化学弾頭が脅威 北の元幹部証言
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2009/20090601090745.asp 北朝鮮の2回目の核実験に伴い、核弾頭搭載の弾道ミサイル保有の可能性が注目されているが、
北朝鮮情報機関元幹部の権革(グォン・ヒョク)氏は東奥日報社のインタビューに対し「北朝鮮が
核ミサイルを持っていたとしても、それは対外的な脅し用にすぎず、使ったら現体制が滅ぶことを
指導部の多くは知っている」と指摘。核は実質的に「使えない最終兵器」であるとの認識を、北朝鮮
政権内部が持っているとの見方を示した。権氏は日本にとってより深刻な問題として、「貧者の
核兵器」と呼ばれる化学兵器の存在を挙げ、「神経性ガスなど化学弾頭を搭載した中距離弾道
ミサイル『ノドン』が憂慮すべき当面の脅威」と答えた。
権氏が亡命前まで所属した国家安全保衛部や朝鮮労働党内部からの最新情報だという。権氏に
よると、北朝鮮指導部が核を「使えない兵器」ととらえている最大の理由は、米国の核の傘の存在。
「核ミサイルで日本を攻撃した場合、米国がさらに大量の核兵器で報復してくることは自明の理で、
それが国家的な自殺行為であることを幹部たちは十分わかっている」とした。
「ただし、北朝鮮がよほど追いつめられたら別」と権氏。「4月から続けて行っているミサイル
発射と核実験は国威発揚の一種で、金体制の維持が最大の目的。だからこそ、金正日から息子への
政権交代がうまくいかないなど、現体制が滅びそうな状況に陥れば、なりふり構わず核を使用する
こともあるかもしれない」と続けた。
また、化学兵器の脅威については「世界は北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したかどうかに注目
しているが、日本が最も注意を払うべきは、神経性ガスのサリンなど化学兵器。人民武力部の
核化学防衛局が中心になって1960年代から開発を進めている。10年前の時点では(大気圏突入時
などの)熱対策が不十分で、弾頭化に成功していなかったが、現在では解決していると聞く」と話す。