【萬物相】平昌への道
ttp://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/13/2011111300082.html ttp://www.chosunonline.com/site/data/img_dir/2011/11/13/2011111300082_thumb.jpg 「門の前は土地が狭く、乗り物2台がようやく置けるほどで、空は低く、頭から空まで3尺ほどしかない」。朝鮮王朝時代の学者、鄭道伝が、
江原道平昌について語ったときの言葉だ。平昌がいかに深い山奥かを表している。海抜700メートルを超える場所が全面積の6割に達し、
北・西・東の三方を1200―1500メートル級の山々に囲まれた地域、それが平昌だ。
しかし、最近の平昌は人里離れた山奥ではない。嶺東高速道路で首都圏と結ばれ、ソウルからは車で2時間半、韓国の第1国際空港である
仁川空港からもわずか3時間の距離だ。その平昌が、今年7月に2018年冬季五輪の開催地に決定したことで、韓国政府の悩みの種が一つ増えた。
平昌冬季五輪招致委員会が招致活動の際に、国際オリンピック委員会(IOC)に対し「仁川空港から平昌まで70分以内、68分で到着できる鉄道を
建設する」と約束したからだ。
この約束を守るためには、仁川と平昌を結ぶ高速鉄道を新たに建設しなければならない。9兆ウォン(約6500億円)と推定される建設費ももちろん
問題だが、五輪が終わった後の利用者数を考えると、9兆ウォンもの費用を投じる価値があるのか、というところが最大の問題だ。平昌冬季五輪の
開催に合わせ、原州―江陵間には、時速250キロで走行可能な複線の鉄道が17年に完成する。このため、仁川空港から原州まで最速で行ける
ルートを探せばよいわけだ。これについて交通研究院は先ごろ、三つの案を提示した。
一つ目の案は、仁川空港鉄道でソウル市内の竜山駅に到着し、中央線で原州に向かうルートだ。4900億ウォン(約350億円)を投じて中央線の
清涼里―原州間の改修工事を実施すれば、時速200キロでの走行が可能になるが、それでも仁川―平昌間は107分を要する。
二つ目の案は、京畿道高陽市からソウル市江南区水西洞にかけて地下50メートルの急行鉄道と、水西―楊平間を結ぶ鉄道を新たに建設し、
仁川―高陽―水西―楊平を経て、仁川と平昌を結ぶルートだ。このルートなら79分で平昌まで行けるが、鉄道事業費は3兆5382億ウォンに達する。