連続ドラマ小説「ニホンちゃん」33クール目

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918U-33 ◆JOCEixq6zU
『The leftist on the hill 2』(1/2)

 日ノ本家は町内大喧嘩のとき、アメリー家から巨大花火を打ち込まれ、おおぜいが大火傷を負いました。
だから、花火を喧嘩に使おうという人たちに対しては、日ノ本家の人たちは誰もが強く反発するのです。

 さて、話はだいぶ昔のことです。そのころ、アメリー家とソビエト家は、互いの力を見せつけあうかの
ように花火の実験を繰り返していました。そして、そのことに日ノ本家のみんなは怒りと不安を感じて
いたのです。
 そこで、日ノ本家では町内でビラをまいたり、デモをして抗議をしようという話が盛り上がりました。
一同は一生懸命ビラを作ったり、デモの準備をしたりと大忙しでした。でも、仕事や家事をしながらの
活動はなかなか大変です。

 そんな中でサヨックおじさんは家業をほったらかしにして、活動の事務局を率先して引き受けてくれ
ました。そこでいつしか、花火への抗議は、サヨックおじさんが仕切るようになっていきました。
 それをいいことに、サヨックおじさんは、だんだん勝手なことをするようになっていったのです。
919U-33 ◆JOCEixq6zU :2007/10/28(日) 12:53:18 ID:pppaRDeI
(2/2)

 もともとアメリー家への抗議にばかり熱心なサヨックおじさんでしたが、花火への抗議に集まった
メンバーを引き連れて、日ノ本家の敷地の一角にあるアメリー家のガードマンの詰所に行って『出て行け』
と叫んだり、それは違うのではとたしなめたニホンパパに食ってかかったりしだしたのです。
 そんなことが続いたのでニホンパパやママはすっかり嫌気がさして、活動から手を引いてしまい、
いつしか抗議に参加するのはサヨックおじさんやシャミンさんだけになってしまいました。

 そんなときでした。しばらく花火の打ち上げをしていなかったソビエト家が久しぶりに大型花火の
実験をしたのです。
「これは大変。抗議をしなければ」という、シャミンさんの前でサヨックおじさんは言ってのけました。
「ソビエト家の花火は平和のための花火だ。喧嘩のためのアメリー家のと一緒にするな」
 あきれたシャミンさんとサヨックおじさんは大喧嘩になり、とうとうシャミンさんまで「勝手にしなさい」
と捨てゼリフを吐くとサヨックおじさんの前から立ち去ってしまいました。

 ひとりぼっちになったサヨックおじさんは、裏山に登ってそのころ花火の打ち上げを始めたチューゴ家の
ほうを見ながらひとりつぶやくのでした。
「ああ、地球町の平和のためにチューゴ家が花火を打ち上げている。なんてきれいな花火なんだろう」


(ソース)
元ネタは原水爆禁止運動の分裂です。

昭和ラプソディ(昭和38年・下)
■被爆者不在の平和運動
ttp://www.geocities.jp/showahistory/history04/topics38b.html

昭和ラプソディ(昭和39年・下)
■中共が核実験
ttp://www.geocities.jp/showahistory/history04/topics39b.html