ジュネーブで21日、毎日新聞と単独会見した潘基文(バンギムン)・国連事務総長は、大量の
不発弾を生み出すクラスター爆弾について「根絶されねばならない」と断言し、爆弾禁止に
向けた国際社会の流れを後押しする考えを明確にした。
民間人の被害が「あまりに大きく、非人道的だ」と非難、「根絶」という厳しい言葉を使うことで
禁止実現への強い決意を示した。
事務総長は「国際社会で行われているクラスター爆弾根絶のための努力を積極的に支持
する」と表明。同爆弾禁止に積極的なノルウェーやオーストリアなどの有志国が08年を目標に
禁止条約作りを進めていることについて「そのような目標を積極的に支援したい」と述べた。
有志国による禁止条約づくりは今年2月のオスロ会議で合意され、5月下旬にペルー・リマで
開かれる次の会議に向け関係国が草案作りを急いでいる。賛同国はこの後、11月にオー
ストリア・ウィーン、来年初めにニュージーランド・ウェリントン、来春にアイルランド・ダブリンと
連続的に会議を開き、一気に条約をまとめたい方針だ。
一方、クラスター爆弾保有国の中には、規制の必要性に同意しながらも条約内容が急進
的になることを警戒する慎重派も多い。
今月20日には慎重派を代表する形で、ドイツが当面は不発率1%以上の爆弾を使用禁止に
するという「部分禁止」条約(議定書)案を提案。国連の枠組みの下にある特定通常兵器
使用禁止制限条約(CCW)の場で協議する考えを示した。
一方、ノルウェーなどの積極派は、クラスター爆弾を大量に保有する米露中などが参加
するCCWでは「全会一致が原則なため議論が進まない」と主張、CCWとは無関係に条約
作りを進めようとしている。このため、今後の条約作りでは、独自路線で突き進もうとする
積極派と既存の枠組みを重視する慎重派の競り合いが予想されている。
潘事務総長は二つの流れのどちらかにくみすることは避けたが、クラスター爆弾禁止に
向けた事務総長の強い決意は有志国への追い風として働きそうだ。
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