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もともとアメリー家への抗議にばかり熱心なサヨックおじさんでしたが、花火への抗議に集まった
メンバーを引き連れて、日ノ本家の敷地の一角にあるアメリー家のガードマンの詰所に行って『出て行け』
と叫んだり、それは違うのではとたしなめたニホンパパに食ってかかったりしだしたのです。
そんなことが続いたのでニホンパパやママはすっかり嫌気がさして、活動から手を引いてしまい、
いつしか抗議に参加するのはサヨックおじさんやシャミンさんだけになってしまいました。
そんなときでした。しばらく花火の打ち上げをしていなかったソビエト家が久しぶりに大型花火の
実験をしたのです。
「これは大変。抗議をしなければ」という、シャミンさんの前でサヨックおじさんは言ってのけました。
「ソビエト家の花火は平和のための花火だ。喧嘩のためのアメリー家のと一緒にするな」
あきれたシャミンさんとサヨックおじさんは大喧嘩になり、とうとうシャミンさんまで「勝手にしなさい」
と捨てゼリフを吐くとサヨックおじさんの前から立ち去ってしまいました。
ひとりぼっちになったサヨックおじさんは、裏山に登ってそのころ花火の打ち上げを始めたチューゴ家の
ほうを見ながらひとりつぶやくのでした。
「ああ、地球町の平和のためにチューゴ家が花火を打ち上げている。なんてきれいな花火なんだろう」
(ソース)
元ネタは原水爆禁止運動の分裂です。
昭和ラプソディ(昭和38年・下)
■被爆者不在の平和運動
ttp://www.geocities.jp/showahistory/history04/topics38b.html 昭和ラプソディ(昭和39年・下)
■中共が核実験
ttp://www.geocities.jp/showahistory/history04/topics39b.html