孤客
韓国の田舎町のバスターミナルでバスを降りた。
バスターミナルのとなりに小さなシクタン(食堂)が目に付く。
ガタビシのガラス戸を開けると、
無愛想なアジョシ (おやじさん) が立ち上がって、床にあがれと手で指図する。
靴を脱いで低い床に上がる。
薄っぺらな座布団を敷いて、古ぼけた座卓につく。
壁の品書きを指して、アジョシに料理を注文する。
アジョシは低い声で厨房のアジョンマ (おばちゃん) にそれを伝え、
椅子に座って新聞を読みふける。
おとなしそうなアジョンマができあがった料理をだし、
アジョシが座卓に並べる。
座卓のチゲが小鍋でぐつぐつたぎる。
外は風が強くなり、小雪が舞う。
つぎのバスまでまだだいぶ時間がある。
旅は長い。
http://unkar.org/r/korea/1229313695/691