モラル・ハラスメント、妄想性人格障害、自己愛性人格障害
これは外務官僚と敵対中のマキコ外相の精神分析にかんする記事中の言葉であるが、
これらのキーワードは彼の国とその国民の精神分析にも適用可能であるように思われる。
果たして、その精神鑑定結果は如何に。。。
フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌはその著書
『モラル・ハラスメント−人を傷つけずにはいられない』(紀伊国屋書店)で
セルシャル・ハラスメント(性的暴力)と対比して、モラル・ハラスメント(精神的暴力)
の概念を提唱した。
●モラル・ハラスメントの加害者とは、
「相手を傷つけ、貶めることによって自分が偉いと感じ、自分の心の中の葛藤から目を
そむけるような人間なのだ。そうして、うまくいかないことはすべてほかの人の責任に
して、自分のことは考えなくてすむようになる....。『私には責任はない。悪いのは相
手の方だ。』そう考える人間なのだ!罪悪感もなければ、精神的な葛藤から来る苦しみ
も感じない。モラル・ハラスメントの加害者の<変質性>はまさにそこにある」
「きわめて自己愛的な人々なのである。」
●モラル・ハラスメントを何故行なうかについて、
「これは加害者本人が小さい頃に受けた心の傷と関係している」
「加害者は、自分の身を守るために、小さい頃から自分のなかの健康な部分と傷ついた
部分を分離してこなければならなかった。これは大人になってからもやめることができ
ない。その結果、加害者の世界は<善>と<悪>に分かれている。そして、この<悪>
はすべて他人に押しつけることによって、モラル・ハラスメントの加害者は自分が<よ
い人間>でいられ、比較的安定した生活を営むことができるのである」
「逆に言えば、モラル・ハラスメントの加害者が落ち着いた生活を送るためには、<悪
い部分>をすべて他人に肩代わりしてもらわなければならないのだ。また、モラル・ハ
ラスメントの加害者は自分に能力がないと感じているので、他人が全能の力を持ってい
ると想像してその力を懼れる。それはほとんど妄想的で、もともとは自分が相手に投影
した悪意にすぎないのに、相手の悪意を警戒する。このあたりはきわめて妄想症的である」
米国精神医学会編の『精神障害の分類と診断の手引き』(医学書院)によると、
●「妄想性人格障害」について以下のように定義している。
「全般的な疑い深さの傾向が成人早期までに始まり種々の状況で明らかになり、人々の
行為や出来事を故意に自分をけなしたり脅かすものと不当に解釈する。それは以下のう
ち、少なくとも4項目によって示される」
1.十分な根拠もないのに、他人によって利用されたり、危害を受けると予想している。
2.友人とか仲間の誠実さや信頼に対して、道理に合わぬ疑念をいだく
3.悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなし脅かす意味が隠されていると読む、
例えば、隣人がごみを朝早くから出すのは自分を困らせるためではなかろうかと疑う
4.恨みをいあだき、または侮辱や軽蔑されたことを許さない
5.情報が自分に対してフリに用いられるという恐れのため、他人に秘密を打ち明けたがらない
6.他人に軽蔑されやすく、すぐ怒りをもって反応したり反撃したりする
7.配偶者または性的伴侶の貞節に対する道理に合わぬ疑い
●また「自己愛性人格障害」についてはこう定義している。
「全般的な、誇大、共感の欠如、他者の評価への過敏性が成人早期に始まり、
種々の状況で明らかになる。以下のうち少なくとも5項目によって示される」
1.評判に対し憤激、羞恥、侮辱をもって対応する
2.対人関係における利己性:自己の目的を達成するために、他者を利用する
3.自己の重要さを大きく感じること、例えば業績や才能の誇張、十分な業績がない
にもかかわらず、”特別である”と認められると期待する
4.自分の問題がユニークであり、特別な人々にしか理解されないという確信
5.際限のない成功、権力、才気、美、あるいは理想的な愛の空想に夢中になる
6.特権意識をもつこと:特別有利な取り計らいを理由もなく期待する
7.絶えず、人の注目と賞賛を求める
8.共感の欠如:他人がどのように感じるかを認め、体験することができない。
例えば、友人が従業でデートの約束を破った時、腹を立てて驚く
9.ねたみの感情にとらわれている