345 :
スピノザ ◆ehSfEQPchg :
おはようございます。
今日は、かねてからご要望のありました、まえがきと
訳者あとがきをお届けいたします。作者と訳者が、このアンソロジーを
どう見ているか、ちょっと面白いと思います。
では。まえがきから。
まえがき
興味津々な推理小説の海域を目指した航海
出版界は全般的に不況であるとはいうものの、私たちはまた、
推理小説の季節である夏を迎えた。夏といえば、真っ先に避暑を
思い浮かべるが、海へ、渓谷へと避暑に出かける際、リュックの
中に推理小説をしのばせていくことは今では決して珍しい光景ではない。
近年、韓国推理作家協会は会員が書き著した珠玉のような短編を
集めて短編創作集を発刊しているが、この度においては、
元老作家から新人作家までの多様な階層からの参加が得られており、
作品集の水準を例年よりも一段階高く引き上げています。
346 :
スピノザ ◆ehSfEQPchg :2012/07/25(水) 12:50:19.20 ID:96C6ZZUr
元老作家である李祥雨(イ・サンウ)氏の『地獄への道行き』、
金聖鐘(キム・ソンジョン)氏の『失踪』を始め、魯元(ノ・ウォン)氏
のブラック・レディー』、中堅作家である金楠(キム・ナム)氏の
『訪問者』、金容相(キムヨンサン)氏の『血統』、李秀光
(イ・スグワン)氏の『月夜のお話』、金尚憲(キム・サンホン)氏の
『いとしのシンディー・クロフォード』、柳禹堤(ユ・ウジェ)氏の
『敵と同志』、女流作家林沙羅(イム・サラ)氏の『標的』、
黄美英(ファン・ミヨン)氏の『疑心の代償』、新鋭作家である
黄世鳶(ファン・セヨン)氏の『本当の復讐』、崔鐘K
(チェ・ジョンチョル)氏の『平倉洞の陰謀』などは面白さだけではなく、
文化的側面からも相当な成果を上げた作品です。
347 :
スピノザ ◆ehSfEQPchg :2012/07/25(水) 12:50:53.49 ID:96C6ZZUr
読者のみなさん、推理小説マニアの皆さん方の中にあっては
推理小説といえば外国の作品を選り好んで、外国の作品だけが
質の高いものだと見なす場合が往々にしてありますが、
我が国の優れた短編小説を愛情込めて読むこともまた、
読書の一つの術になるでしょう。
韓国推理作家協会所属の作家が、困難な条件下にあっても
毎年作品集を発行するのは、言うなれば、読者のみなさんに
推理小説の神髄だといえるような優れた「短編」をお目にかけんがためなのです。
一年ぶりに出た作品集に、読者の声援を期待します。
韓国推理作家協会副会長 文学評論家 柳明佑(ユ・ミョンウ)