記者の目:今後の日韓、広い視野で実利追求を=堀山明子
李明博韓国大統領は2月の就任以来初めて米国と日本を歴訪(15〜21日)し、
盧武鉉前政権時代にぎくしゃくしていた日米韓3国連携の信頼基盤を回復させた。
21日の日韓首脳会談では特に、日韓経済連携協定(EPA)交渉再開に向けた投資拡大や
企業間協力の促進など、いくつもの経済協力で合意した。政治外交分野を安定させたうえで、
経済分野の成果を得ようとする李大統領の「実利外交」が実践された格好だ。
日韓政府間の対話が断絶していた盧政権時代に比べれば、政策協議ができるだけでも前向きな変化
だといえる。ただ、合意内容をよく見ると、対北朝鮮政策連携もEPA交渉に向けた経済協力も、
ほとんどが金大中政権時代の98年10月に署名された「日韓パートナーシップ宣言」(98年宣言)
に盛り込まれたメニューだ。乱暴な言い方をすれば、日韓の政府間関係は小泉純一郎元首相の
靖国神社参拝など歴史問題でこじれた末、未来志向の日韓友好の原点となった98年の水準にやっと
戻ってきただけだ。まずは、この現実から出発するしかない。そのうえで新たな関係をどう築くかだ。
記者は李大統領の日米歴訪に同行取材し、「実利外交」の初舞台を見た。
李大統領の外交は、譲歩とその対価を明確に設定し、相手に取引を迫るスタイルといえる。
例えば訪米中には、米韓自由貿易協定(FTA)の批准の反対理由に挙げられていた韓国の米国産
牛肉に対する輸入規制撤廃を、米韓首脳会談前日に受け入れた。韓国大統領として初めて招かれた
ブッシュ大統領の山荘・キャンプデービッドでは米国産牛肉のステーキが夕食に出されたというが、
宿題を果たしたため李大統領への圧力にならなかった。共同会見でブッシュ大統領から夕食のメニュー
を紹介され、余裕の笑顔を見せた。むしろ米韓首脳会談でブッシュ大統領にFTA批准への努力を促し
「米国の保護主義拡大を懸念する」と攻勢に出たという。
>384
訪日中には取引のスタイルが公然化したわけではないが、李大統領が「歴史問題で未来が制約を
受けてはいけない」と譲歩したのは、未来志向に向けた新たな政策を日本に促す狙いがあるとみられる。
在日同胞との懇談会で在日韓国人の地方参政権問題を「今までの政権より積極的に取り組む」と
述べたのは、その決意表明とも受け取れる。韓国では06年5月から、永住権を所持して3年以上
たった19歳以上の外国人に地方参政権を付与しており、相互主義の原則からも強気で働きかけられる
と判断しているだろう。
また李大統領は22日の与党ハンナラ党議員との会合で訪日報告をし、日本の財界に対し
「日本は、被害を受けた国の平和と繁栄のためにもっと譲歩すべきだと説得した」と語った。
韓国はEPA交渉再開の前提として、韓国の部品素材部門や中小企業育成などで日本企業の協力を
求めているが、李大統領の意識の中では歴史問題での譲歩と経済実利の取引が結びついている
可能性がある。
取引カードは同じ分野と限らないから、李大統領の実利外交に日本が歩調を合わせるなら、
日韓双方が大局的な見地から政策判断をする関係になるだろう。その際、日韓2国だけの実利追求では
早晩、取引に行き詰まるため、国際社会の中での日韓協力という視点が重要になる。今回の日韓首脳
会談でも6カ国協議や国連改革問題、日中韓3国の地域協力など国際問題での連携が項目に挙げられた。
李大統領は訪米で「戦略的同盟」という新しい概念を提案した。詳細は不明だが、
軍事分野だけでなくFTAや国連平和維持軍など経済、国際分野でも共通利益を持つ関係を目指し、
今夏のブッシュ大統領訪韓の際に「未来ビジョン」として策定するという。
一方、日韓首脳会談では、研究者による「日韓新時代共同研究プロジェクト」を発足させ、
議論することで合意しただけだ。98年宣言に伴う行動計画は、日韓関係だけでなく東アジアに
おける軍縮問題など幅広く共通利益が模索されたが、その後の歴史摩擦で死文化した。
その後遺症で、日韓双方とも外交当局者の間にビジョン疲れ、虚無感が広がっている。
「シリア施設は北朝鮮が支援した秘密原子炉」米が声明
2008年04月25日06時48分
【ワシントン=梅原季哉】米ホワイトハウスのペリーノ報道官は24日、昨年9月にイスラエルが
空爆、破壊したシリア東部の施設は、北朝鮮が支援した建設中の秘密原子炉で、
平和目的ではなかったと信じるに足りる情報がある、との声明を出した。
北朝鮮の核開発をめぐる6者協議の行方にも大きな影響を及ぼしそうだ。
ブッシュ政権はこの日、議会上下院の外交、軍事、情報委員会メンバーらに非公開の場で、
情報の詳細について説明した後、声明を出した。
報道官の声明によると、シリアは国際原子力機関(IAEA)にこの原子炉について何も報告して
いなかったが、米国はこの情報をすでにIAEA側に提供している。CNNによると、
米主要メディアに対する米情報機関の記者説明では、原子炉は完成まで数週間程度だったという。
声明は「我々は、北朝鮮の核兵器計画と拡散活動に関して長年、深刻な懸念を抱いてきた。
北朝鮮が秘密裏にシリアと核計画で協力してきたことはその危険な表れだ。我々はこの問題を解決
する道として6者協議を選んだ。この過程を通じて、我々はほかの諸国と共に、朝鮮半島の非核化を
検証可能な形で実現するよう協力している」とした上で、6者協議の継続を通じ、
北朝鮮が今後他国に核を拡散しないよう厳しく検証する体制も整備することを提唱している。
http://www.asahi.com/international/update/0425/TKY200804250002.html
北朝鮮とシリアの核協力、米が「確認」と発表
【ワシントン=黒瀬悦成】ペリノ米大統領報道官は24日、シリアが
「プルトニウムの生産が可能な原子炉の建設を極秘で進めていた」との声明を発表し、
「北朝鮮がシリアの核活動を支援したと確信している」と述べた。
ブッシュ政権が北朝鮮とシリアの核協力の存在を確認したのは初めて。北朝鮮はこれまでシリアへの
核協力を否定しており、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の進展に影響が出るのは避けられない。
問題の原子炉があった核施設は昨年9月6日、イスラエルが空爆で破壊した。
米中央情報局(CIA)がメディアに配布した説明資料によると、核施設はシリア東部アル・キバル
近くの渓谷地帯に建設され、昨年8月時点で稼働間近な状態だった。原子炉の用途については、
「構造上、発電用や研究用ではない」とし、兵器級プルトニウムの生産が目的だったと断定した。
資料は、同施設と北朝鮮・寧辺(ヨンビョン)の核施設で撮影された原子炉の炉心部分や建屋の
写真を並べて紹介。両者が「酷似」しており、「この35年間で同構造の黒鉛減速ガス冷却炉を
製造しているのは北朝鮮しかない」と指摘した。また、北朝鮮の核開発関係者が2001年から
施設破壊後の07年暮れにかけ、シリアを何度も訪問していた、としている。
一方、ペリノ報道官は声明で、北朝鮮による核拡散を阻止するため、6か国協議の枠組みで
「厳格な検証メカニズム」を設ける方針を強調。シリアが原子炉の建設を国際原子力機関(IAEA)
に通知せず、原子炉が破壊された後は、残骸(ざんがい)を埋めるなど隠ぺい工作をしたと非難し、
シリアに「不正な核活動」の実態を説明するよう要求した。
これに対し、イマド・ムスタファ駐米シリア大使は24日、米CNNテレビに出演し、
一連の核疑惑は「絵空事だ」と否定した。
(2008年4月25日11時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080425-OYT1T00288.htm
97年から協力開始 北朝鮮高官が数回訪問
2008.4.25 15:48
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は24日、米情報当局者の話として、
北朝鮮によるシリアに対する原子炉建設協力は1997年に始まったと報じた。
また、米中央情報局(CIA)は24日、この原子炉建設協力に関するビデオ画像を公開、
2001年に北朝鮮・寧辺の核施設担当高官がシリアを複数回訪問したと指摘、
両国の原子力担当高官が並んで写る写真も明らかにした。
CIAはビデオ画像の中でイスラエルがシリアの原子炉を空爆した後の10月10日に
シリアが施設の残骸などを自ら爆破、当時この原子炉への疑念が深まっていたことで予想された
国際原子力機関(IAEA)などの査察から隠匿する目的だったとみられると指摘した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080425/amr0804251549012-n1.htm
【国際】 “北朝鮮にフランス人女性3人が拉致されていた”仏紙フィガロで異例の報道…「悪夢」と反響呼ぶ[04/25]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1209110213/l50 2008/04/25-14:35
拉致、仏で異例の報道=「悪夢」と反響呼ぶ
【パリ25日時事】北朝鮮にフランス人女性3人が拉致されていたとの情報が最近、
仏紙フィガロに異例の大きな扱いで掲載された。拉致事件はフランスではほとんど知られておらず、
「悪夢のような話」と読者から驚きの声が上がっている。
記事を書いたのはフランソワ・オテール記者。拉致問題への国際世論喚起を目指す日本政府の
招きで3月末に訪日し、拉致被害者支援団体「救う会」の西岡力常任副会長らに取材。
「アジアの富豪の息子」と称する男にパリで誘惑され、中国経由で平壌へ連れ去られた女性を含め、
1970年代末に北朝鮮がスパイにフランス語を教えさせる狙いで拉致したフランス人女性が
3人いると19〜20日付の同紙で2面ぶち抜きで伝えた。
同紙(電子版)の読者欄には「なぜ日本だけが真実を知るために戦っているのか」
「仏政府も事実の解明を進めてほしい」といった声が相次いで寄せられた。
24日には一部メディアが仏外務省に確認を求めるなど反響を呼んでいる。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008042500609
【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 星の王子様
2008.4.26 02:39
韓国の財閥企業には三星、金星、暁星、巨星…などなぜか「星」がついたのが多い。中でも最近、
巨額の隠し口座や脱税、不法相続疑惑、政治資金疑惑などで韓国社会を揺るがしている韓国最大財閥の
「サムスン(三星)」は、韓国経済全体の20%を占めるほどだから文字通りビッグスターだ。
今回、責任を取って経営一線からの引退を発表した2代目会長の李健煕氏(66)はさしずめ
“星の王子様”で、彼の代で「サムスン」は世界的水準の企業に育った。「サムスン」は最も
「日本に学べ」の企業として知られ、日本モデルでここまで成長したといわれる。これは戦前、
早稲田大学専門部で学び日本好きだった創業者・李秉●氏の“遺訓”みたいなもので、そのせいか
李健煕氏も早稲田大学に、その息子で将来、3代目会長と目されている李在鎔氏(39)は
慶応大学に留学している。
創業者は「企業は家族みたいなもの」といい、従業員を厚遇し労組不要論者だった。
だから労働運動が激しい韓国で「サムスン」だけはいつも静かだった。しかし問題になった
相続問題を含め血縁優先の“家族経営”や帝王的な世襲会長などというのは日本的ではなかった。
「三星」が「新星」に生まれ変われるか興味深い。(黒田勝弘)
●=吉吉
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080426/trd0804260240000-n1.htm
学生無年金障害者訴訟2審も敗訴 在日訴訟も棄却
2008.4.25 22:48
学生時代に重い障害を負い、任意加入だった国民年金に20歳以上でありながら加入していなかった
ため障害基礎年金が支給されない学生無年金障害者10人が、国などを相手に不支給処分の取り消しと
1人当たり2000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。
渡辺等裁判長(安原清蔵裁判長代読)は原告側の請求を退けた1審・大阪地裁判決を支持、
原告側の控訴を棄却した。
判決は、国民年金法が当時、成人学生を強制加入の適用外としていたことについて、
1審や同種訴訟の最高裁判決と同じく「立法府の裁量権の範囲を逸脱していない」と認定した。
一方、外国籍を理由に国民年金制度から除外され、老齢年金を受給できなかった京都市在住などの
80〜90歳の在日韓国・朝鮮人女性5人が、国に慰謝料など計7500万円を求めた訴訟の
控訴審判決でも、同高裁は年金制度での在日外国人の扱いについて「立法府の裁量権の範囲内」
とした1審・京都地裁判決を支持、原告側の控訴を棄却した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080425/trl0804252247015-n1.htm
建軍節祝いリレーにも準備 北朝鮮、シリア問題触れず
2008.4.25 21:04
北朝鮮は25日、76周年となる朝鮮人民軍創建記念日(建軍節)を迎えた。
首都平壌では、「軍事先行」「援軍気風」などのスローガンがあちこちに掲げられ、
青年組織による舞踏会など祝賀行事が開催された。
28日に行われる北京五輪の聖火リレーに向けたコースや沿道の整備も進み、
金日成競技場前の広場には、ゴール地点での行事のため舞台が設営された。
26日以降、建軍節を祝う市内の飾り付けも聖火リレー向けに替えられるとみられる。
一方、北朝鮮のシリアへの核協力問題に関する画像を米政府が公表したことについて、
北朝鮮メディアは報じておらず、反応も示していない。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080425/kor0804252105003-n1.htm
米朝「暫定合意」で再交渉 核申告に検証必要と米紙
2008.4.25 20:24
25日付の米保守系紙ワシントン・タイムズは、北朝鮮のウラン濃縮計画とシリアへの核協力をめぐる
米朝の「暫定合意」について、米側が申告の検証措置を盛り込む方向で再交渉に乗り出したと報じた。
北朝鮮は濃縮と核協力を一貫して否定。このため、米側が疑惑を指摘していることを北朝鮮が
「acknowledge」(認識)するとの表現を申告の付属文書(非公開)に盛り込むことで、
米朝が一定の了解に達していた。
「acknowledge」には「事実と認める」という意味もあるため、ヒル米国務次官補は
議会で「北朝鮮が疑惑を認めた」と説明したい意向だったが「疑惑を不問に付そうとする試み」
と批判され、再交渉を余儀なくされたという。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080425/kor0804252024002-n1.htm
公表を仕掛けたのは対北強硬派?
2008.4.26 00:08
【ワシントン=有元隆志】昨年9月のイスラエル軍によるシリア空爆後、沈黙を守ってきた米政府が
24日、北朝鮮とシリアの核協力の実態を公表した。公表遅れの理由について、米情報当局高官は
「シリアの報復を懸念したため」と説明する一方、今後、北朝鮮に完全かつ正確な核計画の申告を
促すための「米国の立場が強まる」と強調した。ただ、共和党を中心に政権の北朝鮮政策への反発が
広がっており、ある交渉担当者は「この先の見通しはわからない」と述べている。
米政府関係者は公表について「ホワイトハウス主導で進められた」と語る。チェイニー副大統領の
補佐官ら「対北朝鮮強硬派」は、ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)ら国務省の「交渉推進派」
が、拡散疑惑で具体的な進展もないまま、8日のシンガポールでの協議で北朝鮮と暫定合意に達した
ことを「大幅な譲歩」と批判。交渉の流れを変えるためにも公表に積極的だったという。
推進派は北朝鮮による核計画の申告間近での公表に消極的だったが、ホワイトハウス国家安全保障
会議(NSC)は申告問題で合意に達しても、「議会の理解なしに北朝鮮への資金援助などは円滑に
進まない」(同関係者)と判断、公表に賛成したという。
また、CIAで北朝鮮情勢を分析した米シンクタンク、ヘリテージ財団のブルース・クリングナー
上級研究員は「政権内には北朝鮮との暫定合意に対する広範な批判があった」と述べ、
情報当局にも暫定合意への不満があったとの見方を示した。
情報当局高官は公表で、「北朝鮮が拡散活動を認め、完全かつ正確なプルトニウムとウラン濃縮の
活動を開示することにつながることを信じる」と語った。
ヒル次官補らは今後、北朝鮮とシリアの間で「現在進行形の協力はない」として、申告作業を
進めていく考えだ。しかし、共和党内では大統領候補に内定したマケイン上院議員が暫定合意に
反対を表明したほか、下院情報委員会筆頭理事のフックストラ議員も
「6カ国協議で合意が成立しても、議会承認は相当困難になった」と述べている。
IAEAが調査へ シリア核疑惑
2008.4.26 00:12
国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は25日、米政府がシリアの核開発に関する
情報を公表したことについて、この情報を米側から受け取ったことを明らかにし、
深刻に受け止めIAEAとして調査するなどとする声明を発表した。
事務局長は、シリアがIAEAと保障措置(査察)協定を結んでいることから、
いかなる核施設もIAEAに報告する義務があると指摘した。
一方で、米側からの情報伝達が「時宜を得た形」でなく、遅かったことに遺憾の意を表明すると
ともに、シリアの施設に対するイスラエルの攻撃を「一方的」などの表現で批判した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080426/mds0804260015000-n1.htm
北核問題 正確な申告求める 米大統領報道官
2008.4.26 08:48
【ワシントン=有元隆志】ペリーノ米大統領報道官は25日、北朝鮮とシリアの核開発協力を
公表したことについて、「北朝鮮が核計画の申告に前向きに取り組むことを期待する」と語った。
同報道官は拡散活動に加え、プルトニウム、ウラン濃縮による核活動についても「より完全かつ正確」
に申告するよう求めた。
マコーマック国務省報道官は同日の記者会見で、拡散問題についてはこれまでの北朝鮮との
交渉のなかで取り上げたとし、米政府として重視して取り組んできたと強調した。
ただ、25日付の米紙ワシントン・タイムズは、米政府当局者の話として、検証部分に関する
暫定合意の変更を目指し、交渉をやり直すと報じた。8日にシンガポールで行われた米朝協議の結果、
北朝鮮は米側の拡散に対する懸念を「認識する」ことでいったんは決着したが、
議会だけでなく政権内からも批判の声が強まっていた。
米政府は24日、昨年9月にイスラエル軍が空爆したシリアの施設はプルトニウム製造を目的とした
原子炉だったとするとともに、「北朝鮮がシリアの核活動を支援していたことを確信する」と発表した。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080426/amr0804260851001-n1.htm
【主張】シリア核疑惑 米朝協議のあり方見直せ
2008.4.26 02:37
米政府はシリアが北朝鮮の支援を受けてプルトニウム生産が可能な原子炉建設を進めていたことを
確信するとの声明を発表、米議会に提示した画像資料などの一部を公開した。
問題の施設は昨年9月、イスラエルの空爆で破壊され、北朝鮮・シリア間の核拡散協力を
示す疑惑として注目されていた。声明によれば、核施設は完成まで数カ月の段階にあり、
放置すればアラブ国家として初の核兵器生産能力の獲得につながった恐れが強い。
両国は否定しているが、事実なら中東の戦略情勢を一変させかねない重大事だ。シリアは核拡散
防止条約(NPT)加盟国だが、国際原子力機関(IAEA)にも施設建設を通告していなかった。
世界を核拡散から守るための国際社会の努力に冷水を浴びせる行動として厳しく非難されて当然である。
両国は直ちに事実を明らかにし、二度とこうした行動をとらぬよう世界に誓約すべきだ。
さらに重大なのは、6カ国協議に与える影響だ。米国は2006年末以降、
米朝2国間協議を6カ国協議に先行させて北朝鮮の妥協を引き出す方針に転じた。
現在の焦点は
(1)北朝鮮が保有する核物質の総量
(2)ウラン濃縮
(3)第三国への拡散行為−を含む
「完全かつ正確な申告」を通じて核廃棄を進めることだが、ヒル米首席代表らがウラン濃縮や
拡散行為について「あいまいな政治決着をめざしている」との批判や懸念が米国内でも高まっていた。
米政府が公式にシリア・北朝鮮の拡散行為を確認した以上、核申告問題を政治決着ですませるのは
もはや不可能となった。米政府は今後の拡散を防ぐために「6カ国協議に厳格な検証の仕組みを設ける」
ともしているが、それだけではとても十分とは言えない。
社説:北朝鮮「核支援」 米政府の沈黙が長すぎた
やっと認めたか、という印象がある。米政府は24日の声明で、シリアの核開発を北朝鮮が支援
していたとの見解を示した。昨年9月、イスラエル軍機がシリア領を空爆してからくすぶっていた
疑惑を、米国は約7カ月後にようやく事実と認めたわけだ。
北朝鮮とシリアはこの疑惑を否定してきた。私たちも米国の発表をうのみにする気はない。
だが、映像で示された「証拠」を踏まえて、少なくとも二つのことは言えるだろう。
北朝鮮とシリアは、国際原子力機関(IAEA)に報告していない核開発と技術支援をめぐる
疑惑を、国際社会にきちんと説明すべきだ。もう一つは、こんな状況で北朝鮮に対する米国の
「テロ支援国家」指定が解除されてはたまらない、ということである。
指定解除は基本的に米朝2国間の問題である。しかし、北朝鮮が昨年中に果たすべきだった
核施設無能力化や核計画の完全な申告は遅れに遅れ、6カ国協議を構成する日米韓中露の5カ国は、
北朝鮮への対応に苦しんでいる。
そんな折も折、北朝鮮の新たな問題行動(シリアへの核支援)が明るみに出たというのに、
米国が北朝鮮にアメ(指定解除)を与えるのは、とうてい支持できるものではない。
親イスラエルの空気が強い米議会も、早期の指定解除には賛成しまい。シリアへの支援を通じて
北朝鮮がイスラエルの安全を脅かしたという意識が強まれば、北朝鮮問題は米議会や一般の米国民
にとって、がぜん身近になってくる。
その反対に、米政府は指定解除への布石として北朝鮮の問題点をさらけ出した、との見方もあるが、
北朝鮮問題に「イスラエルの安全」という隠れた要素が加わり、米政府が甘い対応をしにくくなった
のは歓迎すべきことかもしれない。
>403
イスラエルは81年にイラクの原子炉を空爆している。この時は空爆翌日に両国と米国がそれぞれ
声明を発表した。核施設の攻撃という重大事件である以上、迅速な発表は当然である。
しかし、昨年9月の場合は、当事国のイスラエルとシリアがほぼ沈黙を守り、
米当局者もあいまいな発言に終始した。イスラエルの空爆の是非はともかく、従来の例に照らせば、
同国の軍事行動の概要を米政府がまったく知らないということはありえない。
イスラエルは原子炉建設現場を撮影し、これを米側に知らせたうえで空爆したという情報もある。
米政府は6カ国協議への影響を懸念したのかもしれないが、事実は事実として速やかに公表すべきだった。
北朝鮮の「対シリア核支援」を伏せたまま米国が「テロ支援国家」の指定解除に踏み切っていたらと
考えると、ゾッとする。不透明な取引は将来に禍根を残すだけである。
毎日新聞 2008年4月26日 0時12分
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080426k0000m070155000c.html
シリア核支援 「北」は拡散にも関与したのか(4月26日付・読売社説)
北朝鮮が核拡散に関与したことを裏付ける新たな証拠の提示だ。
北朝鮮の核廃棄を目指す6か国協議の行方は、混沌(こんとん)としてきた。
核計画の申告をめぐる米朝協議も、仕切り直しを迫られるのではないか。
ブッシュ米政権が、北朝鮮とシリアが核兵器開発で協力していたとする声明を発表した。
ホワイトハウスの声明は、昨年9月、イスラエルが空爆で破壊したシリアの秘密施設について、
核兵器開発用に建設中の原子炉であり、北朝鮮が支援していたと確信する、と断じている。
この空爆については、イスラエルもシリアも詳細には説明せず、謎が多い。
米政府も、コメントを避けてきたが、事件から8か月近くたって初めて、
入手したビデオ映像や写真の一部を公表し、シリアに真相解明を求めた。
声明は、国連安全保障理事会の再三の制裁決議を無視して、なおウラン濃縮活動を続けている
イランにも、強く警告している。
問題は、これが6か国協議にどう影響するかという点にある。
北朝鮮は核拡散について、過去も現在もしたことがなく、将来もしない、と全面否定してきた。
しかし、米国の公表資料には、シリアの責任者と並んだ北朝鮮の核技術者と見られる人物の姿や、
北朝鮮の施設に酷似した建物などの画像が含まれている。北朝鮮は、これをどう説明するのか。
北朝鮮は、昨年末までに履行するはずだった核計画の「完全で正確な申告」をめぐり、
米国との実務協議で暫定的に合意して、近く実行する、と見られていた。
焦点の濃縮ウラン計画とシリアへの核協力については、米国の主張を北朝鮮が「認める」とした
付属文書をつける形で、玉虫色の決着を図ったとされている。
>405
だが、これで「完全で正確な申告」と言えるのか。米国は、今回の声明発表で、少なくとも、
核拡散について一層明確な説明を北朝鮮に求めたと言える。
暫定合意の柱は、北朝鮮がプルトニウムの量を申告し、その検証方法も受け入れる見返りに、
米国が北朝鮮のテロ支援国指定を解除するというものだ。
北朝鮮がプルトニウム利用の核計画を実態より小さく申告しないか、との懸念がある。検証にも
どこまで協力するのか。テロ支援国指定の解除を急げば、検証が中途半端に終わる恐れがある。
「完全で正確な申告」なしに、核の脅威はなくせない。北朝鮮との交渉に安易な妥協は禁物だ。
(2008年4月26日02時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080425-OYT1T00883.htm
社説1 ブッシュ政権は対北強硬路線に戻るか(4/26)
北朝鮮がシリアの核施設建設に協力していたと「確信する」との米ホワイトハウス声明の衝撃は、
世界の火薬庫である中東地域での核拡散の恐怖を再認識させるだけではない。
シリアと北朝鮮の核が結びついていたと認めたブッシュ政権は、ヒル国務次官補が進めてきた
対北融和路線の変更を迫られるだろう。
米政府は議会の秘密公聴会にビデオや衛星写真などの資料を提供し、
その後にペリーノ大統領報道官名の声明を発表した。
声明は昨年9月にイスラエルが空爆したシリアの施設を「プルトニウムを生産するために
建設していた原子炉で、様々な情報を分析した結果、北朝鮮がシリアの秘密裏の核活動を
支援していたと確信する」と断定した。破壊された施設は「平和目的とは考えられない」と言明した。
中東と北朝鮮の核を結びつける声明をなぜこの段階でブッシュ政権が発表したのか。
理由は確認できないが、確かなのは、その結果だ。
米政府は北朝鮮の核に関しては、実は米国の核兵器による拡大抑止戦略によって日本などの
同盟国を守れると考える。一方、中東の核に関しては格段に神経質になる。今度の声明によって
米議会や世論が北朝鮮に対しても、より厳しい姿勢を求めれば政権側は拒否しにくい。
北朝鮮の核をめぐる6カ国協議は昨年末の期限を過ぎても北朝鮮による核計画の申告がなく、
停滞している。北朝鮮側は核拡散や高濃縮ウランに関して文書上の譲歩をしたとも伝えられた。
この段階でホワイトハウスが今回の声明を発表したのは、国務省主導で進んできた北朝鮮との
交渉への不満の表明ともとれる。
ブッシュ政権は、昨年1月に北朝鮮政策を現在の融和路線に向けてかじを切った。
ヒル次官補の説明をライス国務長官が了承し、ブッシュ大統領を説得したとされる。
この時期はイラク戦争のつまずきを理由にした政権内の保守派の退潮ともほぼ軌を一にしていた。
北朝鮮とシリア―ぞっとする核拡散の闇
昨年9月、シリアの砂漠にあった建物をイスラエル軍が空爆し、破壊した。
その建物は何だったのか、シリアもイスラエルも詳しく語ろうとせず、米国も口をつぐんだ。
この謎の事件について、米政府が衝撃的な発表をした。シリアが核兵器用のプルトニウムを作るため、
北朝鮮の支援をうけて秘密裏に建設していた原子炉だった、というのだ。
空爆された建物や、原子炉と見られる内部の写真まで公表された。北朝鮮の黒鉛減速炉とそっくりだ。
北朝鮮とシリアの核開発担当の高官だという2人が肩を寄せて立つ写真もある。
どうやってこんな写真を入手できたのか。スパイ小説を地でいくような離れ業に驚かされる。
シリア側はさっそく否定した。北朝鮮もかねて、核技術や物質は輸出していないと強調してきた。
だが示された資料を見る限り、両国の主張は信じられるものではない。米政府は
「この型の炉は過去35年間、北朝鮮だけが建設している」などとして、北朝鮮の関与を強調した。
北朝鮮は、パキスタンのカーン博士を中心とする「核の闇市場」ともつながりがあった。
その北朝鮮から核技術が中東に流れる。弾道ミサイルの技術もひそかに取引される。
今回の件が事実とすれば、核の拡散が世界にとって現実の脅威であることをまざまざと
見せつけるものだ。
イスラエルは半ば公然の核保有国であり、それに対抗して中東の国々が核を手にすれば、
事態は制御不能に陥りかねない。イランは国連制裁を受けながらも、ウラン濃縮を進めている。
>409
核不拡散への国際社会の取り組みをいちだんと強めなければならない。
空爆から7カ月もたって公表に踏み切った米国の真の狙いは分からない。
イランへの牽制との見方もあるが、北朝鮮に対する強烈な圧力であることは疑いない。
北朝鮮の核開発問題をめぐる6者協議では、核計画の申告問題で米朝の接触が続いている。
だが、シリアへの拡散疑惑を素通りするような申告では、とても受け入れられない。
それは米国だけでなく、日本も含めて国際社会として当然の立場である。
ただ同時に、こうした北朝鮮の核問題に出口を見いだすには、6者協議を通じての粘り強い
交渉以外に手がないことも忘れてはなるまい。
北朝鮮は、シリアとの関係はむろんのこと、ウラン濃縮についても国際社会が抱く疑念に答える
義務がある。それを迫るためにも、米国は「テロ支援国家指定の解除」というカードを慎重に、
しかし有効に使うべきだ。
日本も、拉致や隣国の核武装という問題に加えて「拡散」の脅威にも真剣に向き合う必要がある。
http://www.asahi.com/paper/editorial20080426.html
【断 大月隆寛】ボーナスって何よ
2008.4.26 02:41
福田内閣、これで詰み、じゃないですかね。総選挙までとてももたないかと。
ボーナス、を出すんですって。日朝国交正常化した暁には。北朝鮮にそういう風に伝えてくれ、
と韓国筋に言っていたことが、あ〜あ、われらが福ちゃん、バレちゃった。
一応、韓国政府経由で紹介された話らしいので、そのへん割り引いて考えねばならないでしょうし、
そもそも平壌宣言に盛り込まれていた内容の再確認に過ぎない、というあたりが外務省筋の
言い分でしょうから、そういうしたり顔の解説も出てくるでしょうが、でも、ここは全力で、
そんなの関係ねえ!です。
どうしてこの上まだ北朝鮮ごときに支援しなきゃならないのよ、盗人に追い銭だろうが、
というのがまず素朴な反応。しかも、そもそもボーナスって何よ、それってつまり税金だろうが、
どだい社保庁以下、役人の税金遣いのメチャクチャが上から下まで知れ渡ってみんなトサカに
来てるのに、当の首相自らそんな言い方しかできない、まわりもガードできない垂れ流し状態じゃあ、
いやもう、さすがにダメでしょう。
でもなあ、だからって「外国人(要は在日)参政権」全力推進、売国有理の民主党じゃなあ…
というわけで、ほんとにここらで一発、新党でも出てきてくれないことには、選択肢まるでなしのまま
総選挙突入、という難儀をわれら有権者、身体ごと味わう羽目になりますねえ。(札幌国際大学教授)
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080426/acd0804260242003-n1.htm
焦点は「プルトニウムの量」 北朝鮮の核計画検証
2008.4.26 10:10
ヒル米国務次官補は25日、米朝が22〜24日に実務協議を行った北朝鮮の核計画申告の
検証方法で、核実験に使われたプルトニウムの量をめぐる検証が焦点だったことを明らかにした。
ヒル次官補は25日、ブラウン大での講演後、記者団に対し「唯一検証が難しいのは、
核実験でどれだけのプルトニウムが使われたかを測定することだ」と発言。ヒル次官補はこれまで、
プルトニウムの抽出総量を検証するために製造記録の提出を求めていることを明らかにしているが、
核実験で実際にどれだけ使われたかの検証方法をめぐり、詰めの作業が続いていることをうかがわせた。
また「検証の対象外となるプルトニウムはない」と述べ、プルトニウムを利用した核兵器も
申告対象となると強調した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080426/kor0804261012000-n1.htm
民間訪朝を一部不許可、韓国政府
2008.4.26 11:30
韓国統一省は25日、北朝鮮の金剛山で26日から始まる民間行事の「南北青年学生団体代表者会議」
に出席するため訪朝を申請した42人のうち8人に対し「国家安全保障や公共の秩序を侵害する憂慮が
ある」として不許可決定を出した。聯合ニュースが伝えた。
韓国政府は、対北朝鮮政策をめぐり李明博大統領への非難を強める北朝鮮が当局間対話を中断する
一方で、自国の主張に理解を示す人物や団体を選別して交流していると警戒している。
不許可には、韓国で北朝鮮の主張に沿った言動をする可能性がある人物らの北朝鮮との接触を断つ
狙いがあるとみられる。
韓国からの訪朝には統一省の許可が必要。
今回不許可とされたのは、国家保安法で「利敵団体」と規定された団体に所属するメンバーら。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080426/kor0804261131001-n1.htm
シリア 北朝鮮支援問題で国際原子力機関に協力表明
2008.4.26 11:33
【ニューヨーク=長戸雅子】シリアのジャファリ国連大使は25日、同国が北朝鮮の支援を受けて
プルトニウム生産が可能な原子炉建設を進めていたとされる疑惑について、「われわれに隠すものなど
何もない。国際原子力機関(IAEA)はわれわれの主張の正しさを目のあたりにすることになるだろう」
などと述べ、IAEAの調査に前向きに応じる姿勢を強調した。国連本部で記者団に語った。
一方で核兵器保有が公然の秘密となっているイスラエルについてもIAEAは査察を行うべきだと
主張した。
ジャファリ大使は疑惑の根拠となった米中央情報局(CIA)の報告について
「有効な根拠のない主張でCIAの組織的欠陥を示している」と批判。さらに
「米国の主張は昨年9月のイスラエルの(施設への)攻撃を正当化するためのものだ」と述べた。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080426/kor0804261133002-n1.htm
離島住民が不審船監視、所得補償も検討…政府・委託方針
政府は26日、領域警備強化のため、日本海や東シナ海などの国境付近の離島の住民に、
不審船や密漁船、外国人上陸者の発見に協力してもらう委託制度を創設する方針を固めた。
行動指針を作成し、継続的に協力者を確保する狙いから、委託を受けた人への所得補償も検討する。
島民が過去に、不法上陸などの事案にどう対処してきたかに関するアンケート調査を今年度中に行い
、内閣官房と国土交通省を中心に具体策作りを進める。
新制度導入は、海洋基本法に基づき3月に閣議決定された海洋基本計画で、海洋の安全確保のため
「離島を含む沿岸域の住民の協力を得ることが有効」としたことを踏まえたものだ。
現在は海上保安庁が沿岸警備を行い、漁船関係者や沿岸住民には、不審船などを見つけた場合の
118番通報を呼びかけている。2003年には全国規模のボランティア組織「海(うみ)守(もり)」
が発足、民間の監視態勢もできている。
しかし、その後も密漁船などが後を絶たず、政府は離島の住民の協力が不可欠と判断した。
対馬(長崎県)や波照間島(沖縄県)など、国境に近い島々での委託を想定している。
(2008年4月26日14時36分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080426-OYT1T00512.htm
北朝鮮とシリアの核協力、洞爺湖サミットで協議…政府方針
米国のシーファー駐日大使は25日、町村官房長官、高村外相と相次いで会談し、
米政府が24日に発表した、北朝鮮とシリアの核協力に関する声明について説明した。
会談後、高村外相は「(北朝鮮とシリアの核協力は)現在まで続いている」と大使から説明を
受けたことを明らかにした。外相はそのうえで、「北朝鮮は(核協力の証拠を)事実上認めざるを得ず、
この問題について申告させる圧力になる」と記者団に述べた。
両会談で日米は、北朝鮮に「完全かつ正確な核計画の申告」を連携して迫る方針を改めて確認した。
外務省幹部は声明について、「これで米国は安易にテロ支援国指定を解除できなくなった」
と評価する一方、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議への影響については、
「北朝鮮が態度を一層硬化させ、今以上に行き詰まる恐れもある」と懸念も示した。
政府は、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)で、北朝鮮とシリアの核協力問題を
取り上げる方針だ。
(2008年4月26日03時11分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080426-OYT1T00179.htm
南北連絡事務所の設置を拒否、北朝鮮党紙が論評
2008.4.26 12:58
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は26日の論評で、韓国の李明博大統領が訪米中に提案した
南北の連絡事務所設置について「誰にも通用しない小手先の政策であり、取り下げるべきだ」
と拒否する立場を明らかにした。提案に対する北朝鮮の反応は初めて。
北朝鮮は李政権の対北朝鮮政策が、過去2回の南北首脳会談で合意した内容を覆すものだと反発、
当局間対話を中断する方針を打ち出している。今回の提案拒否で、南北対話再開の糸口を見いだす
ことは当面困難な情勢となりそうだ。
論評は同提案について「これまでも南朝鮮(韓国)の歴代政権が持ち出したが、
北南関係を国と国の関係へ転換し、分断を恒久化しようとする狙いがあり、非難を受けてきた」
と指摘。2000年の南北共同宣言と07年の南北首脳宣言を順守するよう求めた。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080426/kor0804261257005-n1.htm
シリア・北朝鮮の核協力 米政府、「証拠」ビデオ公開
2008年04月26日01時00分
【ワシントン=梅原季哉】北朝鮮によるシリアへの核協力を認定した米政府は24日、
イスラエルが昨年9月に破壊したシリア東部の施設の詳細なスライド映像などを米主要メディアに
公開した。北朝鮮の反発も予想され、北朝鮮による核計画の申告がさらに遅れれば、
停滞している6者協議の行方は一層不透明になりそうだ。
ブッシュ政権は北朝鮮による核拡散を認定したうえで、完全な申告が得られれば北朝鮮への
テロ支援国家指定を解除する方針を崩していない。開示には解除に向けて議会の理解を得ておく
狙いもあると見られる。だが、米国内の対北朝鮮強硬派が勢いづくとの見方もあり、
強硬派から「弱腰」と受け止められることを嫌って、解除により慎重に取り組む可能性がある。
米国が北朝鮮による核拡散を認定したシリアは、米国と緊密な協力関係にあるイスラエルと
敵対している。レバノンの武装組織ヒズボラやパレスチナの過激派ハマスなどを支援しているとして
米国のテロ支援国家にも指定されている。指定解除をする際、議会の承認は手続き上必要ないが、
議員らがテロ支援国家間のつながりに懸念を強める可能性もある。
ビデオは、静止画像が連続する構成のスライドショー形式で公開された。
最も目を引く内容は、何者かが撮影した、建設中の原子炉の複数の写真だ。原子炉棟の内部で
撮影したとみられる一枚は、丸い管が多数、垂直方向に整然と並んでいる。原子炉上部にある、
燃料棒と制御棒を入れる管で、その周囲にコンクリートが注入されるより前の段階だという。
ビデオは、この写真の横に、同様の管の口が開いている北朝鮮・寧辺の原子炉上部の写真を
並べて表示。ナレーションで「我々の分析では、シリアの原子炉は北朝鮮のものと似た規模・能力だ。
過去35年間にこのようなガス冷却黒鉛減速炉を建設したのは北朝鮮だけだ」と指摘した。
>419
青いジャージー姿の東洋人と、中東系の男性が寄り添った記念写真も示した。米メディアに説明した
複数の米高官らによると、ジャージー姿は北朝鮮の再処理工場の責任者とされるチョン・チブ氏だとし、
6者協議に出席している際の別の画像と並べた。
もう一人はシリア原子力委員会のトップで記念写真は同国内で撮影されたという。
米プローシェアーズ財団理事長で核問題の専門家シリンシオーネ氏は「情報提示自体には説得力が
ある。こうした原子炉を平和利用で建設することは、極めて考えにくい」と認める。
だが、仮に真実だとしても「シリアの原子炉が稼働直前で、イスラエルが攻撃しなければならない
切迫した脅威だったことの証明にはならない」とみる。
http://www.asahi.com/international/update/0425/TKY200804250318.html
オバマ氏「直接対話」主張 米大統領選、北朝鮮政策で前哨戦
2008.4.26 16:36
米大統領選の民主党候補指名を争うオバマ上院議員と、共和党指名を確定したマケイン上院議員の間で、
北朝鮮政策をめぐる応酬が始まった。
ロイター通信によると、オバマ氏は25日、シリアとの核協力について
「北朝鮮と直接対話をしないブッシュ政権下で進行した出来事」として、ブッシュ大統領の失態と批判。
首脳間の対話にも積極的に乗り出すべきだとの持論を展開した。
一方のマケイン氏は、シリアとの核協力について「非常に厄介な話だが驚く内容ではない。
北朝鮮はもう10年以上、誠実な行動をしてこなかった」と冷静な受け止め。オバマ氏の主張を念頭に
「金正日(総書記)のような独裁者と無条件でどうやって対話するのか、米国民に説明すべきだ」
などと批判を浴びせ、北朝鮮に厳しく対処する姿勢を強調した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080426/amr0804261632010-n1.htm
韓国の「連絡事務所」提案を北朝鮮拒否 「浅知恵」と
2008年04月26日23時56分
【ソウル=牧野愛博】26日付の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は、李明博韓国大統領が提唱した
南北連絡事務所の平壌とソウルへの設置について「南北関係悪化の責任を回避するための浅知恵」
と非難する論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮として、対話再開を呼びかける韓国の提案を拒否し、政府間対話を全面的に中止する方針を
維持する考えを示したものだ。
論評は、連絡事務所提案について「かなり前、南朝鮮(韓国)が北南関係を国と国との関係とし、
分裂を永久化させる盾として持ち出したが、内外世論の強い糾弾を受けた」とし、
受け入れがたい提案だった点を強調。情勢の緊張に伴う「不安と焦燥感の産物だ」と切り捨てた。
李大統領は今月の訪米中、連絡事務所の設置を北朝鮮に提案する考えを表明した。
米朝関係の進展を念頭に「緊張した南北関係の打開を図るとともに、対話を急ぐ米国を牽制する」
(韓国政府関係筋)目的があったが、公式に提案する前に北朝鮮から袖にされた。
当面、対話の糸口がつかめない状態が続きそうだ。
http://www.asahi.com/international/update/0426/TKY200804260318.html
聖火が韓国入り 27日午後、ソウルでリレー
2008年04月27日07時31分
北京五輪の聖火は長野でのリレーを終え、27日未明、日本から韓国の仁川国際空港に到着した。
聖火リレーはソウル市内で同日午後に行われる。
韓国では、北朝鮮からの脱出者で構成する団体などが中国への抗議集会を開いており、
警察当局は厳戒態勢で警備に当たる。コースの詳細や走者は明らかにされていない。
聖火はソウルでのリレー終了後、28日未明までに空路で北朝鮮に運ばれ、
同日に平壌で北朝鮮初の聖火リレーが行われる。その後、30日にベトナムのホーチミン、
5月2日に香港、3日にマカオで実施され、中国本土に入ることになっている。(時事)
http://www.asahi.com/international/update/0427/JJT200804270001.html
ソウル聖火リレー 脱北者ら抗議、けが人も
2008年04月27日22時48分
【ソウル=箱田哲也】北京五輪の聖火は27日未明、日本から空路で韓国に運ばれ、
同日午後からソウル市内約22キロを80人余りの走者らがつないでソウル市役所前広場でゴールした。
チベット問題を訴えるグループに加え、北朝鮮から逃げてきた脱北者や支援団体などが各所で
抗議行動を展開し、けが人が出た。
警察当局は聖火ランナーに伴走する100人以上の警察官のほか、白バイや自転車部隊を
出動させた。沿道の両側を警察官が手をつないで封鎖するなど、計9千人以上で警戒にあたった。
脱北者支援団体などは「中国は脱北者を強制送還している」と訴えた。韓国の聯合ニュースに
よると、スタート直後に支援団体と中国人留学生とみられるグループが衝突。
カメラマンが額を切るけがをした。また、脱北者1人が聖火を持った走者に飛びかかろうとして
警察に取り押さえられたほか、2人の脱北者が自分の体にガソリンをかけるなどして逮捕された。
ゴール近くのホテルでは衝突を制止しようとした機動隊員が、デモ隊が振り回した鈍器に当たり
負傷。警察はこの日、中国人1人と脱北者3人の身柄を拘束したという。
聖火は27日夜に仁川空港から直行便で平壌に移され、28日は平壌市内でリレーが実施される。
http://www.asahi.com/international/update/0427/TKY200804270067.html
聖火リレー:ソウルで投石合戦 中国人留学生と反対派
【ソウル中島哲夫】北京五輪の聖火リレーが27日、ソウルで行われた。
チベット問題や中国に脱出した北朝鮮住民の強制送還などを理由に抗議行動に出た各種市民団体と、
韓国在住の中国人留学生らが投石合戦に至るなど、衝突や摩擦が相次いだ。
聖火は27日未明、中国のチャーター機で仁川国際空港に到着。同日午後2時(日本時間同)過ぎ
から同7時にかけて、88年夏季五輪ゆかりのオリンピック公園からソウル市役所前広場まで
二十数キロの区間で80人余りがリレーした。韓国警察当局は8300人を投入して厳戒態勢を敷いた。
出発・到着地点とコース沿道の主要ポイントは、主に赤いシャツなどを着た中国人の人波と
大小の中国国旗で埋まり、ソウル市民や観光客を驚かせた。
聯合ニュースによると、聖火リレーの出発式後間もなく、付近で反対派のデモ隊と中国人留学生らの
グループが非難合戦となり、ペットボトルや石、角材の投げ合いに発展、新聞社カメラマンが巻き込ま
れて負傷し病院に運ばれた。
ソウル市役所前広場では午後4時過ぎ、「チベット・フリー(自由)」と書いたTシャツを着ていた
米国人とカナダ人の数人を中国人グループが取り巻き、近くの建物の石壁に押し付けたり中国旗の
旗ざおで殴るなどして、少なくとも1人に打撲傷を負わせた。
毎日新聞 2008年4月27日 20時44分(最終更新 4月27日 22時47分)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080428k0000m030067000c.html
ソウル聖火リレー終了、4人負傷・4人拘束
【ソウル=前田泰広】北京五輪の聖火リレーが27日、ソウルで行われ、中国人留学生が中国政府を
批判する脱北者団体メンバーらに石を投げつけるなどの小競り合いで、少なくとも4人が負傷した。
また、リレーに抗議し、シンナーを使って焼身自殺を図った脱北者の男2人など計4人が警察当局に
拘束されたが、リレー自体は無事終了した。
コースは、ソウル市内のオリンピック公園から市庁舎前広場までの約22キロ。約1万人の警察官が
外国首脳並みの厳重な警備をする中、走者80人が参加し、沿道などに5000人以上の中国人留学生
が集まった。
スタート会場では、脱北者支援団体が、脱北者を北朝鮮に送還しているとして中国政府を非難する
集会を開催。ソウル市内では、韓国在住のチベット僧侶らが中国のチベット暴動鎮圧に抗議して
デモ行進した。
警察当局は、焼身自殺を図った脱北者のほか、脱北者団体に石や工具を投げつけた中国人留学生らを
拘束。脱北者の男が聖火ランナーの一団に乱入しようとして警察に排除された。
聖火リレーは28日、北朝鮮の平壌で行われる。
(2008年4月27日21時29分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2008/news/topic/world/news/20080427-OYT1T00484.htm
聖火リレー、ソウルも混乱 中国人の一部が騒動
2008.4.27 18:13
【ソウル=久保田るり子】北京五輪の聖火リレーは27日午後、韓国の首都ソウルで厳戒体制の
なかで行われた。ランナーは警察官に何重にも囲まれ、機動隊が防御するなかを走ったが、
妨害を試みた男3人が逮捕されたほか、数百人の中国人留学生らと中国政府の「人権弾圧」を
非難する脱北者団体がもみ合い、負傷者が出た。詰めかけた中国人留学生らは1万人以上。
ソウルの聖火コースは在韓中国人らが振る「五星紅旗」で赤く染まった。
第一走者は大韓オリンピック委員会(KOC)の金正吉委員長で、
「オリンピック公園」からソウル市庁前までの約22キロを約80人が5時間をかけてリレー。
途中、男が聖火ランナーの前に飛び出そうとしたり、道路脇にシンナーをまいて火を付けようと
する妨害行動があったほか、聯合ニュースによると、ソウル市庁舎前で「チベット自由」と書かれた
Tシャツを着た米国人とカナダ人の計5、6人が約300人の親中国団体メンバーに囲まれ、
暴行を受けて負傷した。コース外では中国人留学生らが抗議デモを行っていた脱北者や支援者に
詰めより、留学生側が石やペットボトルを投げるなどして一時、騒然となった。
混乱は聖火到着後も続き、中国人の若者ら数百人がチベットの旗を掲げた男性を取り囲み、
阻止しようとした機動隊と衝突した。
韓国政府はロンドン、パリなどの混乱を懸念し、屈強な戦闘警察(日本の機動隊員に相当)
およそ8000人を動員した。中韓関係を重視する李明博大統領が来月にも訪中を予定しているほか、
北京五輪開会式への出席するため、メンツをかけ万全の体制を組んだ。
北、米国の核追及姿勢を批判
2008.4.27 23:25
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は27日の論評で「米国は核と関連して、他国を非難し
問題視する資格も名分もない」と強調し、6カ国協議の「すべての核計画申告」で、プルトニウムや
高濃縮ウランによる核活動やシリアとの核協力などを追及する米国の姿勢を批判した。
米国がシリアとの核協力問題で証拠とする画像を公表したことには直接触れなかったが
「核計画申告」に対する厳格な検証を求める米国の姿勢への反発をにじませた。
論評は米国について「誰かの核疑惑や核秘密接触などを取り立てて騒いでいる」とした上で
「プルトニウムを生産、貯蔵し続け、イスラエルや日本の核開発にも協力している」と指摘。
「最も危険な国は米国だ」と主張した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080427/amr0804272325004-n1.htm
核開発を明確に否定 シリア大統領
2008.4.27 22:18
シリアのアサド大統領は27日付のカタール紙アルワタンが掲載したインタビューで、
シリアが北朝鮮の支援を受けて原子炉を建設していたとする米政府の主張を明確に否定した。
大統領は、イスラエルが昨年9月に空爆したのは「建設中の軍事施設であり、核施設ではない」
と従来の主張を繰り返した上で「衛星から丸見えの、対空防衛施設もない砂漠の真ん中に核施設を
建設するのは合理的だろうか」と指摘した。
さらに「イスラエルで核兵器を使用すればパレスチナ人が死亡する。論理的ではない」と述べ
「仮にイランが所有しても、シリアは核兵器を求めない」と言明。中東での戦争は通常兵器による
戦いに留まるとの見方を示し「イランも同じ見解だ」と訴えた。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080427/mds0804272223005-n1.htm
「君が代」指導を非難 北朝鮮機関紙
【平壌27日共同】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は
27日の論説で、日本の小中学校の新学習指導要領で君が代を「歌えるよう指導する」(小学校音楽)
と特記されたことを非難した。
同紙は「君が代をすべての新しい世代に広く歌わせることによって、彼らを軍国主義で武装させ、
時が来れば海外侵略の道に駆り立てようとする極めて危険な策動だ」と評した。
2008/04/27 19:36
http://www.47news.jp/CN/200804/CN2008042701000486.html