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それに誰だって縄張り争いをしている。力なき正義や、手を汚さぬ平和など無いのだ。
ヒーローによる秩序、それが皆に最高でなくとも、現状では最善の社会をもたらすはずだ。
以前の我が家を思い出せば、そんな迷いは雲散霧消する。
今の我が家が、昔よりもあるべき姿に近づいたことに疑問の余地は無い。
野蛮な隣人達から干渉され、奪われ、傷つけられてばかりいた。
だけどヒーローと共に戦ってからは違った。
踏みつけられていた私の家の旗を、堂々と翻して戦った、
自分らしくいられる輝ける時間。
私はこれでよかった。そして私の家の子孫も、自分らしくいて欲しい。
何よりも、我が家がいつまでも滅びないでいて欲しい!
たとえ私が帰れなかったとしても、魂となって永遠に家族を見守り続ける―――――。
「―――――ありがとう、ポーラちゃん」
そう言って、ニホンちゃんはポーラちゃんに手紙を返しました。
ポーラちゃんのご先祖様が家族に宛てた手紙。
今まで知りませんでした。ポーラちゃんの祖先にこんなことがあったなんて。
誰かが言っていました。『ポーラちゃんの家は強かったんだ。戦士の伝統がある』と。
「ニホンちゃん私ね、ニホンちゃんには知ってほしかったの。
こんな風に命を懸けた人もいるって。離れていても家族のためにね」
ニホンちゃんはポーラちゃんの手をギュッと握りました。
「あたしこそ、今度ポーラちゃんのご先祖様のお墓参りに行かせて!」
「ありがとう。喜んで招待するわ」
そこへアメリー君がやってきました。
「ハーイ、2人とも丁度良かった。今夜うちでパーティーを開くんだけど、どうかな」
2人は顔を見合わせ、笑顔を浮かべました。
「「ええ、喜んで」」
おしまい