(続き)
ま、宦官など、側近の者が小権力をふるうのはよくあること。しかし国政の重大事まで口を出
すようになってはたまらない。
4. 王室の組織を定めること。
井上 「王室の強固は、すなちわ国家の強固である。よって、王室に関する制度と組織を定め
ることがである。王室制度なるものを設ければ自ずと明瞭となると思う。このことについて陛
下の思し召しはいかがか」
国王「もっともニダ」
一同 「ニダーーー」
5. 議政府と各衙門の職務権限を定めること。
井上 「議政府は内閣であって、各大臣が参集し、君主御臨席されて国政を執られる所である。
議政府および各衙門は職務権限を定めることがいる。職務権限とは、外務衙門は外交のことを
つかさどり、度支衙門は財政のことをつかさどることを言う。たとえばここに海関税のことが
あるとすれば、税のことは度支に関しており、外国との事は外務に属する。よってそれぞれの
衙門が協議して、外務大臣が交渉することを言う。すなわち職務とは各衙門の取り扱い事務を
指し、権限とは事を委任されてこれを行うとの意味である」
国王 「内閣とはどういうものニカ?」
紫煙
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
/ ∽ |
しー-J
(続き)
井上 「内閣とはすなわち国王が御親臨され、各大臣を集めて国政を議する所であります」
国王 「それならば宮中に設けねばならんニダ。内閣という語は確か明の時代に始まったと思
うニダ。ウリの国にも昔は常参というものがあって、大官を集めて国政を議したことがあったニ
ダ。宮中内殿で集会する制度だったニダ」
金総理 「御意の通りでありますニダ。内閣の語は明代に創られたものですニダ」
魚度支 「常参のこともその通りですニダ」
井上 「語源はとにかく、内閣は大君主御親臨あって各大臣が議する所を言う。内閣と申し上
げてお分かりなくば、つまりは議政府と申してもよし。そしてこれら各大臣の職務権限を定め
ねばならない」
金総理 「職務権限という言葉についてウリが説明しますニダ。先ほどのことのように、外交
のことは外務衙門、財政のことは度支衙門がつかさどるのであって、外務が財政に、度支が外
交に口出しをしてはならないということですニダ。それぞれの職務にはその権に委任と同時に限
度もあってこそ、政治の乱れを防ぐことなりますニダ」
井上 「とにかく組織と職務権限を定める法令規則を制定されねばなりません。ただ今申し上
げたことは、学校で政治学の講義を受けるような、なかなか難しいことでありますが、法令規
則を設けたなら自ずと明瞭になることです。陛下の思し召しは」
国王 「至極もっとものことニダ。そうするニダ」
一同 「ニダーーーー」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
/ ∽ |
しー-J
(続き)
6. 租税など一切の税は、度支衙門で統一して扱うこと。また人民に課する租税は一定の率で
すること。どのような名義があろうとも、これ以外に徴収しないこと。
井上 「従来から貴国では、租税を徴収するところが宮内府やその他7、8ヶ所もある。そして
税収したものはそれぞれで支出している。その他、通行の貨物に税を課して臨時徴収する許可
証を春坊明礼宮から発行するなどしている。このように勝手に徴収出来るようにしては、経済
の基礎を乱して弊害を生じさせましょう」
国王 「収税のことニカ・・・・」
井上 「自由勝手に各自で支出するなら、第一に王室と国政との費用を混合させ、第二に財政
の統一を欠くものとなる。これからは収入支出とも、度支衙門の権限に属させるようするべき
である。さらに、租税のほかにも官吏が私事で奪っている」
国王 「ニダ」
井上 「甚だしきは、これを拒む者があらば監禁処罰までしている」
国王 「まったくニダ」
井上 「これでは人民は安心して生業につけない。幸福になることもできない。結局は国が富
むことにもならない。人民が安心して生業できるようにするには、みだりに人民の財産を侵犯
しないように一定の税率を定めることである。そうしてこそ富国の基礎が立つのである」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
/ ∽ |
しー-J
(続き)
国王 「ウリの国では以前から勝手に各衙門などで徴収することはないはずニダ。春坊明礼宮
などのことも」
井上 「陛下の御意はそうあらせられようが、これは大弊害のものであって、陛下はご存知な
いかもしれないが、私はすでにこれらの大弊害があることを発見している。このようなことは
一掃されるべきものである。陛下の思し召しは」
国王 「まことに公使の言われるとおりニダ」
一同 「ニダーーー」
国王が知っているのかとぼけているのか定かではないが、春坊明礼宮などは、王宮が売って収
入としている徴税許可証であった。
その他、この国では中央から地方に至るまで、人民から奪う手段というものは奇怪だらけのもの
であった。
(つづく)
>>諸氏にはいつもご支援感謝です。
510 :
マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:17:10 ID:8561BMck
併合前の日朝(続き)
7. 歳入歳出を計って財政の基礎を定め、国家予算を組むこと。
井上 「入るを量って出るを制するは、どの国でもやっていることである。しかし貴国は出る
を量って入れるを決めています」
国王 「よく意味が分からないニダが」
金総理 「陛下。つまり収税の量に応じて、出費もそれに合わせるということですニダ」
魚度支 「税率を一定とすれば収税額も予想できますニダ。そこから支出する予定のものを割
り当てていきますニダ」
井上 「支出に合わせて人民から税を徴収するなら、ついには酷税を課して強奪するようなこ
とにもなりかねません。よって毎年の歳入を予定して財政の基礎を定め、ここから王室や各衙
門の政務に必要な経費を支出することです」
国王 「ウリの国の政務の内容はどうなってるニカ。書いたものが何かないニカ」
朴主事 「陛下。ここに一覧表を持ってきていますニダー」
国王はそれを手に取ると熱心に眺めた。
井上 「宮内府と各衙門の経費は議政府において予算を組み、これに陛下のご決裁を頂いて確
定するものであります。そしていったんご決裁頂いた以上は、たとえ誰であろうとこれを勝手
に増減変更はできないことであって、各大臣もその額の範囲内で一切のものを支弁せねばなり
ません」
紫煙
(続き)
金総理 「陛下。ですから来年の分を今年のうちに予算して定めることになりますニダ」
井上 「思うに貴国の王室と政府には官吏の数が多すぎます。適した人数を定めるなどし
て、経費を削減せねばならないでしょう」
金総理 「陛下。事務を執っていない無駄な官吏が多くおりますとのことでございますニダ」
国王 「ニカ? なるほど、無駄は省かねばならんニダ。また地方官のような者もよく調べて少
なくせねばなるまいニダ」
井上 「このことについて陛下の思し召しは?」
国王 「委細承知したニダ」
一同 「ニダーーー」
8. 軍制度を定めること。
井上 「兵権というものは全て陛下一手のもとになければなりません。今のように各将のもと
に分属させてはなりません。そして軍備というものは国の基礎を立てるに欠かせないものです
ので、少なくとも内乱を鎮圧するに充分の兵力を養うことが必要であります。よって予算節減
をした上で、歳入からどれくらいが軍備費に充てることが出来るかを算定せねばなりません」
これまで朝鮮には明確な軍制はなかったらしい。将が率いる私兵の集団のようなものが朝鮮軍
であり、まともな訓練もなく、その手にする武器もろくに手入れがされてなかった。かつて始
めて日本士官が京城を訪れた時の記録に、門の守衛兵は錆びて朽ちたような火縄銃を持ってい
た、とある。
紫煙
(続き)
井上 「また軍備の基礎を立てるには、先ずは士官を養成せねばなりません。今は我が士官が
訓練している貴国の教導中隊なるものがあります。この頃から東学党を征討するための演習を
しているのを見ましたが、なかなか訓練がよく出来ている。しかしこれを統率する貴国の士官
がいない。兵学や測量技術など軍事上の知識は皆士官に属します。この士官を養わねばなりま
せん。清兵というものは一人一人は強壮なものですが、これを率いる士官はみな兵学を知らな
い連中ですから、たとえ砲をたくさん並べたところで戦術も何も知らないために敗れるばかり
です」
国王 「まったくその通りニダ。思えばウリの国でも古い話であるが、日本から堀本なる者を
招聘して士官の教育をしたことがあったニダ。士官の教育はまことに必要ニダ」
朝鮮政府の依頼で明治13年に渡韓し、別技軍と称する朝鮮兵精鋭100人を教練した帝国陸軍工
兵少尉堀本礼造のことである。15年の大院君の乱(壬午事変)でこの上ない残酷な殺され方を
したが、今もこの時のことを、別義軍と旧軍との間に著しい待遇の差別があったために軍乱と
なった、などと言う人があるようで。
この国王の言によるなら、これは士官養成であったということになりますねえ。士官と一般兵
卒に待遇の違いがあって当たり前。そして待遇も何も、当時兵卒の給与は王妃閔族の一人兵曹
判書(軍部大臣)閔謙鎬がみな私腹に入れるばかりで、ほとんど支給していなかったのだから。
腐敗しきった閔氏政権、そしてそれを憎悪する西洋嫌いの大院君。日本人はそのとばっちりを
受けたようなもので。
井上 「それでも歳入を無視して軍備を拡張しようとしては財政を乱すことになります」
国王 「まことに然り。財政を考えてのことでなければならんニダ」
紫煙
(続き)
井上 「まだ陸軍制度も出来ないうちに海軍を立てるなどは無用のことであります。まず陸軍
の基礎を整え、それで歳入の余裕があるなら海軍を立てるべきであります」
国王 「もっともニダ」
井上 「この軍制度について陛下の思し召しは」
国王 「至極もっとものことニダ」
一同 「ニダーーー」
9. 全てのことに虚飾を去ること。誇大を改めること
井上 「虚飾というのは、ぜいたくや虚礼を重んじて外観を飾るなどのことであって、貴国で
はこの種のことが特に多い。たとえばガトリング回転砲を買って王宮にすえたり、電気点灯器
を宮中に置いたりするなどは、急いでする必要もないものである。しかもただ購入しただけで
結局は放置されて何の役にも立たないことになっている。造幣局を設けたことも莫大の費用を
使っただけで何もしていない。その他多くの事業がこのような有様であって、これでは虚飾と
言うほかはない」
7月23日の王宮事件の時に、王宮内には大砲や機関砲が50門以上もあったのに、朝鮮兵はわず
か15分の戦闘で逃げ散ったからねえ。ただの飾りも同然だったと。
紫煙
(続き)
井上 「誇大ということも、これはおそれ多いことではあるが、世子宮が蒸気船を見られたい
ということで、小蒸気船を宮中の池に浮かべられたとか。もし世子宮が蒸気船を見たいと言わ
れるなら、仁川に赴かれて、外国軍艦を見られればよろしいことであって、これをわざわざ池
に浮かべるなどは誇大なことと申し上げるほかはない。それに世子宮が外出されることもない
とは養育上にもよろしくないことであります」
国王 「あの蒸気船は日本から寄贈されたものニダ。すでに他所に持ち出されたと聞くニダ。世
子が外出しないのは、警察も充分でなく、またウリの国の習いでもあるからニダ」
花房義質公使時代に蒸気機関研究のために贈られたもの。しかし世子のおもちゃになっちゃっ
たと。
井上 「外出のことのみならず、我が国皇太子殿下は臣下の子弟と共に華族学校で机を並べて
勉強されている。しかし貴国ではそのようなことはなく、全てを誇大にして深宮の内に置かれ
ているだけであります。つまりは勢力の争奪や猜疑や復讐などという悪環境の中でお育ちになっ
ては、それが性質にならないとも申されませぬ。ここはご注意申し上げずにはおれません」
国王 「日本太子がそうだとは聞いているニダ。朕もしだいに世子をそのようにしたいニダ。学
問もさせるニダ」
井上 「現に李呵O氏は王族の一人であります。王室を強固なものとするに直接の関係がある
お方であります。それなのに王宮の尊大な仕組みの中に置かれてあります。彼はお年も若いの
ですから、この後は充分に学問をされることは最も必要なことであります。この頃からは日本
に数年間留学なされたいとのことを聞きましたが、それがよいと思います」
紫煙
(続き)
この場には李呵Oも出席してたが、落ち着きがなく何度も席を離れた。そのつど井上は出席を
求めて座らせた。
井上 「とにかく王室から各衙門に至るまで、誇大と虚飾を得意とするのは貴国の癖でありま
す。このために無駄な経費の出費が多い。すみやかに改めねばなりますまい。まず王室から率
先して節倹に勉められ、もって臣民への模範を示されるべきであります」
国王 「まことに奢侈と華美の多さは驚くべきことニダ。節倹に勉めるとは甚だ必要なことニダ。
公使の言われることは一々もっともなことニダ。この癖のために人民にも同様の傾向があるニダ」
井上 「私が申し上げているのは、人民の誇大虚飾を申しているのではありません。王室邸内
のことを申し上げているのです。この虚飾誇大の出費が多いために、人民は実に苦しみに堪え
られない状態となっていることは嘆かわしいことであります」
国王 「民は国の本なりとは古の語にもあるニダ。民を苦しめるのは朕の心外とするところニダ」
王妃には少しく耳の痛い話であったろうか。ま、そんなはずもないかw
井上 「まことに陛下のお言葉のように、民は国の本である。民あって国があり、そうして王
室があることをよくよくご留意されたい。よって、これらの弊害はすべて一掃されねばならな
いことであります。陛下の思し召しは」
国王 「一々もっとものことニダ」
一同 「ニダーーー」
話は翌日に持ち越した。また李呵Oが出席していない。井上は出席させるよう求めた。
紫煙
(続き)
井上 「昨日は陛下のご面前でいろいろと言上し、さだめし不敬と思われたことと存じます。
また長時間となったので陛下にはお疲れのことと存じます。また各大臣もご同様にお疲れのこ
とと思います」
国王 「いろいろとよい話ばかり聞いたニダ。けっして不快なことではなかったニダ。みな当然
行うことばかりニダ。遠慮はいらんニダ」
井上 「それでは申し上げる」
10. 法律を定めること
井上 「刑法民法を定めることが必要であります。刑法は悪事をした者を処分する法律であり、
民法は動産不動産に関して人民相互の権利と義務、また政府に対し、王室に対し、貸し借りを
規定することなどを言います。まず刑法は200から300ヵ条で足るでしょう。しかし、民法は
1000ヵ条あまりは必要であって、その制定は大事業となります。とてもすぐに出来るものでは
ありません。よって、先ずは他国の刑法を参考にして旧律を改定し、国情に適した刑法を定め
ることが当面は必要となります」
たしかこの時の刑法制定によって、あの恐るべき凌遅処死刑も廃止になったのでは。もっとも、
笞刑は残ったけど。なにせ国情民情に適しているということでw
井上 「しかし完全なる民法を制定することもなおざりにしてはなりません。今や貴国の人も
外国に渡航しているのですから、法律というものは最も注意を要するものです。すなわち今は、
自国の人は外国に行って外国の法律に従わねばなりませんが、外国人が朝鮮にいても朝鮮の法
律で支配することは出来ません。およそ国の法律というものは、国内にいる外国人であるとな
いとにかかわらず、一様にこれを支配すべきものであります。しかし外国人は外国の法律に支
配されている。つまりはこれが治外法権の害を生じているのです。よって、刑法、民法、商法
など、諸法律を世界情勢に合わせて適合するようにせねばなりません。外国の法律も参考にし
て制定することは、将来、治外法権を撤去されて国体を保つ基礎であります。けっしておろそ
かにしてはなりません」
紫煙
(続き)
国王 「日本は今は外国の治外法権を撤廃しつつあると聞く。もうすべてそれが出来たニカ?」
井上 「近頃から英国との間で条約改正がなってすでにこれを撤廃しました。諸外国とも交渉
中です。遠からず全てを撤廃するこになりましょう。これは我が国が法律を鋭意制定したこと
によります。貴国もまたこれを制定されて、将来、治外法権を撤去されることをお勉めになら
れて、もって国体を保つようにされねばなりません。しかしこれはなかなか大事業で、5年10年
で出来るものではありませんから、とりあえずの急務は刑法を制定されることです」
日朝修好条規を不平等条約などとレッテルを貼ることの無意味さがここにある。そもそも文化
も習慣も違う国家間で完全なる平等条約を結ぶとするなら、刑法や民法上のこともある程度共
通しなければならないはず。まして、西洋文明が支配するも同然の当時にあって、斬首するの
に剣で60回も刻むような死刑方法を外国人が受け入れるはずもなし。これでは治外法権すなわ
ち領事裁判権の設置を条約に盛り込むのは当然のこと。これを撤廃するには、朝鮮が文明の時
代にあった法律に改革していくしか外に道はないのであってねえ。
で、あの石塚英蔵日本法制局参事官ら多くの日本人顧問官の登場となる。最初に制定された朝
鮮法律第1号は、裁判所構成法であった。
(つづく)
>>いつもご「紫煙」感謝です。
何時も興味深く読ませていただいています。
526 :
マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:27:17 ID:QwqHNK2X
併合前の日朝(続き)
11. 警察権は一つと定めること
井上 「そもそも警察は、行政と司法に必要なもので欠かせないものである。その主な務めは
人民の生命と財産を保護し、犯罪を捜査することであって、一つの機関とせねばならない。よっ
てそれ以外の者がしてはならない。今のように警務庁以外に巡補すなわち別巡検と称するもの
があってはならない。これらは職務権限を乱す基である。すべて廃止せねばなりません。警察
の職権と登用に関する規則は別に定めることが必要です」
国王 「大臣たち。ウリは知らないニダ。別巡検というものがあるニカ?」
内務大臣 「別巡検は巡検の下にあって使役されているものですニダ」
国王 「朕は少しも知らなかった。巡検と別巡検とがあるニカ」
井上 「巡検を置き、さらに別巡検を置くなど、警察権を一つにしないことから弊害が生じて
いる。たとえば金鶴羽が暗殺されたのは、これらの者の仕業という。そもそも警察権がなぜ行
政上必要なことかと言えば、たとえばここに病人が発生して感染する恐れがあるとすれば、そ
の予防のために病人の家に消毒法を実施させ、また交通遮断し、家を掃除して病人の衣類など
を焼き捨てねばならないこともあろう。これら感染予防については警察の権力を使用するしか
ない。その他いろいろと行政の上に警察権は必要欠くべからざるものであります」
国王 「その必要なことは大概了解したニダ。日本でも盛んに警察というものが行われている
と聞くニダ」
(続き)
井上 「法務大臣に対して問いたい。警務庁は貴衙門に属するという。それでは巡検と別巡検
と2つあってよろしいのか」
法務大臣 「巡検は警務庁新設によって出来たものニダ。まだ盗賊の捜査や逮捕が不慣れなの
で、以前の捕庁時代にそのことに従事していた巡補をそのまま別巡検として使っているニダ」
井上 「貴大臣はさっきから私が述べていたことを聞かれていたか。捜査や逮捕もまた警察の
仕事である。それなのに巡検と別巡検と2つに分けるのは何の理由からか」
法務大臣 「警務のことは警務使がいてこれを主管しているニダ。ウリが関係するところでは
ないニダ。詳しくは知らないニダ」
井上 「奇怪なる話である。そもそも警務庁は法務衙門に属し、貴殿の監督の下にあるのでは
ないのか。それなのに知らないとは理解できない」
法務大臣 「まだ創設したばかりで何も定まっていないニダ。順次定めるとするニダ」
井上 「目下、最も緊急のものであるのに、順次定めるとはいよいよ理解できない。一日も早
く事務を整頓して定めねばならないのではないか」
金総理・金度支 「これまでのことは仕方ないことニダ。これよりは改めることにするニダ」
紫煙
(続き)
金鶴羽前法務大臣殺害の犯人検挙が進まないことへの井上の苛立ちかと。
井上 「陛下が私の申し上げたことをご採用されるなら、まず警察のことは急務なので、それ
について希望があります。今、現に派遣してある武久警視のことであります。同人は警察事務
に精通しており、その能力は充分貴国の警察制度設立のためになると思いますので、顧問官と
して招聘されればよろしいと考えます。もっとも、今は貴国財政困難の時なので、俸給などは
定めなくとも差し支えありません。このことについて陛下の思し召しは」
国王 「警務のことは最も急務ニダ。公使の言に従って顧問官とするニダ。大臣たち、左様する
ニダよ」
一同 「ニダーーー」
井上 「ただちに採用されたいと申し上げるのではありません。私が改革意見をすべて述べた
上でいよいよこれを用いられ、ご実行されることにご決定あらせられた後のことと承知いただ
きたい。さて次に」
12. 官吏の服務規律を設けてこれを厳行すること。
井上 「官吏たるもの、職務を尽くし、且つ清廉を守るべきものであります。賄賂などが横行
するのは政治が乱れる基であります。考えを改めねばなりません。官吏に清廉にさせるには、
それぞれに相当の俸給を与え、これによって地位にふさわしい衣食住を充てることです。今の
ように地方の官職を買ったりするなどのことは、速やかに改めねばなりません。地方官吏組織
の改正は、租税賦課の法改正と共に最も必要なことです。このことについて陛下の思し召しは」
国王 「もっとものことニダ。そのようにせねばならないニダ」
一同 「ニダーーー」
まず無理だろこれw
紫煙
(続き)
13. 地方官の権力を制限し、中央政府に集中させること。
井上 「従来からの慣例によって、地方官は兵権と裁判権を有している。その上、政府に納め
る税以外に勝手に酷税を課して取っている。これらはみな売官から来ている。地方官に就く者
はみな巨額の金銭を納めるので、これを取り戻すために人民から取り上げるという結果になっ
ている」
この時、なぜか国王はニヤニヤしたらしい。
井上 「売官の弊害は7月23日以来改革して厳禁したはずが、今もなお続いている。厳重な制
度を設けねばなりません。地方官は過度の権力をほしいままに使い人民に疾苦をもたらしてい
る。よって、適当なところまで権力を中央に戻し、内務、度支などで監督する法を制定された
い。このことについて陛下の思し召しは」
国王 「それらの弊害は一切厳禁にするニダ」
一同 「ニダーーー」
金宏集と大院君の話によれば、この売官を始めたのは王妃閔氏である。もちろん閔政権の時で
あるが、払った金はみな王宮と政府閔党に入っていた。当然、賄賂なども王妃と閔党に集中し
た。なにか役職に就くにも必ず賄賂も出さねばならず、たとえ閔族であっても賄賂の少なかっ
た者は官職に就くことは出来なかったという。
大金を払って地方官となった者は、それを取り戻すために過酷の重税を人民に課し、中央政府
に納めるべき税も時に横取りし、その収税のための土地も年々縮小して申告し、中央に納める
べき量を少なくして差額を私腹に入れる。それで中央には税が集まらないようになる。よって
政府閔党はますます売官売職に励む。朝鮮が貧困と腐敗にまみれるに至った主な原因がこれら
しい。
しかしまあこの改革も無理でしょうねえ。
紫煙
(続き)
14. 官吏登用ならびに免職の規則を設け、私意によってこれをしないこと。
井上 「賄賂などを厳禁にすると同時に、官吏の登用と免職を公平なものとせねばなりません。
官吏の進退に私意をはさむことは、自分のことのみを顧みて、国家を顧みないという弊害を生
じる。ですから、大君主陛下が大臣を進退するにも、大臣が所属の官吏を用いる用いないも、
個人的な恩義や私怨で行ってはなりません。職務に適しているかどうかをよく見て、規則に照ら
して公平に扱うことを唯一とし、かりにも一点の私心があってはなりません。このことにつき、
陛下の思し召しは」
国王 「いずれもそうせねばならないことニダ」
一同 「ニダーーー」
しかし朝鮮の実情を思えば思うほど、無理なことばかりに見えてきたw 出来ないなら出来ないと
大臣たちも言わないとw
(つづく)
>>いつもご「紫煙」感謝です。
次回も楽しみにしております
535 :
マンセー名無しさん:2010/06/09(水) 20:52:11 ID:5NCOpQX+
536 :
マンセー名無しさん:2010/06/16(水) 23:45:03 ID:K7uOUZAK
捕手
ぬるぽ
にゃっ!!
539 :
マンセー名無しさん:2010/06/19(土) 19:41:19 ID:7SZlpiSE
<丶`∀´> | | ガッ
と ) | |
Y /ノ 人
/ ) < >__Λ∩
_/し' //. V`Д´)/ ←
>>537 (_フ彡 /
540 :
ブル☆:2010/06/19(土) 19:46:22 ID:GZ+Ll9qx
なんかアフリカで牛糞の家に住んでる人達が居るって聞いた
それで臭い者同士でぇ〜♪
そそw バッチシ両想いで(笑) 相思相愛ですぁ 混血増えたのか?w
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
541 :
マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:06:18 ID:+N9f0QWB
併合前の日朝(続き)
15. 勢力争奪の悪弊を止め、政治の上での復讐心を抱かないこと
井上 「国の政治というものは公明正大でなければならない。私心を挟んではならない。勢力
の争奪や政治上の復讐心は、みな私欲や私怨から生じておる。国家が乱れる元もここにある。
私がここに来てからいろいろと観察しただけでも、誰は大院君邸に出入りし、誰は日本公使館
に出入りし、誰がどう彼がこうと猜疑しては何派何党と勢力を争うばかりである。これではと
ても国政の実があがるはずもない。この観念は一掃されねばならない。
国王 「まことにそうニダ。今後は猜疑とか党派の字を捨てねばならんニダ」
井上 「仰せの通りであります。日本党だの頑固党だの、あるいはまた、大院君党だの開化党
だの呼び合って猜疑離間するばかりでは政事がはかどりません。これからは、何れも独立党と
いう名の下に立ち、協力同心して国事にあたるべきである。各大臣におかれてはいかがか」
一同 「ニダーーー」
うーん。これもそう簡単にはいかなったことが日清戦後の朝鮮事情でねえ。
16. 工務衙門はまだ必要と認めないこと
井上 「今はまだ工務の事務を置く必要はないだろう。それで今の工務衙門を農商務衙門か他
の衙門に合併してはどうだろうか。大臣らのお考えは?」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・こんな時間に珍しいニダ。
/ ∽ |
しー-J
(続き)
魚允中 「工務は今は公使の言われるとおり事務もないニダが、いずれは出来ていくと思うニダ。
それで存続させたいと考えるニダ」
井上 「財政の点はどう考えられるのか。一衙門とすれば大臣も要れば副大臣も参議も要る。
その他、相応の官吏も必要であって、それだけ費用もかかろう。私はなにも工務は全く必要な
いと言っているのではない。今は財政困難の折であるから、名ばかりのところに費用は必要な
いと言っているのである」
魚允中 「財政の点からすればそうニダが、工務衙門は今は事務はないとしても、この後、鉄
道を開通し、鉱山採掘もあると思うニダ。それに電信のことは事務があるニダ。また郵便なども
将来は工務衙門によって開始するつもりニダ。今は必要ないとしても将来は必ず必要となるの
で、これを廃することはないと考えるニダ」
井上 「この件は度支大臣がまっさきに同意されると思ったが意外である。まるで子供が生ま
れてもいないのに名前をつけるようなものであって、実のないことではないか」
魚允中 「そうニダ。しかし子という名はすでにあるニダ」
井上 「工務を廃止しようということではない。しかし子という名があっても、生まれてもい
ない子に名をつけるようなものであって、今は急ぐことではない。工務は他衙門の一部とすれ
ばそれで充分である」
金総理 「国王の前なので、そのように争われなくともよいニダ」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
/ ∽ |
しー-J
(続き)
魚允中 「各大臣とも協議するニダ」
国王 「一同、どうニカ。農工衙門とすれば字句の上ではどうニカ。とにかく皆で協議するニダ」
井上 「それではそのようにされたらよろしいでしょう。私がこのような争いをするのも、こ
れは国政に関しては、このように君主の前でもはばからずに争うように議論することが大事だ
からであります。君主の怒りを恐れて、御前では体裁よく唯々諾々ということでは、臣下は君
主に対して不忠ということになります。これでは国政が進むということはない。私は、各大臣
が充分ご議論されて、時には争う議論を尽されることを望みたい」
ま、硬骨漢の魚允中だからこその反論と。また、むりやり承諾させた改革案でもないという
証と。
17. 軍国機務処の組織権限を改めること。
井上 「軍国機務処の組織を改定し、法令などは各衙門で立案するよう改定されたい。今のよ
うに機務処で法令を議決して、それを議政府や各衙門に執行させるような形では、機務所の権
限が政府を凌駕することになりかねない。これは国政の乱れの元となる。よって、各衙門で立
案したものを機務処で可否を諮詢し、そして機務処可否の議決を採用するかどうかの権は、各
衙門の大臣にあるとすればよろしいと思う」
国王 「日本の元老院のようにすればよいニダ。議政府よりも権限があるのはよくないニダ。こ
れも公使の言われることに従うニダ」
一同 「ニダーーー」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
/ ∽ |
しー-J
(続き)
18. 事務の必要に応じ、各衙門の事務に練熟した顧問官を聘用すること
井上 「この事について陛下の思し召しは」
国王は朴主事が渡した国政一覧表を何度も見た。
井上 「宮内府と各衙門の経費は、各衙門と議政府でこれを予算し、陛下の御裁可を経て確定
します。すでにご裁可された以上は、何人たりともこれを変更することは出来ません。各大臣
はご裁可された範囲内で一切の支弁を行うことになります」
国王 「聘用することとするニダ」
金総理 「以前すでに聘用のことはお定めになられていましたから、異議はございませんニダ
」
一同 「ニダーーー」
19. 留学生を日本に派遣すること
井上 「顧問官のことは一時のことであります。その間に、ぜひとも人材を養成して、以後は
顧問官を必要としないようになる準備をしておかねばなりません。これまで日本に留学した貴
国の学生も多いのですが、いずれも自分勝手に修業するので学んだことに偏った傾向がありま
す。それで、あらかじめ科目を定めて修業させるようにされたらよい」
国王 「この事は最も急務ニダ。ただちに派遣することとするニダ」
一同 「ニダーーー」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
明治9年の日朝条約締結後の会談で、日本側が朝鮮大臣たちに朝鮮国の富国強兵策を改めて勧
告して以来およそ20年。この間、様々な技術書などの贈呈、技術者派遣、また日本の近代施設
を見学させるなど、日本政府の一貫した朝鮮近代化支援の中に、この留学生のことも含まれて
いる。その最初は明治13年に花房公使が、朝鮮から人を選んで西洋なり日本なりに留学させて
人材を育成するようにと勧めたことに始まる。
井上 「私が言上するのは以上の19ヶ条であります。陛下はじめ各大臣にはこれらを御実行さ
れましょうか」
国王 「いずれもよろしいことニダ。世界の大勢がすでにこうなった以上は、ウリの国とても
改革を実行せねばならないことは当然のことニダ」
井上 「これを口にするのは簡単ですが、実行するとなると実に難しい。陛下がこれを実行あ
らせられるとするなら、非常なる困難に耐えるご勇気とご決心がいります。第一に、大院君や
李呵O氏など王室の方々、又外戚の方々とも、国政上のことは関係をお断ちになるご覚悟がい
ります。そのご決心がなければなりません。もし、井上が来て強いてこのようにせよと迫るの
で、ともかく行おう、などというようなことでは、とうていこの貴国独立を強固なものとする
大事業は成就しないでしょう。一時のご決心で着手して、弊害にさえぎられて途中でお止めに
なるなら、最初から着手しない方がよいと考えます。しかしもし陛下が必ず断行されるとのご
決心があれば、独立が強固なものとなるだけでなく、貴国の中興の大事業は成し遂げられるこ
とになるのは疑うまでもありません。陛下の思し召しはいかかでありましょうか。大臣方のご
意見は」
この時、国王背後の障子から王妃がしきりと国王に何かを耳打ちした。
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
国王 「およそ事を挙げんとするなら、事を執って直ちに行うべし。もし行われないときは、
ウリの国もそれまでニダ」
金総理 「行われない時はすなわち国がほろびるニダ。ぜひとも行うべきと存ず」
改革頓挫すれば亡国となると。まさにその通りになるんだが。
国王 「公使の言の委細を承知したニダ。これを行うについては困難もあろうニダ。しかしそれ
ほど心配するにおよばず」
井上 「このように私が言上することを一々ご採用あらせられるなら、なおここに一つ申し上
げたい。すなわち、独立の基礎を強固にするために内政改良を行い、清国との関係を絶つとの
国是のご変更を、父祖宗廟に誓われ、そしてまた、全国に宣布されることをもって、すなわち
要項の20ヵ条目とされたい。貴国官吏ですら国是のあるところを知る者なく、まして国民一般
に於いてはなおさらでありましょう。ぜひこのことをなされたい」
国王 「宗廟に誓うとは?」
金総理 「我が国にて宗廟に告げることです。このような大事にあたっては、我が国の古例に
よれば、宗廟に告げてから国中に布告されねばならないことですニダ」
国王 「それならそうすべし」
井上 「今ひとつは、去る7月23日に、陛下が大院君に下されたご委任状の件であります。そ
のままではご親政とはなりませんので、これのお取消しをお伝え下されることは特に必要と思
います」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
国王 「伝え下すでいいニカ?」
金総理 「大院君は位の尊いお方なので、伝え下すでは同君の面目に関わりましょうニダ。こ
のことは、公使が申されたことを大院君に申し上げられたら、同君よりご辞退されることとな
っておりますニダ」
李載冕 「すでに大院君もご承知のことですニダ」
金総理 「公使殿、とにかく、ご委任のことを解かれるようにすれば手続きは何でもよろしい
と思うニダが」
井上 「さようである」
国王 「それではそうすべし」
井上 「政治上のことで、王族また外戚の口出しを断たれて、この1か条1か条をご実行あらせ
られるは至難のことであります。よくよくご決心されるべきものであります。陛下がこの至難
の事業をご成就あらせられ、独立の基礎を強固なものとされれば、これはすなわち貴国中興の
大事業の成就であって、実に貴国のために非常なる幸福となるのみならず、我が皇帝陛下のご
叡慮も達せられ、駐在する本使においても面目の至りであります。どうかよくよくお考えなさ
れますよう願います」
国王 「世界の情勢がこのようである以上は実行すべきニダ。大臣たち。これの実行を命じるニダ」
一同 「ニダーーー」
井上 「それでは言上したものを漢文にして差し上げます。疑問の点などあればいつでも参内
をご下命ください」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
国王 「用があれば招くニダ。また公使にも用があるなら何時でも来るべし」
井上 「今日もまた長時間となりました。これにて退出します」
さて、以上のようにして井上の内政改革案勧告を、国王大臣たちともども、ほとんど議論らし
い議論もしないまま了承したのであるが、これがいかに大変な事業となるかがはたしてよく理
解が出来ていたかどうかは大いに疑問であってねえ。
井上も、これまでのことも含めて、その感触があまりよくなかったらしい。
かくて井上は陸奥外務に報告書を提出したその中で、
「この朝鮮の内政改革こそ非常なる難事である。数百年来の習慣となった悪弊の根幹を、一朝
一夕に改革することなど出来ないことは、元より当然の理なのではあるが、それにしても、内
政の改革に関して、官庁の職務権限や君主権などのことを説明したが、その文字の意味すらも
理解出来ていない。君主権といえば、ただ思うがままに人民の生命と財産を与奪するの権と誤
解し、このような専横な権力は制限するべきですと説けば、すぐに国会を開設して、諸事を諮っ
て人民の承諾を要することと誤解するなど、その愚かなること、実に予想外であった。心中ただ
自己あることを知り、国家がなにものであるかを知らない頑愚に向って、内政の改革などを説く
のは、あたかも小学校の児童に向って、政治談義をなすようなものである」
と述べた。痛烈である。
陸奥外務 「だから私などは最初から朝鮮内政改革など重く見ておらんのです。それに朝鮮の
ような国柄が、果して善く満足な改革をなしとげるかどうか疑ってます」
伊藤総理 「陸奥君のその個人の見解は理解できる。しかしもう始めてしもうたんじゃ。今更
あとにはひけまい」
陸奥外務 「井上さんにはご苦労をかけますが」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
伊藤総理 「いずれ顧問官なども派遣せねばなるまい。給与もこちらもちでなあ」
渡邊大蔵 「はあー。そのほかにも、朝鮮は旱魃のこともあって税金はまともに納まるまいか
ら、日本から政府予算の分は貸与せねばなるまい、とも言ってきておられますなあ。この大変
なときにー」
陸奥外務 「しかしやるなら徹底して改革を進めさせねばなりますまい。顧問官なども優秀な
者からどしどし送るべきです」
伊藤総理 「そうしよう」
かくて、法律顧問として石塚英蔵などが派遣されたのだが、日本法制局としても必要な人材だっ
たらしく、
末松長官 「石塚君早く返してよー! こちらが困るじゃん!」
杉村書記官 「法制局長官からこんなに言ってきてますが」
井上 「いかんいかん。今しばらくはいるんじゃ。そんなの無視しとけ」
末松長官 「もう!」
11月26日、井上は漢訳の改革案条項を持参して国王に内謁見した。
(つづく)
>>銀河電鉄今井氏
遅くなりました。いつもご支援感謝です。
乙です。昔の人は認識がリアルだねえ。
うお、確かにこんな時間に珍しいニダだわ。
しかし、それをも見逃さずに、毎回しっかり
フムフムしてる銀河電鉄二ムも凄いニダ
>>559 毎回ではないニダが、ウリにとっては最重要スレッド。
中の人も今井氏も乙です。なんか感動したニダ。
これからも頑張って下され。
今の害有省の椰子ら一人一人に纏めた物でも
渡してやりたいねえ
外交とはどんなものか 下手な外交史よりも余程役に立つw
おお、意表を突かれてしまったw、そんな時間にとは。orz
次回楽しみにしております。
564 :
マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 08:45:57 ID:ctjl7rbE
保守上げ
565 :
マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 17:49:44 ID:B3kXrnU8
朝鮮人は日本に感謝すべきだよね
差別書き込み!気色悪いなぁ。こんなの書いてる奴らって、
よっぽど暇で、人に愛されてなくて、孤独で、自分の精神状態が安定して
ないんだろうなぁ。
何が具体的に差別なんだろう?
568 :
マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 21:52:29 ID:KJM3SZ8t
併合前の日朝(続き)
井上 「先日から長時間の奏上をしました。陛下にもお疲れになられましたでしょう」
国王 「いや、朕は有益な談話を好むニダ。疲れなかったニダ。公使の労を感謝するニダ」
井上 「宮内大臣を除いてお人払いを願います」
国王 「内官らは退出するニダよ」
井上 「さて、まだ職務権限を決めていませんから、くれぐれも大臣らをお責めになりません
ように。たとえば法律制度なども1、2ヵ月で出来るものではありません。法律というものは国
の風俗習慣に適合するものでなければなりません。まずは西洋の法律を参考にして、国の民度
に合った法律にする必要があります。また法律が出来てからも、実施してみれば適当でないと
ころがあることも分かりましょう。そこで逐次に修正しながら年度を経ればやがて完全なもの
となりましょう」
国王 「ニダ。卿が言われる通りニダ。そうした方が時勢に合うことになるだろうニダ」
井上 「先日も申しましたように、陛下の親政とはすなわち大臣一同が会して日程を定めるな
どして国政を諮詢され、また上奏するものであって、従来のように国王と大臣の間に内官を置
いて一々取り次ぐようなものではなりません。今日はここに来る途中で勤政殿との額を掲げた
建物を見ましたが、この堂はかつては国王と臣僚が会して政務を執られた所と想像しますが、
いかがでしょうか」
(続き)
国王 「ウリの国も昔の2代国王時代には、国王自らが堂に出て大臣らと国政を議したものニダ。
しかしこの例はいつしか廃されて、今はその跡さえとどめてないニダ。それで、朕はここにこ
れを復活させ、大臣らを召集し、椅子を与えて互いに膝を交えて国政を談ずることに定めるニダ。
勤政殿は君臣が会して元旦や冬至などの時に百官の参賀を受ける所で、国政のことではないニダ」
ここで井上は改革要綱の漢訳文を提出して言った。
井上 「意味のよく分かられないところなど、質問が必要なところはいつでもご下問されたい。
先日も申したように、これを実行することは善いことでありますが、言うはやすく行うのは難し
いものです。これからどれほどの困難にあおうとも、不撓不抜の精神で大難を克服せねばなりま
せん。もし途中で阻喪するならばこれほど弊害となるものも他になく、むしろこの事業は最初か
らしない方がよろしいでしょう。すなわち祖先の神霊を欺き、国民の信を失い、また陛下自らも
その心を欺き、ひいては私をも欺かれるに至りましょう」
果してこの難事業に取り組む意志があるのか、という重ね重ねの確認である。そして改革が出
来なかった場合のことを次のように警告した。
井上 「もしそうなれば、私もやむを得ず失意のうちに日本に帰り、そのことを皇帝陛下に報
告するだけであります。おそらく我が政府の方針も一変して、日本は朝鮮に対してもはや厚意
を尽す手段もなくなったとして、全く反対の行動に出るような結果となるかもしれません。ま
た貴国内も内乱民乱頻発して、ついに外患をも誘発して収拾できない事態に至りましょう。よ
くよく考えねばなりません。実に不遜なことを申していますが、私の率直な性格上、あらかじ
め陛下の猛省と再考を求めるゆえんであります」
早い話が、もし改革を始めて途中で止めるならば朝鮮は亡国の道を歩むことになるぞ、と。
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(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
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と__)__) +
(続き)
国王 「このさい、もし朕の政府大臣も大奮発して断然この内政改良をしない時には、国家の
前途がどうなるかも知られないことニダ。また今日このままであっても、国として立たないこ
とであるニダ。朕はすでに決意したニダ。どれほどの困難があろうとも前進することを覚悟して
いるニダ。朕は卿の奏上を聞いて、大いに貴政府の厚意を感ずるニダ。同時に後悔しているニダ。
なぜに早くから改良に取り組まなかったかと」
だいたいこれまでの国王の言を見ていくと、この人は考えとしてはまともな方であるという感
じ。ただその性格の弱さから、王妃閔族に牛耳られ、内官らに振り回されと、周囲の意見に左
右され過ぎたという印象。ま、最後までそうだったのだが。
国王 「せめて壬午(明治15年)から、上下一致して国政の改良に熱心に取り組んでいたなら、
今日には多少の進歩となって貴国の賞賛を受けていたろうニダ。実に嘆息の至りニダ」
井上 「日本軍は今月21日に旅順口を攻撃し翌日には占領しました。敵の弾薬大砲無数のもの
が我が手に落ちました。旅順口の要塞は西洋式の堅固なものでしたが、わずか2日で陥落した
のです。貴国の人はじめヨーロッパ人も思っていたことでしょう。この広大で大人口の清国に
対して、とうてい日本のような小国が勝つはずもないと。旅順の事を聞いて、北京政府は大い
に驚愕し、遷都のことも議論されていると聞きます。我が国の皆が思っていました。いずれ貴
国のことで一度は清国とは干戈を交える日が来るだろうと。私もそうです。この十数年間とい
うもの、兵備に怠りなく今日に至ったのも、けっして偶然ではありません。特に今年、我が皇
帝陛下には帝室費から30万円を割与して軍艦製作費に加えられましたことなども同様のもので
す」
日本が日清戦を想定し始めたのはとりわけ明治17年以降である。ただし朝鮮が自治自衛できる
だけの力を養ってきておれば、この戦争は起き得なかったのだが。
(続き)
井上 「貴国は清国を崇拝し、隷属することすら甘んじてきました。しかしもう清国は頼むべ
くもない境遇となりました。だとすれば、清国のことはもう断念するしかないでしょう。どう
か眼を東洋全体にそそぎ、そして自ら進んで自家独立の基礎を強固なものとする政策を講じね
ばなりません。我が日本は貴国に対して常に無限の厚意を表してきました。貴国もまた我が国
を信頼されて、内政を整頓されることが得策と考えます」
国王 「旅順口の勝利を聞くは朕もはなはだ爽快ニダ」
井上 「陛下が快く思われるならば、下々の者もまたそうでしょう。君子の徳は風であります。
小人の徳は草であります。風が吹くなら必ず草はなびきます。国政改良のことも、率先して
王宮内の虚礼や悪習を改革し、もって下流もまた清澄となることを図らねばなりません」
その後、井上は再び大院君の立場、また王妃の立場を述べ、政治に口出しするなどのことなく、
もって王宮内の事情を清廉潔白なものとし、下の者の模範とならねばならないと説いた。
この時、急に世子が眩暈がすると言って立ち上がり、奥に入ろうとして昏倒しかかった。井上
はあわてて駆け寄って体を支え、
井上 「宮内大臣殿! 宮内大臣殿!」
李宮内 「ニ、ニダー!!」
宮内大臣李載冕は、世子を抱きかかえて内殿に入った。
+ +
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( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
575 :
銅川銀通古君:2010/06/27(日) 22:10:32 ID:Zw27+AyO
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
井上はそれを見送りながら、
井上 「陛下と臣との間柄というものは、互いに愛情というものがなくしては成り立ちません。
君権が過ぎて、誰もこれに逆らうことが許されず、そして事の善悪関係なく、大臣らも唯々諾々
と命令を聞くだけというようなことであっては、国政上の弊害は免れられません。世に名君と
いい、忠臣というは、君子は善く廷臣の諫言を容れ、廷臣はまた諫言を憚らないことを言うの
です。これと反対に、君子が己の意にならない者を排斥し、こびへつらう者だけを親愛するよ
うでは、亡国となるのを免れられません。君臣の義というものは愛情から来ねばなりません。
この愛情というものはまた、君臣の間が密接したものでなければ生じようがありません。私は
望みます。陛下がよく臣下の諫言を容れられ、臣下と互いに親愛され、上下和睦し、もって内
政改良の道を歩まれることを」
内官も大臣もいない場での、国王と王妃に対するものであり、井上の誠意あふれる言葉であった。
国王 「卿が言われるように、君臣の情というものはそうでなければならんニダ。朕もまたこ
こに意を注いで、大小の事をはかるニダ」
井上 「なお、日本と欧州各国にあける、皇后王妃また王族のしていること、その姿に関して
詳細を申し述べたいのですが、本日は日暮れとなり、世子にも御不快の様子なので、他日また
謁見した日にお譲りします」
国王 「朕、この20ヵ条の漢文を熟覧し、もし不明瞭なことがあるなら次回の謁見の時にで質
問するニダ」
井上はこれにて退出した。
で、翌日27日。
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
/ ∽ |
しー-J
(続き)
井上は杉村書記官を議政府に派遣した。
井上 「では杉村君。くれぐれも、金総理らとよく協議して、国王から大臣召集があった日に
私が参加した上で、大臣協弁などの人事異動を任命するようにと言って来てくれたまえ」
杉村 「分かりました。今までのような国王専断の人事をやめて、政府合議したものを奏上し
て裁可を頂くということですね」
井上 「うん。度支協弁や工務などのこともよく協議して決めねばならんから」
ところがその後、公使館に情報が入った。国王が新たに度支協弁、法務協弁、工務協弁、内務
協弁、農商協弁を任命した、という話である。
井上 「ん? 杉村君。度支協弁のことはともかく、他の4人の任命の話は金総理らは知ってた
のかね」
杉村 「いえ、そんなふうではなかったです。閣下が顧問官として居られる場において、人事
のことは政府内で協議するということは、皆が承知していることでしたから」
井上 「う〜ん。まさかとは思うが。ただの噂話かもしれんが、金総理のところに言って確か
めてくれんか」
井上はただちに手配して調査を始めた。すると、どうやら噂ではなく事実のようであった。
金総理 「それは寝耳に水ニダ! ほかの大臣らも聞いてはいないニダよ。さっそく参内して大
君主にお尋ねするニダ」
杉村 「ということでした、金総理は」
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
井上 「いろいろ調べたが、どうやら大院君が政事に参与するのを辞退したから、閔党が王妃
によって権力を取り戻そうとして、前の兵曹判書(軍大臣)閔泳韶が、まず大院君がほんとに
横槍を入れないかどうか様子を見るために王妃に勧めたらしい」
杉村 「はあーっ orz しかし懲りない連中ですなあ」
井上 「しかし国王はあれだけはっきりと専断の人事はしないと俺に約束したのにのう」
杉村 「いや朝鮮の人が約束するなどという、そんな言葉すら朝鮮語にはないですよ」
井上 「ないんかい!」
杉村 「漢字にしても字句の意味が通じないところがたくさんあるんですよねえ」
井上 「う〜む」
だんだんと井上の表情が険しいものになってきた。
翌28日、それでも、まさかと思っていた井上の一遍の望みは、朝鮮政府の官報によって粉々に
砕け散ってしまった。正式の任官発表であった。
井上 「!!・・・・馬鹿めっっっ!!!」
ついに井上の癇癪が爆発。
井上はすぐに金総理宛の書簡を書き、
井上「官報で任命のことを読んで、本使は甚だ驚いた。前に大君主に謁見した時に、本使を顧
問官と見て諮詢し、そして政治をするとのことであった。しかし本使はこれらの任命のことは
何も聞いていない。どうしてこうなったのか。国王に奏問した上で返答ありたい。もし返答が
ないか、遅れでもしたなら、その時は前に提出した改革要綱を取り消すだろう」
と。
∧,,∧
( `・ω・) フムフム・・・
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しー-J
(続き)
言葉は激しくなかったが、改革要綱を取り消すという言葉がただならない意味を示している。
その結果どうなるか。
翌29日、その意味が理解できる金総理は、
金総理 「任命のことは奏問はまだだが、政府ではこれらの協弁の出仕を不許可としたニダ」
と返答。午後には、金総理、金外務、魚度支3人で謝罪しに公使館を訪れた。
金総理 「われら3人、国王の意を奉じて井上卿におわびに来たニダ」
しかし井上はこれを拒絶。
それに、出仕を不許可としたとは、これはこれで国王の任命を無視した大臣たちの越権であって、
井上 「何も分っとらん馬鹿者どもが・・・」
30日、井上は杉村を議政府に派し、大臣らはこの問題をどう処置するのかを問わせた。国王は
ようやく事の重大さを知り、3大臣に「ウリの意を奉じて謝罪に行くしかないニダ」と再び公使
館に向わせた。
しかし井上は再び拒否。
その後、宮内大臣から、国王が12月1日に内謁見を望んでいるとの通知があった。
それに対し井上は、睨むような表情で黙って頷いた。このままでは国王に面と向って雷を落と
しかねないと、杉村書記官は内心ハラハラしながら、参内する旨の返答を王宮に送った。
12月1日午後1時、井上は参内した。列席は、金宏集総理、金允植外務、朴定陽内務、魚允中度
支の4大臣のみ。
(つづく)
>>ワクワクテカテカ氏 フムフム・・・氏、いつもご支援感謝です。
井上君、気持ちはよく分かる。
584 :
マンセー名無しさん:2010/06/28(月) 02:15:12 ID:sQ+pO6Yw
韓国への支配権って桂・タフト協定で対外的に認められてんだろ
585 :
マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:36:06 ID:YeSoeUN3
併合前の日朝(続き)
この時の謁見の記録では、時候の挨拶もなく、いきなり井上がこう切り出している。
井上 「官報で見たが、官吏の任免については政府組織整わない前には軽々しく行わないこと
を先日も奏上して御同意を得、総理大臣にもよく勧告していたはず。それにもかかわらず、こ
のような更迭を見るのは甚だ奇怪である。大君主には最早私を信用されないようであるから、
勧告も水泡に帰した。このようなことなら貴国の将来は望みはないと断念した。当国の情況を
察っすれば改革のことも挫折するのは明らかである。ついては先日に漢訳文を呈した20ヵ条は
廃案となったので私にお返しされたい」
改革は断念したので案文を返せというのである。
国王 「各衙門に欠員があってはならんと思って、4人は学識もあって評判もよかったから、
総理大臣の同意もあったので命じたニダ。朕が専断したのではないニダ。公使がだめと言うのな
ら止めるニダよ」
しかし欠員していたのは暗殺された金鶴羽の法務協弁のみであって、残りは移動人事であった。
それに金総理は何の相談も受けていなかった。この国では国王もまた平然と嘘をつく。
国王 「改革案のことは朕はこれを国家のために断然実施するニダ。だから撤回しないよう望
むニダ」
(続き)
井上 「今はまだ簡単に人事更迭しないように注意していたはずである。私は着任以来、当国
の内部に関して聞くところというものは、事毎に不愉快なものが多過ぎる。表では内政改革を
断行すると言いながら裏では妨害があり、終に途中で挫折するのは眼に見えている。いろんな
陰険手段はどれほど陛下が決心されようとも、巧みに陛下を動かすだろうことはもう私が信じ
て疑わないことである。貴国の内政改革のことは終に無効に帰した。これまでのことも考慮し、
弊害か多いこともよくよく考えて、充分に将来を考察した上で申し上げている。どうして軽挙
にも断念の語を吐こうか。陛下にはこれを諒されよ」
国王 「王妃が内政に干与するようなことは今後は決してないニダ。必ず政府大臣と審議するニ
ダ。また卿が勧める20ヵ条は断じて実行するニダよ!」
うっかり口を滑らしてしまったのか、やはり王妃の干渉によるものだったことを自分でばら
してしまったw
井上 「陛下には反省されよ! 言うは易く行うは難しである。言って行わず、行って達しな
いなら、最初からしない方がよい! いかに陛下が改革を断行すると仰せられても、では明治
15年の時はどうであったか。明治17年の時はどうであったか。また本年7月23日はどうであっ
たか。その時にはそれなりに陛下の御決心はあったであろう。しかし事実は果してどうだった
か。まったく改革はできなかったのではないか。私が聞くところによれば、貴国が崇拝する清
国の使臣である袁世凱がこの国に居る時、内政について時々勧告し、李鴻章もまた袁氏から忠
告させたことがある。しかし陛下はこれを容れないだけでなく、これを嫌い、密かに人を北京
に送って北京政府の有力なる親王に賄賂を贈り、袁氏を帰国させようと企てるなど、実に卑劣
の手段に出たことがあると。李鴻章の威権をもってしても忠告は容れられず、袁世凱は終に貴
国のことはどうすることも出来ないと匙を投げて嘆息したと聞く」
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
(続き)
明治15年事変は、腐敗した軍に不満を持った兵士を大院君がそそのかして乱となったものであ
り、これを期に独立の実を挙げんと図ったはずであった。まあそこから17年の朴金のクーデタ
ーになったのだが、その失敗は国王の変節によるところが大きい。7月23日の閔政権崩壊も改
革のチャンスであったが、結局は大院君がのさばっただけであった。
全て国王の優柔不断さがもたらしたものであると言える。
井上 「貴国の内政改革はこのように難しい。私の苦心も水泡に帰すことになって遂には私が
世間の笑いものになろう。我が皇帝陛下に対してもまことに恐れ多いことであって、もし私が
貴国の改革に従事し始めたなら、その責任は免れられない。むしろ今これを断念した方が私も
よいのである。ゆえに提出した20ヵ条は返されたい。もし陛下がそれでも改革を必要とするな
ら陛下自らが着手されればよいのである。そもそも民の父母である君主が一国の民生の疾苦を
救うのは当然の職務であって。しかし私は関係ないので20ヵ条の還付を求める。もし陛下が前
々から内政改革をしたかったとしたら、私が勧める前にすでに着手されていたろう。しかし何
もなされず今日に至っているので、陛下の意は内政改革ではないことを知られる。しかし改革
のことは私が言い出したことによって初歩を踏んだが、20ヵ条を基本として採用して施行しよ
うとするようなことは、私にとっては甚だ迷惑である。このことはお断りしたい」
国王 「貴国とは隣国の友好を厚くしてきたニダ。貴国の元勲である卿がウリの国に来ると聞
いて朕は深く信じたニダ。必ず卿がウリの国のために力を尽されると。ウリの国の上下の者は
襟を正して卿がされることを待ち望んでいるニダよ。それを今まったく断念されるとするなら
、大いにウリの国の人の希望と反するものニダ。意を転じてウリの国のために尽くすことを朕
は卿に強いて求めたいニダ」
紫煙
(続き)
そもそも朝鮮人が上下あげて望んでいるのなら、さっさと自主的に改革すればよいのであって
ねえ。
井上 「私が貴国内政のことは成功しないと思って断念するに至ったのは一朝一夕の考えから
ではない。いろいろと熟慮した結果であるから、今更意を翻すことはできない。ものには表裏
がある。陛下が断行されようとしても、裏ではそれを求めずに妨害があるのは火を見るより明
らかである。よって今から私は顧問官としての内政事務には関与はしない。陛下には、中宮な
り、大院君なり、その他何人なりと結託して勝手に国政を議されたらよい。また閔氏は東学党
なり何なりと共謀して権力を回復するもよいだろう。私はその代わり、貴政府の要請に応じて
出した東学党討伐の兵も引き揚げ、一兵たりとも貴国のために尽力することを停止する。もっ
とも、東学党のために殺害され利益を害された我が国の人もいるので、私は当然の職務として
貴政府とどこまでも談判せねばならない。もし貴政府がこれに応じなかったら、我が兵力をもっ
て罪を問う手段に遠慮はしない。まったく今からは貴国に対する誠意も投げ捨てるほかはない。
そこんところをあらかじめ承知しておかれたい」
だいたい最初からこのようにしてた方がよかったのかもw
それにしても、後ろの障子の影で聞く閔妃にとっては痛烈な言葉であったろう。なお、閔族が
東学党と共闘しようと画策しているとの情報も井上は得ていた。
国王 「今、日本は進出して東洋の盟主となっているニダ。ウリの国もまた頼むところは貴国
にあるニダ。それなのに卿の言はどうしてそんなに無常ニカ どうか考え直して朕の望みにそっ
てほしいニダ。古昔から言うニダ。唇のない歯は寒いと。貴我両国はその地勢からも唇と歯のよ
うに深い関係があるものニダ。ウリの国の興亡は実に貴国の利害にも関係してくるニダ。まして
東洋で国をなすものは僅かニダ。ウリの国の存立が危ういならば東洋に影響するニダ。だから東
洋のためにも貴国が奮発してウリの国を強固たる独立の地位にせねばならんニダよ。考えなお
してほしいニダ」
紫煙
(続き)
井上 「時には唇が滅びる時節が来ることを知っておかねばならない。貴国の衰退は、結局は
自らが招いたものであって、他からの忠告をいれない結果であるから、他を怨むのは筋違いで
ある。もちろん私が貴国の独立にどれぐらい熱心だったかは一朝一夕のことではない。しかし
この厚意は貴国に用いられず、むしろ貴国の内情は、これを嫌う傾向にある。たとえば貴国の
人は言うに違いない。今は井上が公使として内政改革を強要していると。これに従わないなら、
どのような手段に出られるか分からないから、しばらくは言うことを聞いておこうと。これが
貴国の内情である。一時は勧告を採用しても、すぐに昔の習慣に戻り、その悪弊が本性を顕す
のは確実である。これはつまりは国の病気であって、その病原をあげれば、どれほどあるか、
まさに数知れないものである。それを一々言う必要も今はないので、ここでは省略する。もし
私がそのようにいろいろと弊害を知っていると言うなら、陛下には思うだろう。誰か政府大臣
の中で井上に密告する者がいるのだろうと。また、今の大臣たちは日本党だからだろう、とか、
いろいろと疑惑も生じよう。しかし、私は大臣相手に病原を探ることはしない。いや、大臣た
ちのような、私が胸襟を開いて貴国の内政を談じているにもかかわらず、どうかすれば国辱な
どという狭い考えから事実を覆い隠し、また言い訳をする。それで一つも事実を私に明かさない。
それで大臣からは知られないことが分った。しかし私は他に手段もあるので、どれほど覆い隠
しても無駄である。また、それが出来る私であるから我が皇帝陛下は私を派遣されたのである。
私が着任以来というもの、宮中に大小の弊害があることはもちろん、政治上どれほどか妨害と
なる事柄があるかを知っている。まあこのように申すなら、私を嫌悪する念がいよいよ増し、
ついには暗殺手段に出るやもしれない。しかし私はそんなことに恐れを抱いて主義を曲げる者
ではない。ただ言っておく。万一、私に危害を加える日があれば、朝鮮が亡国となる日であることを
記憶しておかれたい」
この時、金総理大臣が国王に耳打ちした。
紫煙
(続き)
国王 「と、とにかく王妃が内政に干渉することは今まではとにかく、今後は決してないニダ。
朕は誓って明言するニダ。また20ヵ条は明日から大臣に実行するよう命じるニダ。内政のことも
すぐに議するニダ。卿もこれを了解してウリの国の助けをされるよう希望するニダ」
おそらく金宏集は王妃のことをもっとはっきり言うように言ったと思われw
井上 「陛下が何度繰り返されても私は断じて貴国の改革は成功しないと信じた以上この決心
は動かない。それに私が信じないことをさせて途中で挫折したとあっては、個人としての私は
ともかく、日本政府を代表する公使の面目に関わる。私は貴国の内政改革に従事するような愚
を学ぶ人間ではない」
国王 「朕がいかに不徳であるにせよ、大臣たちもこの席にいる。内政改革に決心した以上、
卿にも少しは意を曲げて信用してはどうニカ。なにとぞ再考を望むニダ」
不徳なんてぇものどころじゃあ、ありゃせんぜよ。
井上 「さて、以上述べたように、どうにも私の決心は変わらない。20ヵ条の返還を強いて求
めるほかはない。もっとも、いったんは差し上げたものなので、あえて戻される必要はない。
御採用がないないら強いては求めない。その代わり、20ヵ条を採用されないで頂きたい。なお
再考しても決心は変わらない。一度決心したものは容易に変更できない性格である。この席に
いる魚允中氏はたいへん強情な人であるが、おそらく私の強情には及ぶまい。この通り直言し
て憚らない人間である。それにしても、実に貴国の内部の腐敗は昨日今日始まったものではな
い。病根を直そうとすれば、一方の病気を刺激して却て命を縮める。切断しようとすれば痛み
にたえられず、途中で止めれば死を早める。むしろ自然に任せて、その病のために衰弱死する
方がよい。とにかく今日は他に奏上することもないので、これで失礼したい」
紫煙
(続き)
国王 「そ、それでは困るニダ。せっかく今日は公使を招いていろいろと有意義な話を聞くつ
もりだったニダ。なにとぞ他のことも話すことを切に望むニダ」
ここでようやく金総理が口を開いた。
金総理 「我が大君主には恐れ多くも誓って中宮殿が内政に干渉されないと明言されたニダ。
また内政改革のことも臣に速やかに着手すべしの命令があったニダ。公使にもご承諾あって我
が陛下を助けて大業を成就されたいニダ。日暮れにもまだ時間があるので、ゆるゆるとご退出
あってしかるべきニダ」
井上 「貴殿はじめ各大臣も反省されよ! 私がここまで決心するのは、いわれがないとは言
えまい! 各大臣も内心では改革は成就すると確言できまい。いやむしろ無効となるだろうと
認めていると推測する。だったら陛下の御前だからとて、何でこうも追従するような軽率の行
動をするのか」
金総理 「ウリは昨日も閣下に御面談した時に述べたように、父母に病あれば、どうして医薬
をほどこさない理があろうニカ。たとえウリの身を裂いて血を流すことになろうとも、ウリはあ
えてこれを辞さないニダ。閣下にもどうかウリたちの孤独を憐れみ、ここに一片の力を貸され、
この大局を乗り越えるようご尽力されることを望むニダ」
井上 「諸君は朝鮮の臣であるからそうであろう。しかし私は外部の人間である。外部の者が
どうすることも出来ないことは諸君も容易に分かるはずである。この難局にどのような打開策
があるかと言えば、今までの経験からしても、まず無理である。特にこの国の慣例としてある
君臣の厳格な虚礼というものはどうしようもない。何事も君主の命令とさえ言えば、ただその
命に従うだけで、事の是非善悪を判断することがない。ただ唯々諾々とすることを臣下の勤め
としている。このようなことならば、まず内政改革を見ることは出来ないことは明らかである。
よって私の決心は変わらない」
(続き)
国王 「ウリの曽祖である定祖大王の時代には、大臣から小官にいたるまで、君主の非行や失
政への諫言は聞き入れたものニダ。いつかこのような風はなくなって遂に今日のようなありさ
まとなったニダ。朕はここに旧習慣を一新して、つとめて大臣たちの諫言をいれるニダ。卿には
これを承知されるニダ」
井上 「私はもう何も奏上することはないので、これで失礼したい」
国王 「それならば強いて止められないことニダ。ただもう一度熟考するを望むニダ」
井上 「再考せよとあれば再考いたす。しかし他に道はないと私は信じている」
国王 「強いて再考を望むニダ。ぜひとも思慮を求めたいニダ。それでなければ朕は甚だ遺憾ニタ
゙」
これにより井上は帰館した。まさに朝鮮国王王妃大臣たちへの大喝であった。
(つづく)
>>マーキュリー号氏、紫煙氏、いつもご支援感謝です。
●-、
r´ - ●
` =='\ 乙でした。
| ヽ そのまま、関わらなきゃどんな歴史を刻んだのだろうか・・・orz
UUてノ
中の人いつも乙です。
>この国では国王もまた平然と嘘をつく
今に至るまで連綿と続く伝統のお家芸ニダが、
御上から下々まで国中例外なく受け継いでるって、
ある意味たいしたもんニダねー。
600 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:26:45 ID:Hu/ZnS4P
訂正
>>590 の国王の弁「無常」→「無情」
>>596 の井上の弁「行動」→「言動」
併合前の日朝(続き)
翌12月2日、金允植外部大臣が公使館に飛んできた。
金外部 「公使殿ー!! 王命によって来たニダー! なにとぞ内政改革のことをーー!」
井上は会おうともしなかった。
金外部 「アイゴー!」
翌3日、今度は金総理が王命を奉じて公使館に来た。しかし井上はこれもまったく取り合わな
い。それどころか次のような書簡を2人宛に出した。
井上 「本使は繰り返し考えたが、やはり決心をひるがえすことは出来ない。陛下が改革に熱
心でも、その背後から阻害する者があって決して成就しないだろう。もはや本使は断念した。
それで改革綱領を返還されたい。それから貴政府から委託された東学党討伐のこともお断りす
る。そのうち兵を順次引き揚げていく。で、貴両大臣にはそのことを了解されたい」
その「背後から阻害する者」と。国王背後の障子のかげにいる王妃のことであるのは言うまで
もないw
で、今度は頑固者の魚度支が公使館に赴き、趙義淵軍務大臣代理も公使館の門を叩いて公使と
の面会を求めたが、無駄であった。
国王はじめ大臣たちは頭を抱えた。