そしてです。砂場を借りたニホンちゃんはです。そ
こにある砂であのマスコットを作ったのでした。
それは仏像みたいに寝ています。涅槃に入るその姿
ですがそれでもです。やっぱり何もかもがとても気
持ち悪いのでした。
「ああ、砂のね」
「これにすることにしたの」
その砂のマスコットを作ってからイン堂君に対して
話すニホンちゃんでした。
「どうしたらいいかしらって思って」
「それでなんだ」
「どうかしら、これで」
あらためてイン堂君に対して尋ねます。
「砂のマスコットは」
「感想素直に言っていいかな」
イン堂君はまずはこう言うのでした。
「それを」
「うん、いいけれど」
「砂になっても怖いね」
実に正直に感想を言います。
「夢に出そうだよ」
「やっぱりそうなのね」
「特に目がね」
怖いというのです。
「やっぱりこのマスコットって何をやっても怖いん
だね」
「残念ながらそうなの」
ニホンちゃんも否定する努力は放棄しています。
「けれど。お家の人からの話だから」
「わかってるよ。それじゃあね」
「ええ、御願い」
こうしてその砂のマスコットがイン堂君のお家にで
きたのです。勿論イン堂家の人達はそのマスコット
を怖がります。
「夢に見そう・・・・・・」
「どうにかならない?」
「本当に」
けれどたった一つだけいいことがありました。雨が
降ってマスコットは崩れ落ちて消えてしまいました。
それでイン堂君のお家の人達は喜びました。ニホン
ちゃんもです。
そのニホンちゃんはいささかほっとしたような顔に
なって言うのでした。
「よかった、すぐに消えてくれて」
「そこまでそのマスコット嫌?」
「ま、まあ。何ていうか怖いのは確かだけれど」
イン堂君の突っ込みに弱った声で返すニホンちゃん
でした。
「そこは聞かないで」
「うん、色々とわかったよ」
イン堂君もこう言って頷きます。そしてこんなこと
をニホンちゃんに言いました。
「ニホンちゃんも大変だね」
「有り難う」
そんなニホンちゃんでした。マスコットも時として
厄介なもののようです。
686 :
マンセー名無しさん:2010/08/22(日) 22:44:52 ID:L1BjzWjK
「燃え上がる情熱」
アル君のお家のダンスといえばタンゴです。タンゴ
については色気のあるダンスということもあって好
な人も多いです。それで皆も子供ながらあれこれと
やっていたりします。
「皆結構上手だね」
本場のアル君が皆が練習しているのを見て言いまし
た。
「僕もうかうかしてられないかな」
「だってタンゴって踊ってたら面白いから」
そのアル君に対してニホンちゃんが答えます。彼女
も今は赤いドレスを着てそのうえでタンゴの練習を
しています。
その相手はというとです。ウヨ君です。隣ではカン
コ君が暴れています。
「ええい、ウリがニホンと踊ってやるニダ!」
「だから兄さんの相手はウリニダよ」
チョゴリちゃんがそのお兄さんを止めています。こ
れも何かいつもの光景です。
「全く。どうしてそうニホンさんにこだわるニダ?
こういう時は家族同士で踊るのが一番問題にならな
いニダよ」
「じゃあ御前はウヨと踊るといいニダ」
「うっ、それは確かに」
こう言われてです。チョゴリちゃんもちょっと考え
てしまうのでした。
「悪くない話ニダな」
「そうニダな。じゃあここはパートナー交換といく
ニダ」
カンコ君は実際にニホンちゃんとウヨ君のペアにこ
う言います。しかしです。
それについてはウヨ君が実にあっさりと断りの返事
を告げました。本当にあっさりとです。
「嫌だ」
「な、なじぇ嫌ニダか!?」
「どうせタンゴにことかけて姉さんの身体に触ろう
とかそんなことばかり考えているんだろう。そんな
ことは俺が許さん」
「ランバダじゃあるまいしそれはないニダ」
カンコ君このことは必死に否定します。
「ウリはただニホンと踊ってやるだけニダ。誰にも
相手にされないから寂しそうだから仕方なくそうし
てやるニダ」
「今の話はかなり無理があるな」
ウヨ君はカンコ君の主張に対して実に冷たく告げる
のでした。
「俺が今姉さんのパートナーをしているからな。そ
れにタイワンさんやパラ雄さんやトルコさん達も姉
さんを誘って大変なんだぞ」
「何か女の人が多くないニダか?」
チョゴリちゃんがその顔触れを聞いて首を傾げさせ
ながら述べました。
「女の人同士のタンゴだと男の人と女の人のそれよ
りもいやらしいような気がするニダ」
「とにかくだ。姉さんの今のパートナーは俺だから
な。姉さんが一人ということは絶対にない。よく覚
えておくことだ」
「くっ、忌々しい奴ニダ」
「まあそう言われたのなら仕方ないニダ」
チョゴリちゃんもウヨ君と踊れなくて寂しい顔にな
って悔しがるカンコ君に対して述べます。
「兄さん、諦めてウリと踊るニダよ」
「わかったニダ」
カンコ君も憮然として頷きます。しかしここで、な
のでした。
「チョゴリちゃん、一緒に踊らない?」
「僕でよかったらさ」
「それでだけれど」
「どう?」
「ええと、ウリは」
多くの面々に囲まれて誘われてです。チョゴリちゃ
んもあたふたとしています。彼女は実はかなり純情
さんなのです。
「あの、その」
「ほか、よかったらね」
「僕と一緒に」
「踊ろうよ」
皆がこれでもかとアタックします。チョゴリちゃん
大ピンチです。
そのチョゴリちゃんを取り囲む皆に対してです。カ
ンコ君が殴り込みます。
「ええい、チョゴリに触れるなニダ!」
「えっ、兄さん」
「チョゴリと一緒に踊ろうとするとは命知らずもい
いところニダ。その前にウリを倒していくニダ!」
顔を真っ赤にしてチョゴリちゃんに言い寄る面子に
対して言います。完全に本気です。
けれどそんなカンコ君を見てです。皆かなり呆れな
がら言うのでした。
「じゃあニホンちゃんに言い寄るなよ」
「チョゴリちゃんは駄目なのか」
妹が絡むと急に本気になるカンコ君でした。子供達
のタンゴはこんな有様です。
そしてこのタンゴ、大人の部もあります。その頂点
に立つカップルはといいますと。かなり意外な顔触
れでありました。
「えっ、お父さんとお母さん?」
「そうだったんだ」
ニホンちゃんとウヨ君は奇麗なタキシードとドレス
を着ている両親を見て目が点になっています。何と
大人の部の頂点はニホンパパさんとニホンママさん
の二人だったのです。
「何かその服凄く似合ってるし」
「踊りも」
二人共服の着こなしも踊りも見事なものです。ニホ
ンママさんのお口には真紅の薔薇まであります。
その薔薇を咥えたまま踊るニホンママさんはといい
ますと。普段とは人が違うようです。
「フラメンコ先生みたい」
「そうだよな。これは」
ニホンちゃんとウヨ君は今の自分達のお母さんの艶
姿にうっとりとさえなっています。
「こんな艶かしいお母さんはじめて」
「お父さんも。普段よりずっと格好いいな」
「ははは、二人で昔から踊ってきているからね」
「タンゴは大好きなのよ」
両親は笑顔で自分達の二人の子供に対して述べるの
でした。
「前回は優勝したけれど」
「今回もよ」
そしてこうも言うのでした。
「お母さん、連覇を狙おうか」
「ええ、お父さん」
二人見詰め合い踊りながら話すのでした。
「それじゃあこれから」
「練習ね」
二人の練習は殆ど本番と変わりありません。とても
奇麗でそのうで艶やかであります。ニホンちゃんと
ウヨ君もそんな両親を見て。
「ええと、武士」
「うん、姉さん」
顔を見合わせて言い合います。
「わたし達も頑張ろうね」
「そうだね、真剣にね」
「お父さんとお母さんみたいに奇麗に踊れるように
ならないと」
「あんなに色気を出せるかな」
二人は自分達が実際にそこまでなれるのか不安にな
りながらも踊りの練習をします。アル君はそんな二
人を見て言うのでした。
「二人共いいじゃない。このままいけばきっと将来
は御両親を超えられるよ」
「だったらいいけれど」
「あそこまでなれるんでしたら」
「そう思って努力するのがいいんだよ」
アル君は笑って自信なさげな二人に述べます。
「だからね。二人共じっくりと時間をかけて練習し
ていけばいいんだよ」
「何ごとも一日にしてならず」
「そういうことなんですね」
「そういうこと。それじゃあ頑張ってね。僕も本場
の意地があるから頑張るよ」
こう言ってアル君のお家の人と一緒にタンゴを踊る
のでした。そしてその時カンコ君はといいますと。
「チョゴリと一緒に踊りたい奴はウリが相手をする
ニダ!」
「だから兄さん、そんなに暴れないニダ」
練習そっちのけでこんな有様の人もいます。人それ
ぞれであります。
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで約2週間にわ
たって情熱と精緻なダンスを競うタンゴ ダンス世界
選手権「ムンディアル・デ・タンゴ(Mundial de
Tango)」。
「タンゴをブエノスアイレスから切り離せても、ブエ
ノスアイレスはタンゴから切り離せない」
――少なくとも前回の優勝者たちはそう考えている。
2009年に同大会サロン部門で優勝した山尾洋史さん
(39)・恭子さん(35)夫妻もときどき、 住む場所を
地元東京からブエノスアイレスへ移そうかと考えると
いう。ブエノスアイレスは、 腰や胸を重ね合わせ、速
いステップで踊るスペイン発祥のこのダンスにもっとも
結びつきの ある都市だ。だからこそ2人は、ブエノスア
イレスにこだわる。
タンゴのおかげで2人が結婚したという洋史さんは、前
週末開催された開会式で「ムンディアル・ デ・タンゴ
に出場するのは、今回で5度目なので、ときどきブエノ
スアイレスに住もうかと 考えます。このダンスのもつ
コミュニケーションや誘惑が大好きなのです。実際、わ
たしたちは 東京のミロンガ(タンゴのダンスホール)
で出会ったんですよ」と話した。
700 :
マンセー名無しさん:2010/08/25(水) 00:27:18 ID:/RN85P9+
山尾夫妻は次週、アルゼンチン内外から参加する400の
ペアと戦う。大会各部門の優勝者は30、 31日に決まる。
今週は、大会を盛り上げるため、美術展や会議、映画、
無料ダンス講習会といったタンゴ関連の 数百の催しが、
ブエノスアイレスの街頭やミロンガで開催される。
■情熱的なアルゼンチン文化「タンゴ」
84歳の妻ネリーさんとペア出場するというポチョさん
(86)は、「わたしたちは14歳から踊って います。生
まれてからずっと、ミロンガでタンゴとともに生きて
きたんです」と自慢げに語る。
2008年にメトロポリタン大会で優勝したリディア・カセ
ーラさん(64)とルーベン・ディエス さん(74)もタ
ンゴが前年、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESC
O)の無形文化遺産に登録 されたと誇らしげに話す。「心、
シンクロ(同期)、音楽性のすべてが、タンゴに含まれ
ていると 言われています。それこそが、アルゼンチンら
しさなのです」(カセーラさん)
アルゼンチン政府の文化部門担当者も「世界の文化がタン
ゴを認め、その逆もしかりです。 タンゴの不思議はその
情熱にあります。だからこそタンゴは、世界で認められて
いるのです。 ブエノスアイレスは多くの情熱的な文化を
持ち合わせていますが、タンゴはその中でも一番 情熱的
なのです」と話した。
ttp://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2748836/6085836 ttp://d.yimg.com/a/p/afp/20100817/capt.photo_1282032600104-1-0.jpg
「注意書きは細かく」
次の運動会はエルザベスちゃんのお家で行われること
になっています。それでエリザベスちゃんも色々とそ
の準備に余念がありません。
「大変?やっぱり」
「大変ですわ」
こうニホンちゃんに対して答えます。
「やっぱり。やるべきことは何かにつけて次から次へ
と出てきますし」
「お家でイベントやる時ってそうなんだよね」
「その通りですわ。運動会はかなり前にしたことがあ
りますけれど」
「それってどれ位前なの?」
そのことはあまり記憶にないニホンちゃんはエリザベ
スちゃんに対してこのことを尋ねました。
「わたし達が生まれてる頃のお話?」
「お婆様の頃でしたわね」
エリザベスちゃんは腕を組んでこう答えました。
「確か。それ位前ですわ」
「そうよね。お爺ちゃんの時代よね」
「今となっては昔ですわね。わたくしにしてもその頃
には生まれていませんわよ」
エリザベスちゃんにしてもそうです。それでノウハウ
は実際の経験としては知らないのでした。
それであれこれと悩んで考えて苦労しています。その
中で、でした。
ニホンちゃんはエリザベスちゃんに対してにこりと笑
って告げました。
「それじゃあ頑張ってね」
「え、ええ」
ニホンちゃんのその奇麗な笑顔に同じ女の子でも何と
奇麗なのかしらと思いながら応えるのでした。
「それでは頑張りますわ」
「そうしてね。運動会の時には色々なお家の人が来る
けれど」
「そう、それですわ」
エリザベスちゃんはニホンちゃんの今の言葉に大いに
頷くのでした。
「それで色々なお家から来ますけれど」
「うん」
「その覚書を作らないといけませんわね」
エリザベスちゃんはこのことに気付きました。
「それならでしてよ」
「それならって?」
「乞ご期待ですわ」
今は言おうとはしません。
「すぐに作って皆さんに見せてさしあげましてよ」
「そうなの。じゃあ楽しみに待ってるね」
「ええ、ニホンさんについても書かせてもらいますわ
よ」
エリザベスちゃんは何故か楽しそうにこう言うのでし
た。
「それではそういうことで」
「わたしのことって。何かしら」
ニホンちゃんはそのことが気になりました。しかしで
す。何はともあれ覚書を作ることにしたエリザベすち
ゃんなのでした。
そうしてそれを作ってからです。エリザベスちゃんは
皆に対してその覚書を見せます。
それを見てまず言ったのはです。アメリー君でした。
「僕と、ええと誰だったっけ」
「カナディアンでしてよ」
エリザベスちゃんがそのアメリー君に対して言いまし
た。
「貴方、お隣ではないのでして?」
「それでも忘れる時は忘れるんだYO」
実際に今ここにカナディアン君もいます。しかしなの
です。皆彼のことに気付かずにアメリー君の方ばかり
見ているのです。影が薄いということはとても可哀想
なことです。
「それで僕とカナディアンを間違えないか」
「はい、その通りでしてよ」
「僕は別に構わないんだけれどな」
そんなことを気にするアメリー君ではありません。そ
の前に彼がカナディアン君のことにあまり気付かない
ということが問題なのですが。
そしてです。エリザベスちゃんはさらに言うのであり
ました。
「チューゴについては」
「次は僕あるか」
「ありがとうと言ってはいけませんわよ」
こう皆に話します。
「丁寧な否定をすることが謙遜になるのでしてよ」
「よくわかっているあるな」
エリザベスちゃんの今の言葉に微笑んで返すチューゴ
君でした。
「その通りあるよ。僕はありがとうというよりはそう
してもらった方がいいあるよ」
「そういうことでしてよ。この二人についてはこのこ
とを気をつけなければなりませんわよ」
エリザベスちゃんはまた皆に話すのでした。そうして
その次の人は。
「ブジリーですが」
「ああ、僕なんだ」
次の次の運動会のその人です。名前が出て笑顔になっ
ています。
「それで僕はどうなのかな」
「プライベートなことは尋ねないこと」
エリザベスちゃんのブジリー君への覚書はこれなので
した。
「そういうことでしてよ」
「そうそう、僕ってプライベートのことを話すのって
苦手なんだよね」
ブジリー君もここで自分のことを話すのでした。
「だからそうしてもらえると有り難いよ。エリザベス
もわかってくれてるんだね」
「勿論ですわ。そして」
次の人は誰か。皆固唾を飲むことになりました。
その次の人はです。彼女でした。
「ニホンさんについてですけれど」
「あっ、わたしなんだ」
「ええ。ニホンさんの微笑みは要注意でしてよ」
何かニホンちゃんに対するのは他の人達とは雰囲気が
違います。
「まずは」
「まずは?」
そのニホンちゃんがエリザベスちゃんの言葉に問いま
す。
「何かあるのかしら」
「ニホンさんのスマイルは喜んでいるとは限りません
ことよ」
最初にこう皆に説明するのでした。
「笑いながら怒っていたり恥ずかしがっていたり悲し
んでいたりがっかりしていてもスマイルの場合があり
ましてよ」
「ああ、そうなんだYO」
「その通りある」
そのニホンちゃんと付き合いの深いアメリー君とチュ
ーゴ君がエリザベスちゃんの言葉にその通りだと相槌
を打ちます。
「ニホンちゃんのスマイルってその時その時で違うん
だYO。だから見分けるのが大変でさ」
「間違えてそれで面倒なことになったりするある。こ
れは慣れていても見分けるのが難しいある」
「そうなのかしら」
本人だけがあまり自覚していません。
「わたしの笑顔ってそんなに難しいかしら」
「それにですわ」
エリザベスちゃんのニホンちゃんに関する話はさらに
続くのでした。
「ポケットに手を入れたままお話したりじっと見詰め
たり時間に遅れたり目の前で鼻を噛むと不機嫌になり
ましてよ」
随分と細かい話になっています。
「それに座っているときに靴の裏を見せてはいけませ
んわよ」
「わたしそんなので別に嫌だとか言わないけれど」
「言わないから余計に難しいんだよね」
ブジリー君、見事に正鵠を得ています。
「ニホンちゃんの場合はさ」
「そうそう、それで内心怒っていたりするからな」
「意外と付き合いが難しいあるぞ」
ここでまたアメリー君とチューゴ君が言います。
「スマイルとその細かさがさ」
「困るある」
「そういうことですわ。わたくしも注意しますから
皆さんも注意して下さりますわね」
「まあ料理さえ美味しかったら」
「それでいいけれど」
しかしここで皆エリザベスちゃんに対してこんなク
レームをつけます。
「そっちはどう?」
「できるの?」
「あっ、忘れていましたわ」
エリザベスちゃんはその皆の言葉にです。何かとて
も慌てた感じで言うのでした。
「香にウィンクしたり人差し指でさすようなことは
しないことですわ」
「ここに香ちゃんいるか?」
「いないあるぞ」
またしても来たアメリー君とチューゴ君の突っ込み
です。
「それで料理は?」
「大丈夫あるか?」
二人もこのことをかなり心配しています。
ニホンちゃんもです。かなり不安な顔になっていま
す。
「またあの天むすなのかしら」
「あれは天麩羅の握り寿司でしてよ」
あくまでこう言い張るエリザベスちゃんです。
「見てなさい、その時のわたくしの豪華絢爛たる地
獄のメニューを」
「地獄かあ」
「やっぱりまずいんだ」
「もうブレイクファストだけにしようかな」
「フランソワーズのところに行こうかな」
地獄という言葉が止めになりました。この運動会は
お料理は期待できないみたいです。
英政府観光庁(ビジットブリテン)は、2012年
のロンドン五輪で外国から訪れる観光客を もてなす
ため、他国の文化を解説したエチケットガイドを発
表した。
日本人の笑顔の意味を誤解しないこと、中国人に褒
められても「ありがとう」と言わないこと―― など
のアドバイスを盛り込んでいる。
エチケットガイドで取り上げた各国の文化についての
解説は、それぞれの国の出身スタッフが 執筆した。
インターネットを通じて同国の観光業界向けにデータ
ベースを提供し、ホテル従業員や タクシー運転手など
に他国の文化への配慮を求める。
ビジットブリテン責任者は「海外からの訪問客は、英国
に年間160億ポンド以上を もたらしてくれる。外国
からの訪問客を友好的にもてなすことは、わが国の経済
にとって 死活問題となる」と述べた。
716 :
マンセー名無しさん:2010/08/26(木) 23:31:13 ID:uDrEUJbb
ガイドから一部を抜粋してみると……
日本人の微笑みは喜びの表現とは限らない(怒り、恥じ
らい、悲しみ、失望でも微笑む傾向がある)。 ポケット
に手を入れたまま日本人と話したり、じっと見つめたり、
時間に遅れたり、相手の前で 鼻をかむのは避けること。
座っている時に靴の裏を見せてはいけない。
香港の人にウインクするのは礼儀を失する行為とみなさ
れるので避ける。人差し指で人をささない。
アラブ首長国連邦(UAE)の人は、相手に偉そうな態
度を取られたと思うと ひどく気分を害しかねない。
ブラジル人に年齢や給料など個人的ことを尋ねない。
カナダ人のことをアメリカ人と言ってはいけない。
中国人に褒められても「ありがとう」と言うのは避ける。
丁寧に否定することが謙遜の表現になる。
ttp://cnn.co.jp/fringe/AIC201008130006.html
「お弁当のお話」
皆今日はお弁当の日です。それで皆それぞれのお
弁当を持って来ています。
そのお弁当は皆それぞれです。個性が見事なまで
に出ています。
まずアメリー君です。ハンバーガーにホットドッ
グ、それとコーラです。彼の大好物で揃えられて
います。
チューゴ君は食べる前に御飯を電子レンジであっ
ためてから食べています。彼は冷えた御飯を絶対
に食べません。
イン堂君はカレーです。お弁当ですがそれでもカ
レーです。カレーなくしてイン堂君は語れません。
そしてフランソワーズちゃんは物凄い豪華なもの
を持って来ています。さながらフルコースといっ
た感じです。
「何かいつも凄いな」
「それはお弁当あるか?」
「ええ、そうでしてよ」
アメリー君とチューゴ君のいつもの突っ込みに対
しても自信満々に返します。
「わたくしの様な真のグルメになると。それこそ
こうしたものでなければ満足できないのでしてよ」
「そうだよね」
その彼女の言葉に賛成して頷いてきたのは同じく
グルメであるマカロニーノ君です。
彼はです。パスタを食べています。勿論フルコー
スみたいなお弁当です。葡萄ジュースまであって
とても豪勢です。
「お弁当は豪華でないとね」
「マカロニーノ、貴方パスタはどうやって茹でた
のですの?」
「ああ、ちょっと家庭科室でね」
そこで茹でたというのです。
「それでここまで持って来たんだよ」
「そこまでして食べるのかYO」
「相変わらずパスタ命あるな」
これにはアメリー君もチューゴ君も呆れるしかあ
りませんでした。
「まあ確かに皆の個性ははっきりと出てはいるけ
れどな」
「そうあるな。やっぱり御飯は温かいものに限る
ある」
「そうですわね。まあわたくしのこのお弁当に勝
てる方はいまして?」
「はい、僕」
マカロニーノ君が早速手を挙げます。
「フランソワーズのと違って庶民的だから食べや
すいんだけれど」
「そうですわね。まあマカロニーノのお弁当はわ
たくしの次位にいいですわね」
フランソワーズちゃん、マカロニーノ君には何処
か甘いのかも知れません。こんなことを言うので
した。
「ただ。わたくしには及びませんわよ」
「まあ僕はナンバーワンでなくてもいいけれどね。
それにしても皆それぞれ美味しそうなお弁当を食
べてるね」
「そうですわね」
マカロニーノ君だけでなくフランソワーズちゃん
も皆のお弁当を見て言います。フランソワーズち
ゃんはその手に悠然とグラスさえ持っています。
メニューはポタージュにサラダにオードブルに魚
料理に鴨料理、パン、そしてデザートはフルーツ
の盛り合わせです。お弁当とは思えないまでです。
その豪華なお弁当を食べながらです。皆のお弁当
を見ていきます。
カンコ君のを見ました。皆彼のお弁当については
すぐに納得でした。
「予想通りですわね」
「そうだね」
「ウリのはそれで終わりニダか」
あっという間にこう言われてかなり不満なカンコ
君です。
「他に何か言うことはないニダか」
「ビビンバ弁当キムチどっさりにどう突っ込みを
入れろというのですの?」
「あの、いつものお弁当じゃない」
フランソワーズちゃんとマカロニーノ君がこう彼
に言います。
「他にはカルビ弁当、クッパ弁当、辛いのばかり
ですわね」
「だから言うことはないんだけれど」
「ふん、辛いのこそが一番美味しいニダ」
カンコ君は二人の言葉にいささかすねてしまいま
した。
「この美味しさがわからないとは不届き千万ニダ。
ウリは非常に落ち込んだニダ」
「とか言って弁当もう五箱目だぞ」
「どれだけ持って来たあるか」
アメリー君とチューゴ君が自分のお弁当を貪るカ
ンコ君に突っ込みを入れます。どうも実際はあま
り落ち込んではいないようです。
そのカンコ君の隣にはいつもの様にニホンちゃん
がいます。彼女のお弁当はといいますと。
「あら、これは」
「どうしたの?」
「いいですわね。これは」
見ればです。小さなお弁当箱の中にお握りとおか
ずの野菜のおひたしに鰯を焼いたもの、それとデ
ザートの苺が入っています。中々バランスが取れ
ています。
「小さいですけれどどのお料理もバランスよく入
っていますわね」
「そうだよね。ニホンちゃんのお弁当って」
フランソワーズちゃんだけでなくです。マカロニ
ーノ君も言います。
「一体どれだけ時間をかけましたの?」
「やっぱり相当かかってるわよね」
「これ昨日の晩御飯の残りだけれど」
ニホンちゃんはこう二人に答えます。
「それを入れただけだけれど」
「えっ、それだけですの」
「それでそんなに豪勢になるの?」
「豪勢かな」
こう言われても今一つピンと来ないニホンちゃ
んです。首を傾げさせてさえいます。
「このお弁当って」
「バランスが取れていて美味しそうだけでなく
カロリー計算もできていますわね」
「ヘルシーだよね」
フランソワーズちゃんとマカロニーノ君はまた
言いました。
726 :
マンセー名無しさん:2010/08/28(土) 18:42:06 ID:wM3S8YhE
「お見事でしてよ」
「残りものでそれだけっていうのは」
「ニホンちゃんのお弁当は美味いんだよな」
「あっためれば言うことなしある」
ここでニホンちゃんといつも何だかんだでよく
いるアメリー君とチューゴ君も言います。
「ダイエットにもいいんだYO」
「身体にもいいあるぞ」
「ふん、ニホンの飯はパンチが足りないニダ」
しかしカンコ君はこう言うのでした。彼はまだ
食べています。
「辛さが足りないニダ。そんなものを食べてい
ても元気が出ないニダ」
「そう言う割にはですわね」
しかしここで。フランソワーズちゃんは彼に少
し冷たい調子で告げます。
「貴方、そのお弁当は何でして?「
「見たところニホンちゃんのところのお弁当み
たいなんだけれど」
マカロニーノ君も言います。
「何かわたくし達より小さな子が食べるお弁当
に見えますが」
「それ何?」
「な、何でもないニダ」
カンコ君は二人に対して必死に言い繕います。
「ニホンに言って作らせたものではないニダ。
間違ってもチョゴリと同じ弁当でそれを二人
で同じものを食べているのではないニダ。ウ
リ達は交換でカルビ弁当をやった訳ではない
ニダよ」
「随分説明的な自白だな、おい」
「見事過ぎるあるぞ」
アメリー君とチューゴ君も呆れています。
しかし何はともあれです。どうやらカンコ君
もニホンちゃんのお弁当が好きみたいです。
「まずいニダが食ってやっているニダ」
「はいはい、わかりましたわ」
「もうわかったからね」
フランソワーズちゃんとマカロニーノ君もこ
れ以上彼には突っ込みを入れませんでした。
「まあとにかく」
「ニホンちゃんのお弁当、いいみたいだね」
「わたくしも一度食べてみたいですわ」
「僕もね」
皆ニホンちゃんのそのお弁当を見て言います。
その横で相変わらずニホンちゃんに作っても
らったお弁当を食べているカンコ君がいます。
日本の文化に関心が高いフランスでは、最近、
日本のお弁当が注目されている。 日本に関心
の高い人たちだけでなく、料理に関心の高い
人からも関心が寄せられ ており、「bento」
という表記が使われ、言葉自体の知名度も高
くなってきている。
健康に関するブログ「Prendre soin de soi
Autrement」では、フランス人にとっ ても
魅力的なお弁当について紹介している。
フランスでは学校でも職場でも昼休みは平均2
時間であり、自宅に帰って昼食を とったりす
ることも少なくない。しかし、近隣の英国や
オランダでは昼休みは1時間 ほどのため、
「ランチボックス」文化があることを紹介。
短時間で手早く食事ができる 実用的な形式と
記している。
730 :
マンセー名無しさん:2010/08/28(土) 19:09:36 ID:wM3S8YhE
一方、日本のお弁当は実用的でありながら、
遊び心があると紹介している。ごは ん類、
肉魚類と野菜類など副菜で構成されているお
弁当は、栄養管理しやすいと 述べている。
短時間でバランスのとれた食事ができ、ダイ
エットにも向いていると 説明している。
また、特に幼い子供用に作られたお弁当は創
造力に満ちていると説明。子どもの 食欲をそ
そる工夫があるところにも好感を示している。
筆者は、お弁当を作るのは大変な作業だが、
お弁当箱の種類の多さや、作り手の 想像力を
かきたてるお弁当グッズも多彩であり、「楽
しく」作れる要素もあると述べて おり、食
べる側にも作る側にも楽しいお弁当の世界を
紹介している。
ttp://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0825&f=national_0825_011.shtml
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マンセー名無しさん: