在日韓国・朝鮮人らの帰化、45%が「生活のため」
帰化によって日本国籍を取った人の45%は「これからも日本で生活をしていくため」が理由−−。国籍取得者の意識のありようが、大阪大大学院の浅川晃広さんの調査で分かった。在日韓国・朝鮮人らは国籍取得(帰化)を隠して生きる人がなお少なくなく、この種の意識調査はほとんど例がない。
法務省によると、最近は毎年1万5000〜1万6000人が帰化を許可され、うち約1万人が韓国・朝鮮籍からの日本国籍取得。浅川さんの調査は、98、99年の許可者から2000人を選び、359人から回答を得た。
調査によると、元の外国人登録上の名前を国籍取得後もそのまま使っていると答えた人が15%いた。国籍を取った理由としては、「生活のため」に続いて「子供に日本国籍を与えるため」が25%、「就職・職業上の理由」9%と続いた。
「日本国籍になってよかったこと」を問うと「旅券がとれた」「選挙に行けるようになった」がそれぞれ17%。逆に「悪かったこと」として、24%の人が「母国の国籍を失った」ことを挙げた。
国籍取得によって「日本人との差別がなくなったと思うか」との質問には「そう思う」という人は23%にとどまり、「そう思わない」が51%と半数を超えた。結婚などの際、元の国籍が障壁になることもあるようだ。一方で、「元々差別されていた意識がない」人も25%いた。
浅川さん自身も2年前に韓国籍から帰化。「外国人参政権や国籍法改正の議論の前に、帰化の実態を実証的に把握する必要がある」と話す。
http://www.asahi.com/national/update/0730/010.html