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ところがこの「慰安婦博物館」をめぐって、他の反日民族団体との間で紛争が起きている。
「挺対協」など建設推進グループが、博物館の敷地をソウル市が管理する「西大門独立公園」に
決めたことに対し、「光復会」や「殉国先烈遺族会」などいわゆる抗日独立運動関係団体が猛烈に
反対しているのだ。
「西大門独立公園」というのはソウルの中心部にある。
昔、西大門刑務所があったところで、日本支配時代、この刑務所で多くの独立運動家が犠牲になった
として、今や独立運動記念施設の"名所"の一つになっている。
「慰安婦博物館」は3階建てで敷地は約1230平方メートル。民族団体の反対理由は
「独立運動家を顕彰する記念公園に慰安婦博物館はおかしい。性格が違うではないか」ということだ。
彼らは「慰安婦博物館」そのものには反対していない。
「慰安婦がなぜ独立運動家と一緒なんだ?」「建てるのなら別の場所にしてほしい」というのだ。
この対立は、韓国における日本支配時代をめぐる歴史認識の問題として興味深い。
つまりこれは「挺対協」など慰安婦関係の反日グループが、慰安婦問題を世論にアピールするため、
彼女らを無理やり(?)日本軍との対立関係に位置付け、その結果、彼女らがまるで抗日独立運動家
であったかのようなイメージを作りあげてきた結果というわけだ。
元慰安婦のなかには、彼女らを支援する反日活動家たちの影響で、
自らの過去を独立運動に関連させて物語る例まである。これに対し民族団体側には
「日本軍の従軍慰安婦は基本的には日帝協力者だった」とする見解も存在する。
時代の流れから「女性の人権」という名分には誰も反対できない。慰安婦支援団体はこの大義名分を
振りかざし、慰安婦問題を「抗日独立運動」の領域にまで格上げしようとした。
しかし今回の対立で、慰安婦問題をめぐる彼らの"無理(歴史歪曲?)"がはからずも表面化したかたちだ。
(産経新聞ソウル支局長)
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090106-01-0401.html