爺さんの体験談代筆スレッド 巻の二

このエントリーをはてなブックマークに追加
239マンセー名無しさん

爆破に成功して永城に戻る途中で別の村に寄ったのですが、中国人の若い女の子が隠れているのを兵隊が見つけまして、
「報道班員殿、どうもこの女、スパイみたいなものでやってしまおうかと思うのですが、報道班員から先にどうですか」
と言うんですね。
「冗談言うな。なんでスパイとわかったんだ」
と言いましたら、携帯用の無線機が隠れている部屋から出てきたんだそうです。
どうもスパイというのは本当らしかったです。
 
娘子軍 (じょうしぐん) というのは聞いていましたが、見たのはそのときが初めてです。
その辺の農家の娘といったかっこうですが、まだ二十歳前だったんじゃないでしょうかね。
とっても美しい子だったんです。
 
「ふてえ女だから僕は強姦します。報道班員はいいですか」
とまた言うもんだから、
「馬鹿者、やめとけ。てめえの妹や恋人がそんな運命にあったらどんな気がする。」
と止めたんですが、別の家に連れ込んで辱めたらしいんですね。
 
しばらくたって、その兵隊が土壁の切れ目から女の子を外の麦畑の方に連れていくのが見えましたので、
土壁の上に上がって見ておりましたら、20 メーターか 30 メーター離れた麦畑の中まで連れていきまして、
兵隊が手を放したら、女の子が畑の中へ逃げようとしまして。
それを後ろから拳銃で射殺しました。
日本軍の拳銃じゃなくてモーゼル銃だったんです。
敵側から鹵(ろ)獲した拳銃だったんだと思いますが、銃身の長い拳銃でした。

  石川保昌、小柳次一「従軍カメラマンの戦争」、新潮社(1993) p.120.