283 :
スピノザ ◆ehSfEQPchg :
さて、うpを始めます。連投規制に引っかかりませんように。
ブラック・レディ
魯元(ノ・ウォン)
あらすじ
盲目だった私は、アイバンクから提供された眼球
の移植手術を受ける。
傍らにいた、恋人の理淑(イ・スク)は、望外の美人で
私を喜ばせる。私自身も、まれに見る美男子だ。
理淑が、初めて私に近づいてきたとき、かなり
くたびれた感じで、寂しそうだった。しかし、恋人
としての理淑は申し分なかった。
当然、私は彼女と結婚するつもりだった。
284 :
スピノザ ◆ehSfEQPchg :2012/07/23(月) 13:35:03.99 ID:MVz3pe/L
ところが、いつの頃からか、一人の女の幻影がちらつく
ようになった。ぞくっとするほどの美貌だった。
黒い服を着ていたので、私は彼女を、ブラックレディーと
呼ぶようになった。
私は、眼球移植の主治医を訪ねた。そして、
目の前にちらつく幻影の美女について話した。
医者の話では、死の瞬間に、見た映像が、
永遠に網膜に焼き付いてしまうことがあるのだそうだ。
285 :
スピノザ ◆ehSfEQPchg :2012/07/23(月) 13:44:21.03 ID:MVz3pe/L
私は、眼球を寄贈してくれた人を探した。
簡単に分かった。沈坤(シム・コン)という男だった。
ところが、沈坤はナイフで刺し殺されていたのだ。
警察に行き、私はブラックレディーのモンタージュを
作ることにした。出来上がったのは、映画俳優のように
美しい女の姿だった。
警察から、沈坤殺害事件の容疑者のリストをもらい、
三人の女を訪ねた。
二人は、駄目で、残りは由華という女だけになった。
私は、由華に会いに出かけた。
286 :
スピノザ ◆ehSfEQPchg :2012/07/23(月) 15:03:09.88 ID:MVz3pe/L
由華は、ブラックレディーその人だった。美し過ぎた。
いつの間にか、二人は深い関係に陥り、由華のアパートで
夢のような日々を過ごした。
由華は言った。
「健宇(コ・ヌ)さん、あなたで三人目よ。
私のところに突然訪ねてきたのは」
すると、由華=ブラックレディーは、今まで少なくとも
二人の男を殺しているのだ。
いつしか、由華は殺した男たちを夢に見、うなされる
ようになった。
そして、ついに由華は私に匕首を向けた。
私は、自分の眼球が遺贈されることに、
悪魔的な歓びを感じていた。