続・TGVより新幹線

このエントリーをはてなブックマークに追加
275名無しさん@1周年
朝鮮日報より

【論壇】思い切った基礎科学への投資を

 「1人当りの国民所得、世界11位」「個人幸福指数、世界2位」「世の中で最も行ってみたい5ヵ国のひとつ・・・」。
 連日新聞紙上に溢れている大韓民国に対する評価である。「何がこの小さな国・韓国をこのように強くさせたのか?」ニューヨークタイムズの社説のタイトルだ。「アジア経済が全般的に不安定なのに、韓国はどうして元気なのか?」ウォールストリートジャーナルが尋ねる。「コリア、その成功の秘訣」タイムズ紙が表紙の特集として扱った。

 IMFで折れた膝の傷がまだ癒えないうちに再び暗雲に覆われたバブル経済大国に、このような賛辞が?もちろん、2000年の今の話ではない。私がタイムマシンに乗って2020年に飛んでピックアップした記事だ。この多くの記事は、一様に韓国の成功の秘訣を2000年代初めに思い切って基礎科学に投資した国家政策のおかげだという。

 これは何と満ち足りた話か。しかし、私たちの現実はこのような美しい未来とはかけ離れている。韓国経済が歩んできた道を振りかえってみると、あたかもアメリカンフットボールの試合を見ているようだ。渾身の力で敵の守備網を突破し、今まさにタッチダウンしようという瞬間、不意にインターセプトされて逆に点数を失ってしまった。座り込むことはできないとして再び重い体を動かす。しかし、あわてて攻撃を開始し、審判のホイッスルが鳴る。相次ぐ反則に前進はさておき、後退するのに忙しい。

 これが韓国経済の姿だ。死ねぬほど頑張ってやっと何歩か進んでみるが、国際市場のささいな変動にも足が引っかかって倒れるのが常だ。私は経済学者ではないが、韓国経済は今後もこうした悪循環を反復するはずだということは、ためらいなく言える。絶対そうならないと自信を持って言える経済学者がいたら、私に説明して欲しい。

 最近の統計庁の発表によると、韓国国民は少なく見積もっても10年以上病魔に苦しめられているという。 何か画期的な努力で根本的に別の未来を作らなければならないのではないだろうか。

 ここ数年間、政府は予算の3.51%を研究開発費として使ってきた。韓国GDPに照らし合わせ、他国に比べてそれほど遅れはとっていないという説明を政府は必ず付け加える。外国に比べて遅れをとっていないのならば、その結果も常時その水準に留まっているというのもあまりに当然のことだ。最近、研究開発費を予算の5%まで押し上げるという大統領の約束が報道された。しかし、その程度では根本的変化を期待することはできない。

 「情報は探すもの」というデマが飛び交っているが、とんでもない話である。情報は創出するものだ。今は値段が安い情報がサイバー空間にあふれているが、間もなく新しい情報を創出して保有している情報富国に貧国は莫大な使用料を支払わなければならなくなる。基礎科学の発展なしに技術の向上は期待できない。他人の情報を借りて物を作ることにだけ没頭すると、一生今のようにからだに頼りしかない方法がない。

 道は明らかに二つに分かれている。今のまま面子を維持する政策を固守すれば、我が国は2020年にもずっと汗を流して今のように不安に暮らしているだろう。しかし今の何倍かの予算を基礎科学に投資すれば、私達が望んでいる国になれるはずだ。

崔在天/ソウル大学生命科学部教授

一瞬びっくりしました。