■ハングル板の本棚■第15書架

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>>335
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 冬休みに入ったので、購入の上、改めて読み返しました。

 全体を通して、小倉先生の主張の裏付けとなるデータや証拠が殆ど全く提示され無いの
が気に掛かります。
 一般向けの解説書とはいえ、ある集団の傾向を言う時には、その根拠となる統計的デー
タを出す……ぐらいはして欲しい物です。
 ハン板や東アジア+の住人であれば、ソースを頭に思い浮かべつつ「ああ、なるほど」
と思える箇所も多いので、残念な事です。
 まあ、先生は元々哲学系の方なので、定量的に検証するとか、具体的な根拠を提示して
論証すると言うのが苦手なのかもしれませんが(←哲学者に対する偏見があります)。

 で、先生の主張を要約すると次の通りとなります。

1)日本を除く東アジアは『性善説』を文化的基盤としている。
2)東アジアとは当座、チャイナ、朝鮮半島、ヴェトナム、日本としておく。
3)この『性善説』が日本に無い為、日本は東アジアを理解出来ず、東アジアは日本を理
 解出来ない。
4)この様な状況で「東アジア共同体」を作るのは非常に危険。むしろ、互いの違いを前
 提とした「東アジア共異体」を作るべき。
5)そしてその共異体の中心には、韓国がなるべきである。

 と言う物です。
361:2008/12/29(月) 01:03:00 ID:MMQwwV++

 五番目については、まあ、韓国をこよなく愛する先生のお立場を考えれば、こんな物か
なと流す事が可能です。
 しかし、四番目については、全く持って納得が出来ないし理解不可能です。この点に関
して先生は、わざわざ一節を設けていらっしゃいます(「東アジアをなぜつくるのか?」p156)が、全然理由になっていません。
 「終わりに」でも、

『本書の結論は、日中韓はひとつになれない。だからこそ違いを認め合っていかなる「ま
とまり」をつくることができるのか、日中間で真剣に話し合おうではないか、というもの
である。
 「ひとつになれないから中韓とは決別する(右派の立場)」というのではなく、ひとつ
になれないからこそ駐韓にコミットしなければならないのである。
 「中韓にコミットするのは日中韓がひとつになるため(左派の立場)」なのではなく、
いくらコミットしても日中韓がひとつになることは不可能だからこそ、ますます必死にな
ってコミットすべきなのである」(p194)

 とありますが、全く持って仰る事が分かりません。

 何か哲学的で深遠でアウフヘーベン的な何かがあるのかもしれませんが、僕如きの理解
力では把握が出来ませんでした。
362マンセー名無しさん:2008/12/29(月) 08:47:01 ID:ukGI12zP
>>360-361
書きこみ有難うございます。

> 1)日本を除く東アジアは『性善説』を文化的基盤としている。
> 2)東アジアとは当座、チャイナ、朝鮮半島、ヴェトナム、日本としておく。

この部分だけでも違和感ありまくりなんですがw

中国とか朝鮮半島の人たちというのは伝統的に「自分の親族しか信用しない」みたいです
し、昔は権力闘争に敗れると一族皆殺しになったりしたようですが、そういうことを考えます
と「性善説を文化的基盤としている」なんて言われても、とても納得することができませんよ
ね。
363OrcishSerjeant:2008/12/29(月) 17:05:15 ID:90fv8vgp
>>362 とりあえず、最初の方を読んでみたのだが貴方や>>360-361
何が伝わってないかが解った。
日本語でいう『性善説』というのは他人も善良であると推測するが
特定アジア(ベトナムは知らないので除外)は自分を絶対善とし
他社にそれを強要することなのだ
勿論特定アジアの善とは自分の利益のことだな
この違いがあることを著者が冒頭説明出来てないのは
著者の力不足と漏れは思った
364:2008/12/29(月) 17:49:41 ID:5TdXdtHN
>>362

 『性善説』の意味は、先生の著書を見て欲しいのですが、端的に言うと>>363の言うような感じの「自分こそが絶対的な善である」と言う結論に行き着く物です。

 簡単に言うと、

 1)人間の本性は善である。
 2)しかし、世の中には善ではない人がいる。
 3)故に、人を善の方向へ導かなければならない。

 と言う思想です。
 これが進むと、世の中が不幸なのは統治者が善ではないからだ⇒統治者を倒せ!⇒易姓革命になる。
 更に、俺こそが絶対善である!⇒故に他者は俺に従え!⇒逆らう奴は即死!となります。

 いわゆる東アジアで共産主義が未だに蔓延る要因の一つですね。
 同じ独善主義ですから、凄く相性が良いんですよ、共産主義と『性善説』は。


>>363

 小倉先生の仰る『性善説』の意味は、自分的に理解しております。
 ただここの書き込み容量を考えて、その辺の説明は削りました。
 ここの住人であれば、先生の意図するところは十分伝わるかと思いますので。

 僕的な突っ込みどころは、先に書いた通り、是が非でも共同体(あるいは共異体)を作らねばならないという命題が大前提として置かれてしまっている事です。
 先生の本には、その理由が全く説明されておらず、問答無用アプリオリに規定されてしまっているところですね。
 学者さんとしては、落第ですね。
 
365362:2008/12/29(月) 20:02:34 ID:ukGI12zP
>>363-364
「自分こそが絶対的な善である」っていう意味での「性善説」ですね。
それならば、よく判ります。

私もこの本を読んでみますよ。
366:2008/12/29(月) 21:37:25 ID:GZlwlqcr
>>365

 そうですね、是非、ご自身で内容を確かめ、判断なさってください。
 変な事を書いているつもりはありませんが、僕の発言はあくまで僕個人の所感でしかありませんから。
 
367OrcishSerjeant:2008/12/30(火) 05:54:27 ID:pa063GJO
>>364 おはよう。この板は学問板の部類に入るけど
本を読まなければ分からない部分は省略しないで欲しかったな。
誰にでも、自分の考えが容易に伝わると考えない方がいい。

漏れ自身は以前ここで書いたはずだが
『岡倉天心の漢詩(もどき)を批評できるほど教養は無い』もので