>>486 しかし時の経過で過去の時代の実際体験が遠くなり、しかも歴史教育やマスコミ
などを通じ「日本支配と果敢に戦った」という抵抗史観一色で育った世代が増える
につれ、韓国では自らを日本を裁いた連合国の立場に置こうとする考えが広がって
いる。そこから「日本に支配・統治されたが日本とは一緒ではなかったんだ」と
思い込もうとして、逆に軍国主義日本糾弾の意味で靖国問題
にこだわるのだ。
それに盧政権の対日強硬外交の背景には、国力増大による過剰気味ともいえる
民族的自信感がある。これまでの韓国の政権は日本に対する恐れや遠慮からくる
卑屈な低姿勢外交だったとみる。そこで韓国が日本に対して貫けなかったとする
歴史がらみの要求について、ことあるごとに日本に対し強硬に要求し主張をぶつ
けようとする。そこには当然、そうした“堂々たる”対日強硬外交を政権の業績
として歴史に残したいという欲もある。
盧政権は「自主外交」の名で韓国を「東アジアの均衡者の役割」に位置付けよ
うとしている。これは相対的には日米のワクから出るという方向である。対日外
交もその一環であり、今後は日本に対しては近づいたり離れたり「選択的」に対
応するというのだ。日本もそれに対応した付き合いにならざるをえない。
(釜山 黒田勝弘)