馬の糞を水で溶いて飲ませるかそのまま食べさせ、
傷口の消毒には人の小便が使われ、場合によってはそれを飲ませ、
傷の痛みが酷い場合には、やはり小便を陣笠に溜めてから暖めて飲ませたとある。
「疵ががいにうずくべいならば、おのれが小便をのみなされろ。やはらぎ申べい」
傷がズキズキ痛むなら、自分の小便を呑めば症状が和らぐというのである。
日本では自分の小便を飲む飲尿健康法も流行った事実からも、
昔も普通に行われていたことは想像に難くない。
文献:『雑兵物語』(浅野長武監修 人物往来社 1968年)
「救民妙薬」という健康本には「脚気には、痛むところに牛の糞を塗る」などの記述もある。
このように、健康本に糞を使用した治療法が記載されていることからも、
日本の民間で糞を利用した医療行為が一般的に行われた事実がわかる。