HANBoardについて考える PART6

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801暗行御史
 しまった、帰ってくるのが遅すぎたか?

>>791 7/8氏

 結局集団というものは指揮者と被指揮者がいないとなりたたんのです。
 というより、そういう形態をとるのが最も効率がいい。
 そして、指揮者の権力が絶大で被指揮者の反抗が弱ければ弱いほどその集団は効率的
に動ける。この観点からは絶対権力・無人権という状況が「国益」に最もそう状態とい
えるっちゅうわけです。帝国主義の波に乗り遅れて、他の列強に最短ルートで追いつく
ためにドイツや日本が用いた国家体制がまさにこれですな。
 でも、この「国益にそう体制」が「国民の利益にそう体制」だとは決して申せますま
い。それは戦前の日本国民がどんだけひどい目にあったかを考えれば容易に分かるでせ
う。

 もっとも、国家っちゅうシステムはうまく使えば国民の利益のために極めて大きな働
きをしてくれる。むしろ、国家システムがないと人々はうまく生活できない。でも、国
家システムはほおっとけばひたすら国益を追及するようにできている。会社がほおっと
けばひたすら金儲けに走るのと同じですな。だから、国民がうまく国家権力をコントロ
ールして「国益のため」じゃなく「国民のため」に働かせにゃせにゃならんわけです。

 このコントロールの手段として編み出されたのが憲法と民主主義。
 まず憲法で国民の生活を脅かすような行動をする権限を国家から剥奪した。そして憲
法を盾に忠実にこの違反を監視してるのが「人権派」でござる。
 お次は民主主義。これは国家権力と国民との関係を流動化させることで支配者と被支
配者の変動を促し、支配者に「明日はお前も被支配者になるかもしれんのだから、被支
配者にあこぎなことするんじゃねえぞ」って脅しをかけとるわけですな。

 でも、日本の現状を見てると、どっちもあんまり機能しとらんのです。
 人権派のやってることは多くの国民にバッシングを受ける・・・
 権力を叩く役割を担うべきマスコミは視聴率第一主義で国家を監視せず(おまけに記者クラブの発表を垂れ流し)・・・
 憲法をたてに司法の場で争ってもジャッジする最高裁は国家の味方・・・
 支配者と被支配者の変動を促すための選挙にはみんな行かない・・・
 地盤が命の選挙制度。世襲制までまかり通る始末で支配者に「明日の被支配者」という感覚は皆無・・・
 国家に批判的な精神を全く育てない教育制度(それ以前の問題という説もあるが)・・・
 などなど。枚挙にいとまなし・・・
 はっきり言って日本国民は危険な状況に追い込まれつつありますぞ。
 だから最後の砦と言うべき人権派の活動はもっと評価されるべきだと考えとるわけです。

ちなみに御前がおっしゃる「国家と自分を切り離すことを卑怯な振る舞いであるよう
に感じてしまう」ちゅうのは、国家の「ナショナリズム」による布教が成功しとる例と
申せましょうな。
 国家権力が国民の不満から目を逸らしつつ「国益」を充実させる手法としては、
 @ナショナリズムによる洗脳
 A外敵、危機の存在を強調して目をそらす
 B「国益=国民の利益」という洗脳
などが典型的なとこでござる。戦前の日本もばっちり使っとりましたな。

 あと、他の国の場合も「国益」と国民の利益の相反関係は同じでござる。ただ、チェ
ック機能の働きという点で日本に劣っている国は先進諸国の間ではちょっと見あたりま
せぬが・・・