>>434 余談だが、盧武鉉政権などもとかく批判されることを嫌がり、新聞と
しょっちゅうケンカしている。というと「ほめずに批判ばかりだ」というの
だが、そこは権力である。権力は“蜜”なのだから“塩”があってこその
自由民主主義社会なのにと思うのだが。
さてキムチの話に戻ると、今、韓国はキムチで大騒ぎだ。中国からの輸入
モノに有害物質や寄生虫の卵が検出され、中国非難が噴出して中国との間で
“外交問題”にまで発展し、今度は韓国産からも寄生虫卵発見というニュースが
流れ、中国にばかり文句をいってはおれない事態とあって騒ぎは複雑に広がっている。
こうしたキムチ問題の基本的背景には、韓国人たちが昔ほどは自家製の
キムチを作らなくなり、出来合いのものを外で買う家庭が増えたという
ことがある。食堂も同じで、手間ヒマ、カネのかかる手作りキムチは
やめて大量生産で安いいわば“工場製”を使うようになったからだ。街の
大衆食堂で出るキムチなど近年、ほとんどが安い中国産になっていた。
こんなお手軽キムチに加え、韓国人自身が食生活の多様化で昔ほどキムチを
たくさん食べなくなったため近年、キムチに対する“虐待”が目立つ。出され
ても食べないキムチが多すぎるのだ。とくに大衆食堂では出されたキムチの
半分以上は残り物として捨てられている。これはテーブルの食べ残しぶりを
見ればよく分かる。
それでも韓国人の食卓には今も必ずキムチが出る。食べなくても出ている
ことで安心するというか。食べなくても必ずなければならないのだ。そして
あの色、におい、味の独特さに、韓国人は民族的心情の「ウリ(われわれ)」
を感じる。韓国人にとってキムチはやはり代表的な“伝統文化”なのだ。
>>435 「たかがキムチされどキムチ」。ソウルの国際展示場では恒例の「キムチ
EXPO」が開催され「キムチの国際化」に余念がない。「食は湖南にあり」
という湖南(全羅道)の中心都市・光州の「キムチ祭り」も近く始まる。
マスコミは日本製キムチは発酵不足でニセ物だと食品関係のさる国際機関に
訴えた結果、キムチ・イコール韓国製と認められたといって喜び、さらには
「最も韓国的なるものが最も国際的なんだ」といって「キムチは今や国際的
食品」としてもてはやしている。
もちろん中国の有害キムチは論外だが、中国産キムチも日本産のあっさり
キムチもキムチなのだ。キムチの人気が高まれば当然、各国で好みにしたが
ってキムチを作りはじめる。それが国際化である。なのに「本場のウチの
キムチだけがキムチだ」といって、他国産を批判するのは実に非国際的である。
それにしても韓国の“キムチの気持ち”はつらい(?)。ことあるごとに
愛国・民族主義感情を仮託されさぞかし荷が重かろう。この秋は理屈抜きで
精出して食べてあげよう。