大河ドラマ「ニホンちゃん」

学校で大変な事件がありました。体育館裏で
昨日、誰かがタバコを吸ったようなのです。

フラメンコ先生が生徒達を体育館裏に連れて行くと、
そこにはまだ足跡がはっきりと残っていました。
先生は、昨日現場に落ちていたというタバコの吸殻を
みんなに見せて「一体、誰がやったの？」と聞きました。
２４の瞳がいっせいにカンコ君に向けられました。

「ニ、ニ、ニダ？ウリじゃないニダよぉー！」
「用務員のおじさんの話では、しゃがんで吸っている
　生徒を見たそうです。」なおも先生は続けます。
「今なら先生は怒りませんよ、カンコ君。」
アメリー君が吸ったんだと言おうとしたカンコ君。
でも、あとから弁護士に訴えられたらたまりません。

「チュ、チューゴ君ニダ！昔、吸ってたニダ！」
「アヘンのことか？」チューゴ君の目つきが変わりました。
何故かエリザベスちゃんも微妙に反応しています。

「本当にウリじゃないニダ！そうだ。虎の仕業ニダ！」
「２本足の虎がタバコを吸うの？動物いじめは最低よ。
　犬鍋なんて論外よ！」タイワンちゃんが言いました。
「そうよ。罰として、うちの近所のホテルは立ち入り
　禁止ですわ！」フランソワーズちゃんも怒っています。

「（２本足…？）そうだ。ニホンちゃんニダ！」カンコ君は
最後にはなんでもかんでもニホンちゃんのせいにします。
「あたし、しゃがむ時は必ずかかとを上げるんだけど…。
　これ、かかとまで足跡がついているし、それに、あたし
　こんなに足大きくないし。」か細い声でニホンちゃんは
無実を証明しようとしました。今にも泣き出しそうです。
「それは、きっとニホンちゃんがでっかい木靴か何かを
　履いていたに違いないニダ！ウリのはゴム靴ニダ！」
（木靴…？）一瞬、みんなの脳裏にオランダ君の顔が
浮かんだような気がしましたが、なかったことにしました。

（それにオランダ君は朝から病院に検査入院しているので、
　確かめようがありませんでしたしネ。）

最後はいつものお約束。「アイゴー！！！」
カンコ君は一週間トイレ掃除をすることになりました。

その夜。フラメンコ先生は拾ったタバコを味わいました。
「売り買いしなければいいのよ。吸う分には罰せられないわ。」
フラメンコ先生のお家にも、いろんな事情があるようです。