【ノーベル賞への】韓国ミステリ等【どこでもドア】

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86スピノザ ◆ehSfEQPchg
「ソウル――逃亡の果てに」        金聖鐘

 確執

 あらすじ

 妻が外泊した。
 テレビには、裸の金髪美人が、浴室で殺されそうになっている場面が映っている。
 妻の態度がおかしくなったのは、かなり前からである。
 五年前に結婚した。二人とも二十四歳だった。恋愛結婚だった。
 妻の実家は金持ちであった。
 男は、貧しかった。努力し、這い上がり、大学を卒業するときはトップになった。
 美人で、金持ちで、声楽専攻の娘だけが、彼に関心を示さなかった。
 そんな娘は、かえって征服欲をかき立てた。
 アタックは成功し、二人は、卒業するとすぐに結婚した。
 男は、しかし兵役の義務を果たさねばならなかった。