連続ドラマ小説「ニホンちゃん」33クール目

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なぜなら、今この家を指導しているのは私だからだ。
隣人を招きいれたのもそのためのステップに過ぎない。
結果よければ全てよし!

全くウチの家族ときたら!
他人の力まで借りて私が皆を指導してあげているのに未だに協力的ではない。
大体私は誰にも頭を下げなくてよかったんだ。
喧嘩の強い隣人に、下げたくない頭を下げてやっとこの地位を得ているのに!
何故だ?私を怒らせると後悔するぞ。
もう人気取りの必要はないのだからな!

どうも雲行きがおかしい。私が頼る隣人の旗色が悪くなってきた。
アメリー家が、隣人を本気で倒す気らしい。
私も巻き込まれるのだろうか。倒すなら隣人だけにして欲しいものだ。
なのに我が家から逃げた者達が、アメリー家と共に動いているようだ。
裏切り者め!私がそんなに憎いのか!讃えられこそすれ恨まれる覚えは無い!

馬鹿な!隣人が敗れた今、私は家族に裁かれることになりそうだ。
敵を引き込んだ裏切り者として。
だが、ちょっと待って欲しい!
我が家には『他人を家に引き込んではいけない』という約束事は一切ないのだ。
つまり私には何の罪もないんだよ!
ルールがないなら罰もない。当然そうなる!法が私を守るのだ!
しばらくは地位や権力を諦め、大人しく過ごすさ。
私を恨む奴もいるかも知れんがこっちだって言い分はある。
少し先行きが不安だが、我ながら心配のし過ぎではないか?

 アサヒちゃんは本を閉じ、乱れた呼吸を整えると、ノルウェー君に返しました。
 昔の大喧嘩の頃、ノルウェー君の家の人が書いた日記を読ませてもらっていたのです。
「こ、この人、結局どうなったの」