連続ドラマ小説「ニホンちゃん」31クール目

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636処女作?
『世界一の美酒』

 今日は蹴球町内一を決める決勝戦。町内の目がすべて集まる日でもあります。
 対戦するのは、フランソワーズちゃんとマカロニーノ君。どちらが勝ってもおかしくないゲームです。
 国歌静聴など、いつもの儀式が終わりゲームが開始されたのですが、ちょっと様子が変です。
 いつも陽気なマカロニーノ君が、何か小声で囁き。フランソワーズちゃんが顔を真っ赤にしています。
 それでもゲームは1ターン、2ターンと順調に進み。延長の3ターンまできました。
「もう…勘弁なりませんわっ!」
 いきなりフランソワーズちゃんが立ち上がり、マカロニーノ君に近寄ったかと思うと、電光石火の頭突きをかましてしまいました。
 鼻頭に見事に決まった頭突きにより、マカロニーノ君は鼻血ブー状態です。
「何をしてる、フランソワーズ!」審判をしていたアーリアちゃんが、羽交い絞めにします。
 それでも、まだ足りないのか。足をばたつかせ「もう、もう……この下郎がっ!」と、怒り心頭状態でさらに暴行を加えようとしています。
「あ、あの男。あろうことか、私の母を、姉を……口が裂けても言えないことを!」
 つっかえながらもそれだけを何とか言うと、衆目も忘れ、わぁっと泣き崩れてしまいました。
 しかし、ルールはルール。暴力など許されるはずがありません。
 ゲームはフランソワーズちゃんの反則負けとなってしまいました。


「最低だな、お前は」
 表彰式、強者の証であるトロフィー授与の際、開催者であるゲルマッハ君が、ぽつりとつぶやきましたが。
「まぁ、女性に使う言葉ではなかったけどね」
 マカロニーノ君は前髪を払い。
「それでも、世界一の美酒の前では、どんな美女も見えなくなるのさ」
 と、トロフィーを天高く掲げました。