日本マスコミ今日のオウンゴール!!1

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「小泉訪韓」で戦略的外交を
パクチョルヒー 国立政策研究大学院大学助教授(現代日本政治専攻)

 教科書問題をなんとかしなければならないという認識は日韓両国は共有している。だが、具体的な解決策になると互いに戸惑っている。
 韓国が日本の検定教科書に35ヵ所の修正要求を出している。これに対して、日本ではさまざまな対応策が議論されている。
 今回の要求は内政干渉であり、依然として変わらぬ反日感情のぶり返しだから、無視ないし堂々と全面否定しようとする”強行突破論”がある。
 これは、順調に進んでいる両国関係に日本側から冷たい水を差すことを全く認識していない論だ。韓国の要求が完全に無視されたなら、日本への不信感だけが強くなるばかりだ。
 その一方で、今回の検定は既成事実であるから、そのまま黙認して次の検定の時に新たな措置を考えようという”期限無しの凍結論”や”期限付きの先送り論”もある。確かに歴史という問題は短時間に解決できないが、先送りしてもより良い解決策が出てくる保証はない。
 教科書の修正はできないが、無査証協定とか自由貿易協定、若者の交流を進めようという”お代わりのお土産論”もある。これらはもちろん推進すべき措置であるが、教科書問題の根本的解決策には結びつかない。
 以上の議論はいずれも弥縫策に過ぎないし、戦略的思考が抜けている。
 今回の問題は日教組に対抗する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書から発生した日本の国内問題が発端だった。98年の金大中大統領来日を契機に、日韓両国が棚上げした歴史問題を、日本側から引き降ろしたことを意味している。