【栄養失調】飯嶋酋長研究第905弾【栄誉も失調】

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874音越 ◆JuF9ijSAwY
ネットには上がっている様子が無かったのでカキコ。全文掲載で長いですがご勘弁。

日本経済新聞5月13日朝刊 第2面

風見鶏 コリア・ファンタジーの怪      編集委員 伊奈久喜

 ロサンゼルス・タイムスの外交記者だったジェームス・マン氏の近著「ザ・チャイナ・ファンタジー」の邦訳「危険な幻想」
(渡辺昭夫訳)が刊行された。経済が成長すれば中国は民主化する、と考えられがちだが、それは危険な幻想だと主張する。
 もっとも要注意はコリア・ファンタジーだ。金正日体制との対話を通じて、核、ミサイル、拉致問題を解決できると考えるのがそれだろう。
多くの読者の方々も、あの体制が倒れない限り解決しない、と直感されているのではないか。
 日本でも米国でも韓国でも、本音ではそう考えても、ネオコンと見られたくないと思い、公言しない知識人が少なくない。この結果、
幻想と現実が混同され、融和政策を生む。1938年のミュンヘン会談で英国が選んだ融和は、第二次世界大戦の一因になった。
 当初は北朝鮮を封じ込めるためだった6カ国協議は変質した。初期段階の措置をとらない約束違反に対しても腫れ物に触る扱いだ。
圧力を目的に米国が呼びかけたカイロでの5カ国外相会談も、北を刺激したくない国々が拒否した。
1994年の米朝枠組み合意は「トロイの木馬」と解説された。軽水炉建設のために外国から作業員を送り込めば、閉鎖社会に風穴が開き、
体制崩壊につながるとの説だった。鎖国する国の壁は厚かった。
 米国にも日本にも、いま金正日体制を軍事的に倒す決意はない。その条件も確実な手段もない。幻想と知りながらも交渉以外に
当面の選択肢がないのも事実である。いったん交渉を選べば、外交官は体制打倒を口にできなくなる。相手が応じなくなるからだ。
問題は交渉の仕方となる。
(続く)