南大門炎上から1週間 右往左往の中で「日本学べ」
2008.2.17 18:45
【ソウル=黒田勝弘】韓国で国宝1号の南大門(崇礼門)が放火で炎上、焼け落ちてから
1週間になるが、世論のショックや怒りは収まらず、当局の事後処理なども右往左往が続いている。
責任問題では、近く任期を終える盧武鉉政権と前ソウル市長だった李明博次期大統領とどちらに
より責任があるかで“政争”の気配もみえる。そんな中で「木造文化財の保護、管理は日本が最高水準」
と「日本に学べ」の声がしきりに聞かれる。
事後処理で問題になったのは、火災現場で消防当局が掘削機などを使って焼け跡を勝手に
掘り起こしたり、文化財当局が残骸をいち早くゴミ処理場に運び出したりしたことだ。
文化財火災の際の厳格な現場保存や精密調査など、基本的対応を無視したやり方と、
世論の非難を浴びている。
一方では焼け落ちた瓦がひそかに外部に持ち出され、インターネット競売で1個100万ウォン
(約10万円)の値が付けられていることが分かり、ネットでも非難が爆発している。
こうしたちゃっかり組には、焼け跡の現場近くに勝手に手作りの祭壇を設け、
ひざまずく悲しみの市民から“義えん金”を取ってポケットに入れていた者もいる。
いまなお国民的怒りの対象になっているのは放火犯(69)。立ち退き補償問題で
陳情を無視された当局への恨みが原因というが、現場検証でも「人が死んだわけではない。
建て直せばいいじゃないか」と反省の弁はまったくなく、さらに世論の怒りを買っている。
火災直後、文化財への認識を高めようと「国民募金で再建しては」と発言した李明博次期大統領
もたちまち「まだそんな話をするときではない。まして国民に直接負担させようなどとは」
と批判され、発言を撤回。代わって一部マスコミが募金運動を始めた。