞いてもらえず悲しい思いをすることになってしまいました。